郊外マンションは生き残れるか

郊外の戸建て住宅は、苦戦しているのはよく知られています。では、郊外のマンションは生き残れるのでしょうか?

供給が減ってきた郊外マンション

郊外マンションは、最近、新規供給が減ってきました。理由はいくつかあります。

一つは建設費の高騰です。2020年東京オリンピックの開催決定をきっかけに、新規工事の建設費が急上昇しました。

郊外のマンションは、土地代が安いです。そのため、建設コスト全体に占める建設費の割合が高いので、建設費の高騰が起きてしまうと、マンション全体の価格が急上昇してしまうのです。

しかし、郊外エリアのマンションの購買層は、高所得者ではありません。そのため、マンション価格が上昇すれば、購入層の需要とうまくマッチングしなくなります。そうなると、デベロッパーとしても、新規マンションの建設に及び腰になってしまうのです。

郊外型マンション

需要も減ってきた

もう一つ、郊外マンションの供給が減った理由として、そもそも郊外マンションの需要が減ってきた、ということがあげられます。東京の中心部にはタワーマンションが林立し、都心を少し離れたエリアの主要駅前にもタワーマンションが次々と建設されています。こうした交通利便性に優れたマンションが供給されれば、これからマンションを買う人はそちらに目がいきます。

多くの人が「駅前マンション」に目がいく中で、郊外駅の、しかも駅から離れた立地のマンションが売れるわけはありません。価格を安くすれば売れるかもしれませんが、前述したように建設費が高くなっているため、そう簡単に安く供給もできません。こうした理由で、郊外のマンションは、需要も供給も失われつつあるのです。

郊外駅、徒歩5分以上は避ける

となると、すでに建っている郊外型マンションの未来も明るいとはいえません。郊外でも駅徒歩5分以内のマンションはまだ大丈夫ですが、駅からバス便のマンションの将来は楽観できないでしょう。ひとたび空き家が増え始めると、管理費の滞納が起きたり、賃貸で質の悪い住人が増え始め、マンションは徐々にスラム化していく可能性もあります。

そう考えると、郊外立地で、駅徒歩5分以上のマンションは、これから買うべきではありません。新築はもちろん、中古でも避けるべきでしょう。

主要路線の主要駅前なら安心

日本において、交通の機軸は鉄道です。クルマ社会といわれますが、それは地方の話で、都市部ではまだまだ鉄道が便利です。いや、地方であっても、高齢化社会ではクルマの運転を避ける人が増えていて、鉄道の利便性は見直されていくでしょう。

そう考えるなら、これからマンションを買うなら、駅前に限ります。駅前ならどこでもいい、というわけではもちろんありません。安心なのは、主要路線の主要駅です。郊外であっても、主要路線の主要駅の徒歩圏なら、まだまだマンションの需要はあります。

主要路線とは、東京なら山手線にダイレクトアクセスできる路線、大阪なら梅田か難波にダイレクトアクセスできる路線です。そうした沿線の、優等列車(急行・快速など)停車駅か、山手線、大阪環状線に乗車10分以内の駅がいいでしょう。

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