定期借地権マンションは得か損か? 資産価値は低いが、50年後に解体が決まっているのはメリット

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定期借地権とは、一定期間の借地権のことです。定期借地権付きマンション(定借マンション)とは、定期借地の上に建てられたマンションです。借地期間が終了したら建物を壊し、土地を更地にして地主に返還しなければなりません。

定借マンションでも、建物は区分所有者が所有権を持っています。一方、土地は買わずに借りるだけなので、分譲価格に土地代が含まれません。そのため、安いのが特徴です。

いったい、定期借地権マンションは、得なのか損なのでしょうか? 検証してみましょう。

土地付きマンションより2~4割安い

定期借地権付きマンションの魅力は、なんと言っても価格。土地を買わずに借りるだけなので、通常の土地付きマンションより2~4割くらい安いです。ただし、入居時には土地の保証金が必要で、月々の借地料の支払いもあります。借地料は場所によって異なりますが、50年間となると総額数百万円になります。一方で、土地の固定資産税はかかりません。

定期借地権は最低50年と決められていますので、定期借地権付きマンションも50年の借地権付きが一般的です。ですから、新築の場合、最低50年は済むことができます。

担保価値は低い

定期借地権付きマンションでは、購入時の価格に土地代が含まれません。そのぶん、分譲価格や中古価格が安くなります。安くて買いやすいのはいいですが、住宅ローンを組むときに、マンションの担保価値が低いのは注意点。土地部分に担保価値がないためです。

借地期間が終わったら、マンションは解体して更地にし、地主に返還しなければなりません。解体費用は、毎月積み立てます。そのため、定借マンションでは、管理費、修繕積立金とは別に、解体準備基金という積立金も毎月かかります。

50年後に、積み立てたお金でマンションを解体して、残金などは精算します。50年後に必ず更地にしなければならないとは限らず、契約条件によっては借地権を延長できることもあります。

マンション

老朽化リスクがない

定期借地権付きマンションをどう評価するかは、意見が分かれます。

「居住の終わり」が見えているので、ある意味安心、という声もあります。というのも、土地付きマンションでは老朽化とともに建て替えの問題が生じ、建て替えできない場合はスラム化したマンションを所有し続けなければならなくなる、といったリスクがあります。定期借地権付きマンションは解体が決まっていますので、そうしたリスクがありません。

定期借地権ではなく、一般借地権のマンションと比べるとどうでしょうか。一般借地権マンションは、解体費用を積み立てていない場合が多いので、老朽化したときにどうするか、という問題が生じます。定期借地権付きマンションでは、解体費用を積み立てているので、老朽化のリスクから逃れることができます。

売却が年々難しくなる

定期借地権付きマンションは、土地がないだけに資産価値では見劣りします。

とくに、借地権の残りが短くなると、売却しようにも価格がかなり低くなることが予想されます。借地権が0年になれば、資産価値が事実上ゼロになりますから、その時期が近づくにつれ売却じたいが、年々難しくなります。

「終の棲家」にならない

人が住宅を購入する理由の一つに、「終の棲家を手に入れる」という考え方があります。定借マンションがその条件を満たすかは疑問です。

人間の寿命は人によって違いますが、長ければ100歳まで生きることもあります。そのため、定期借地権を50歳で買えば、「死ぬまで住める」といえるでしょう。

しかし、たとえば30歳で購入すれば、80歳で住みかを失うリスクがあります。そう考えると、50歳以下で定期借地権付きマンションを買うのは、あまりおすすめできません。

残存期間が短くなっても補修できるか?

こうした声を反映してか、最近は借地権の設定期間を長くした定期借地権住宅も出てきました。60年や75年などです。借地期間75年となると、25歳で買っても100歳まで住むことができますから、ほとんどの場合、「死ぬまで住める」ことになります。

とはいえ、たとえば築50年をすぎた段階で、建物が老朽化が目立ってきたときに、あと25年の所有期間のために大規模修繕をするかどうか、という問題が浮上するかもしれません。定借期間を延ばしたら延ばしたで、建物の補修という大問題が生じてしまうのです。

定借マンションの問題点として、借地権残存期間が短くなるにつれ、補修が行き届かなくなりやすいという点が挙げられます。築50年くらいなら心配なくとも、築60年や築70年となると、どうなるかわかりません。

買うなら都心部

こうして考えると、定期借地権付き住宅は、賃貸住宅に超長期で契約するのに似ています。あえて書けば、定期借地権付き住宅は「資産」ではありません。住宅の「長期利用権」にすぎません。

それでも都心部の交通至便な定借マンションなら、たとえ築45年になっても「利用したい」と考える人はいるでしょうから、使い道はあります。貸すことができれば、期限いっぱいまで無価値にはなりません。

私見ですが、定期借地権住宅を買うのなら、交通至便な都心部に限る、といえるでかもしれません。


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