日曜日, 8月 9, 2020

建物構造

マンション「15階建て」と「14階建て」のメリットとデメリット

マンションの階数で「15階建てよりも14階建てのほうがいい」という議論がよくきかれます。高さ制限のあるなかでマンションを建設する場合に、1階あたりの階高が高いほうがいいマンションだ、という考え方です。でも、これって正しいのでしょうか? 「15階建て」「14階建て」それぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。 15階建ては階高が低い マンションでは15階建てと14階建てが多いです。その理由はいくつかありますが、一番大きな理由は非常用エレベーターの設置義務だといわれています。 建築基準法では、高さ31mまでとそれを超える4階部分までの建物であれば、非常用エレベーターを設置しなくてもよいとされます。一般に、高さ31mとは、10階か11階に該当します。つまり、高さ31mが10階ならば、全部で14階建てのマンションとなり、11階ならば全部で15階建てとなります。 マンションの階高(1フロアあたりの高さ)は、3m程度が理想といわれます。しかし、階高3mとするには、高さ31mで10階までしか入りません。逆に11階を高さ31mに収めようとすれば、階高を低くしなければなりません。そのため、15階建てのマンションは、どうしても階高が低くなります。 マンションの階高は、低いよりは高い方がいいです。高いほうがリフォームの際の自由度もありますし、部屋が広々としています。階高が大きいことは、14階建てマンションのメリットといえるでしょう。 15階建ては敷地に余裕が出る? ただ、15階建てにもメリットはあります。マンションを建てる際には、容積率の範囲内でしか建てられません。容積率をめいっぱい利用して建てる場合、15階建てにすればマンション全体の天地が高くなりますので、マンション全体の平面(建物の建築面積)は小さくなります。逆に、14階で容積率をめいっぱい利用する場合、15階建てよりも平面は大きくなります。 そのため、15階建ては14階建てよりも、敷地に対して余裕ができます。余裕があれば、建物の形を決める際の設計の自由度が高まりますし、敷地利用の選択肢も増えます。たとえば、中庭の面積を広くすることができたりしますし、南向きの部屋を増やすことが可能になることもあるわけです。 また、15階建てにすれば、1戸あたりの建築原価も小さくできますから、結果として分譲価格も安くできます。「安くできる」からデベロッパーが「安く売る」とは限りませんが、購入者としては安く買える可能性が高まるわけです。 高級感を求めるときは14階建て 階高という視点からみれば、15階建ては14階建てよりデメリットが大きいのは事実です。でも、階高に少し目をつぶれば、少し安い価格でマンションが手に入り、固定資産税もちょびっとだけ安くなるわけです。 いちがいに「15階建てが14階建てより悪い」とは限りません。ただ、マンションに高級感を求める場合は、15階建てを購入するときは注意しましょう。14階建てのほうが、階高が高いだけに天井が高く、高級感では満足度が高そうです。

スケルトン・インフィルがマンションで重要な理由

「スケルトン・インフィル」とは、マンションのメンテナンス性に関わる言葉。簡単にいえば、マンションの構造躯体と、設備の配管などを切り離しておこう、という考え方です。ここでは、スケルトン・インフィルについて、わかりやすく説明しましょう。 構造躯体と内装設備を切り離す マンションのコンクリートそのものである構造躯体と、キッチンやお風呂の配管類は、耐用年数が異なります。コンクリートは100年持つこともありますが、配管はせいぜい数十年で交換です。 古いマンションでは配管をコンクリートに埋め込んでいたりしますが、これでは配管が劣化したときに修理ができません。そうすると、躯体そのものは問題ないのに配管が壊れて住めなくなる、という事態が起きかねません。 こうしたことを防ぐため、構造躯体と内装設備を切り離しておこうというのが「スケルトン・インフィル」という発想です。柱や梁、床などを支える構造躯体(スケルトン/S)と、内装や設備など(インフィル/I)をなるべく切り離し、住戸内の内装や設備を将来にわたって維持管理、更新できるようにしようという考え方です。 「SIマンション」とは? ただ、スケルトン・インフィルに明確な定義があるわけではありません。「SIマンション」とうたった物件もありますが、どんな配慮や工夫が盛り込まれているかは売主によって異なります。 「SIマンション」という名称では、単純に給排水管が住戸の外に出ていて交換のしやすいマンションを指すこともありますが、間取りを自由に配置できるマンションのことを指すこともあります。 間取りを自由に変更できる「SIマンション」の場合、売主は水回りや寝室の位置を自由にレイアウトできます。ただ、その場合は、寝室の隣が隣戸のお風呂になったりして、夜中に水の音がうるさかったりすることもあり、最近は取り入れるマンションは減ってきました。 住宅性能表示の評価対象 住宅性能表示の「4.維持管理・更新への配慮」に関する項目では、スケルトン・インフィルの思想も評価対象になっています。具体的には、全ての配管関係は評価対象です。 たとえば「専用配管の維持管理対策」では、配管をコンクリートに埋め込まないようにしていれば「等級2」、さらに掃除口および点検口を設けることで「等級3」になります。 また、共用配水管の更新対策では、共用配水管が貫通部を除いてコンクリートに埋め込まれておらず、共用部分や建物外周部に設置され、分解可能な配水管の使用や新しい配水管の設置スペースをあらかじめ設けておくなどの対策をとっていれば、「等級3」になります。 絶対に「等級1」にすべき マンションをメンテナンスやリフォームなどの「可変性」で見た場合、水道・ガス・下水などの配管類の扱いは非常に重要です。前述した通り、マンションの場合、構造躯体の鉄筋コンクリートは50年や100年持たせることも可能ですが、内装や配管類は数十年で更新が必要になりうるからです。 もし、コンクリートに配管類が埋め込まれたりしていると、配管を取り替えるためにコンクリートを壊さなければならなくなることもありえます。 実際には、コンクリートに配管類が埋め込まれたりしていた場合、更新時にはその配管は放棄して、新しい配管を壁の外側などに設置することが多いです。そうすることでマンションに住み続けることはできますが、更新に巨費がかかりますし、見た目も悪くなります。 最近の新築マンションで、コンクリートに配管類が埋め込まれていることは、まずありません。しかし、配管の更新への配慮が行き届いていないマンションは時折見受けられます。住宅性能表示の「維持管理対策等級」の配管に関する項目は、絶対にオール「等級1」のマンションにするべきです。

マンションの階高、躯体天井高、室内天井高の違いとは?

マンションを購入するときに気になるのが、天井の高さ。これを「天井高」といいます。天井高には躯体天井高と室内天井高があります。また、階の高さを「階高」といいます。これらの違いについて説明しましょう。 重要なのは躯体天井高 まず、「階高」とは各階のコンクリートの床(スラブ)の上面を基準にした高さです。コンクリート間の高さといってもいいでしょう。 つぎに、「躯体天井高」とは、階高から天井のスラブ厚を差し引いたものです。天井のスラブは共有部分で、階高から共有部分を差し引いた専有部分の高さといってもいいでしょう。躯体天井高とは、所有者が内装などで自由に変更できる空間を示します。 躯体天井高が高ければ高いほど、将来の配水管のメンテナンスや取り替えがしやすく、リフォームによる間取りの変更などの自由度も高まります。 マンション分譲時のパンフレットに記載されている「天井高」は、「室内天井高」を指します。この躯体天井高からさらに床や天井の仕上げ部分を差し引いたものです。 たとえば、水回りの配管のために、二重床になっている場合はその厚さを差し引きます。天井も、電気配線や照明器具の取り付けのため二重天井になっていれば、その厚さを差し引きます。 つまり、マンションでは、住戸内の高さについて、「階高」「躯体天井高」「天井高(室内天井高)」の3つがあり、この順で高さが低くなります。もっとも重要なのは、専有空間の高さを示す躯体天井高といえます。 9割以上が2550mm以上 住宅性能表示制度では、新築マンションの「維持管理・更新への配慮」の評価対象の1つとして、躯体天井高を表示するように定められています。したがって、マンション購入時には、自分が申し込む住戸の躯体天井高を確認することができます。 ただ、同じ住戸内でも躯体天井高は全て同じではありません。廊下とリビングでは高さが異なったりします。配管のため天井を下げていることもありますし、梁が天井からはみ出ていることもあります。 住宅性能表示制度では、最も低い部分の躯体天井高と、それがどこなのかをを表示することになっています。 最新のデータでは、住宅性能表示制度を利用したマンションのうち、躯体天井高で最も多いのは2550mm以上2650mm未満で36.1%、次いで2650mm以上2750mm未満で33.1%です。2750mm以上が22.9%ある一方で、2550mm未満のマンションは8%程度にすぎません。最近のマンションは大多数のマンションが2550mm以上です。 これから新築分譲マンションを買う場合は、最低でも2650mm以上で、できれば2750mm以上が望ましいでしょう。床が直床の場合は、最低2550mm以上でも許容範囲です。
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新築マンションの「設計図書」はどう見るか? モデルルームでチェックすべきポイントを簡単解説。

新築マンションを買うときに必ず訪れるのがモデルルーム。きれいなインテリアに惑わされがちですが、必ずチェックすべきなのは「設計図書」(セッケイズショ)という図面です。設計図書とは、建物を建てるときに必要な設計関係の図面一式をまとめたもので、マンションの販売センターには必ず備え付けられています。 ただ、この設計図書、かなり専門的。きちんと見るには相当な時間がかかります。ここでは、短時間でチェックできるポイントを簡単にまとめました。 地質調査書 デベロッパーがマンションを建てるとき、地面に穴を掘って地質を調査します。これを「ボーリング調査」といいます。地質調査書は、ボーリング調査の結果を示すものです。 ここでチェックすべきなのは「N値」。N値は、土の硬さの程度を示したもので、数字が大きいほど硬い土です。 N0は非常に軟らかく軟弱な土で、数値が上がるにつれ硬い土になっていき、N50が最大です。N50以上の地層もN50で示します。 N50であれば重い構造物でも支えることができます。したがって、高層ビルやタワーマンションでは、杭をN50の深さまで掘り、建物の基礎とするのです。 そのため、地盤をチェックするには、N50が地下どのくらいの深さにあるかをみるとわかります。一概にはいえませんが、おおむね深さ35m以内にこの層(N値50以上)があれば、優れた地盤と考えていいでしょう。 配置図 敷地全体に建物がどう配置されているかを示すのが「配置図」です。敷地の境界、建物の方位と位置関係がわかります。購入を検討している部屋の向きが正確にわかりますし、ベランダから隣地までの距離なども数字で確認しておきます。 タイプ別平面図 住戸のタイプ別に、間取りを詳しく表示したものが「タイプ別平面図」です。購入を検討している住戸の間取りを確認すると同時に、上下左右の間取りも必ず確認しましょう。 寝室の上がリビングだったり、隣が水回りスペースだったりすると、寝るときに気になるかもしれません。できるだけ、寝室の上は寝室、水回りの上と横は水回り、という間取りがいいでしょう。 矩計図 矩計図は、「かなばかりず」と読みます。矩計図とは、各階の垂直方向の寸法を仕様を描いたものです。マンションの一部を切断して、寸法などを細かく記入した詳細な断面図です。 矩計図でわかることはいくつかありますが、重要なのは階高です。階高とは、コンクリートの床から上階のコンクリートの床までの高さのこと。高級マンションほど階高が大きくなる傾向があります。 そのほか、購入を検討している住戸について、室内の天井高、床と天井の仕上げなどを確認します。最近のマンションなら、二重床、二重天井になっていることが多いですし、そのほうがいいでしょう。階高は2900ミリ以上あれば安心です。 展開図 展開図とは、各住戸の周囲の壁を室内側から横から見て描いた図です。壁の仕上げやドア、窓の位置、寸法、仕様などがわかります。ドアや窓の形などが一目でわかりますので、イメージ通りか確認しておきましょう。 床伏図、梁伏図 真上から見下ろした図面を「伏図」と呼びます。床の状態を描いたものを「床伏図」、梁の状態を描いたものを「梁伏図」といいます。 床伏図は、床の仕上げ材を剥いで上から見た図面で、床の構造を示します。梁伏図は、軸組の様子を示します。マンションの床の厚さや梁の位置を確認します。スラブ(床のコンクリート)で段差がある場合(段差スラブ)、将来のリフォームに影響します。 特記仕様書 図面に記載されていない材料や施工方法、仕上げなどで、注意すべき点を記載したリストが「特記仕様書」です。重要な項目が書かれていることが多いので、必ず目を通しましょう。 いろんな図面を何度も見る 設計図書を読み解くカギは、「いろんな図面を何度も見ること」。 モデルルームに行ったときに、上記のポイントだけでも絞って見ていくと、だんだんその内容の差異がわかるようになっていきます。すると、「このマンションは高級仕様だな」とか「このマンションはコストを切り詰めているな」などということも、なんとなくわかっていきます。 コストを切り詰めるのが悪いわけではありません。コストを切り詰めたマンションなら、その分価格が安ければいいわけです。つまり、価格相応のマンションかどうかを見極めるのに、設計図書を読み解く力が必要になってくるのです。 もちろん、設計図書は、価格を知るための手がかりだけではなく、遮音性能や修繕のしやすさ、バリアフリー対応など、さまざまなことを教えてくれます。自分が重視するポイントに対応しているマンションかを、知ることができる図面なのです。

マンションのコンクリート強度の見分け方。「N値」とは何か?

マンションの基本的な構造部材がコンクリート。「コンクリートなんてどれも一緒」などと思っていませんか? そんなことはありません。ここでは、マンションの耐久性を左右するコンクリート強度について、ご説明しましょう。 30Nなら100年持つ マンションの寿命を左右するのが、コンクリート強度です。コンクリート強度は、「設計基準強度」という数値で表示されます。これは、1平方ミリメートルあたりどれくらいの圧力をかけて壊れないかを計り、ニュートン(N)で表示するものです。たとえば、30Nというのは、重量3000トンを1平方メートルで支えることができる強度となります。この数字を「N値」といいます。 コンクリート強度が高いと、マンションの寿命も長くなります。日本建築学会が定めた耐久設計基準強度では、18Nで30年、24Nで65年、30Nで100年の間、大規模修理が不要とされています。 ここでいう大規模修理とは、コンクリートの躯体に対する修理が不要という意味で、建物外装全体を修繕する「大規模修繕」とは意味が異なります。要するに、コンクリートの耐久性を示す年数です。長期優良住宅の基準では、耐久性基準強度が30N以上です。 さらに、耐久設計基準強度では「供用限界期間」も示されていて、18Nが65年、24Nが100年となっています。30Nは供用限界期間は示されていません。 タワーマンションには「150N」も 計画共用期間としては、18Nが「一般」、24Nが「標準」、30Nが「長期」、と表現されています。少し前までは21N程度のマンションが多かったですが、最近の中低層マンションは24N程度が主流です。超高層マンションでは、60Nを超える超高強度コンクリートが使われています。タワーマンションでは、150Nという非常に強いコンクリートが使われていることもあります。 ただ、コンクリート強度は、一つのマンションですべて同じではありません。先ほどのタワーマンションでも、150Nが使われているのは1階部分のみ。上層階にいくにつれ、コンクリート強度は下がっていきます。理由は簡単で、下の階は上の階の重さを支える必要があるためです。 コンクリート強度を確認するには コンクリート強度を確認するには、マンションの「設計図書」を見せてもらい、自分の階の「耐久設計基準強度」をチェックします。新築マンション場合は、モデルルームにありますし、中古の場合は、仲介業者に依頼すれば見せてもらえるでしょう。 ただ、この耐久設計基準強度は、あくまでも目安にすぎません。「60Nなら100年持つ」といっても、建築後100年経ったマンションは日本には存在しませんから、実証されたわけではありません。 逆にいうと、18Nなら30年で壊れる、というわけでもありませんし、24Nなら65年持つ、と保証されたわけでもありません。コンクリートは塩に弱いので、海に近いマンションなら設計強度よりも寿命が短いこともありますし、内陸でよく手入れされたマンションなら、24Nでも100年持つかもしれません。 N値が低くても大丈夫? 一般に、低層マンションのN値はタワーマンションに比べて小さいですが、低層マンションのコンクリートはタワーマンションのような重さを支える必要はありませんし、上空の強い風圧にさらされるわけでもありません。低層マンションのN値が低いのは、高い耐久性能を必要としていないから、ともいえます。低層マンションなら、N値が低くても、それ自体は問題ではありません。 ただ、新築物件を買うのなら、24Nくらいの物件にしておきたいところです。また、コンクリート強度が周辺の同じようなマンションより低いのなら、気をつけた方がいいでしょう。といっても、コンクリート強度の違いに気づくのは難しいことです。マンションを購入する際にモデルルーム巡りをして、こうした数値にも気を配り、自分なりの「相場」を形成しておくのがよさそうです。

「2SLDK」「2LDK+S」の「S」ってなに? 「DEN」とか「F」とか「U」の意味も教えて!

マンションの間取りでたまに見かけるのが「2SLDK」などの「S」。このとき、2は部屋数、「L」はリビング、「D」はダイニング、「K」はキッチンというのは、よく知られた話。では、この「S」とはなんでしょう? 1部屋サービスしてくれる? 答えをご存じの方も多いと思いますが、「S」はサービスルームのこと。といっても「1部屋サービスしてくれるんだ♪」と無邪気に喜んだ人は要注意。そういう親切な意味ではありません。 建築基準法では「部屋」として表示できるには、換気や採光などでいくつかの条件があります。そうした条件を満たしていないものの、人が中に入って歩き回れる程度の広さがある部屋が、サービスルームと表示されます。つまり「部屋と呼ぶことができないスペース」がサービスルームなのです。 ある程度の広さがありますので、部屋として使うことはもちろん可能です。ただ、換気がしにくかったり、採光がしにくかったりしますので、一日中電気をつけて、ドアを少しあけて過ごさなければならなかったりします。そのため、子ども部屋には使わないほうがいいという意見もあります。 DENは書斎 こうした間取り図をめぐる「特殊記号」は、他にもあります。代表的なのが「DEN」。これは書斎の意味。「部屋」と表示できない程度の広さのスペースを「書斎」として表示しているわけです。 「F」はフリールームの略。これはサービスルームと意味は似ていますが、サービスルームよりはやや狭い場合に使われます。「U」はユーティリティスペース。さらに狭い部屋に使われたり、地下室の表示に使われたりします。 マンションではあまりみかけませんが、「STO」は倉庫、「GR」は大型倉庫、「STR」は大型収納室。意味は様々ですが、「部屋」とは認められない区画、という位置づけはだいたい同じです。

マンションを買うなら最上階か中層階か。メリットとデメリットを比較して人気階を探そう!

マンションで買うならどの階がいいのでしょうか。最上階が好きな人もいれば、低い階が安心する、という人もいます。人によって好みは分かれますし、資産価値も異なります。本当におすすめの階数は何階なのでしょうか。 見晴らしが良く、リセールバリューに優れる最上階 マンションの販売価格は、一般的に最上階がいちばん高く、低くなるにつれ安くなっていきます。最上階は見晴らしが優れていて、日照も良いことが多いので、幅広い層に人気があります。人気があれば資産価値も維持されやすく、そのため、中古で売却するときも売りやすいです。最上階は特にリセールバリュー(売却時の価格)が高く、大きなメリットといえます。 ただ、値段の高いからといって住み心地がいいかというと、必ずしもそうとは限りません。最上階にもデメリットはあります。最上階は見晴らしはいいですが、そのぶん日差しも強いので、夏は暑いです。 高い階になるにつれ風も強くなります。20階を超えると、風の強い日はうっかり窓も開けられない、ということもあります。窓が開けられなかったり、日差しが強すぎたりすると、空調代が高くなります。 低層マンションの場合、最上階は屋上から降りやすいので、防犯上の弱点になります。最近の泥棒は屋上から最上階を狙うケースが少なくないそうです。その意味では、防犯上、最上階が必ずしも優れているとは限りません。また、上層階ははしご車が届かない、などの理由で敬遠する人もいます。 1階は足音で気をつける必要がない 一方、下層階は日当たりや景色が悪い、というデメリットを挙げる人が多いです。とくに1階は、防犯上の懸念で敬遠する人が多いのが実情です。そのため新築分譲時でも価格は低くなっていて、中古で売却するときも苦労する場合があります。要するに低層階、とくに1階はリセールバリュが-悪いです。 1階にもメリットはあります。最大のメリットは下階がないこと。そのため、足音の騒音を気にせずばたばた歩ける、という点でしょうか。また、1階には専用庭があるマンションも多く、小さな子どもがいるファミリーには向いていると考える人も多いようです。 デメリットの少ない中層階 デメリットが少ないのが3~7階くらいの中層階です。立地によりますが、それなりの景色や日照が得られます。上下に人が住んでいるので、冬は暖房をあまり入れないでも暖かい、という人もいます。 また、災害や点検でエレベータが使えないときも、中層階なら階段でさほど苦労なく出入りできます。朝の通勤・通学時でエレベータが混んでいても、階段で下りられます。 泥棒のリスクも少ないのも、中層階の特徴です。 中層階は、新築分譲時の価格も上層階に比べれば安く、競争倍率が低いので買いやすいです。資産価値としても、そこそこ維持されます。新築価格がお手頃でリセールバリューもまずまず、というのは侮れないメリットです。さらに、泥棒からみると、上からも下からも狙われにくいので、防犯性も高くなっています。ということで、じつはいちばんの人気階は中層階なのかもしれません。

「RC造」と「SRC造」の違いとは? マンションのコンクリート構造を理解しよう

マンションの物件概要を見ていると、「構造」の欄に出てくるのが「RC造」や「SRC造」という表記。「R」は鉄筋、「S」は鉄骨、「C」はコンクリートの意味です。その違いについて、詳しく説明しましょう。 「RC造」が最も多い マンションの構造で最も多いのが「RC造」。これは鉄筋コンクリート構造(Reinforced Concrete Construction)という意味です。建物は主に鉄筋・コンクリートによって構成されます。鉄筋で柱や梁といったマンションの基本構造を組み、その周りに型枠を作りコンクリートを流し込んで構造躯体を作ります。 壁式構造やアーチ構造など、さまざまなデザインのコンクリート建造物を作ることができるというメリットがあります。世の中の多くの低層マンションは、RC造で、最近は超高層マンションにも用いられるようになってきました。 一方、「SRC造」とは鉄骨鉄筋コンクリート構造(Steel Reinforced Concrete Construction)という意味です。建物は主に鉄筋・コンクリート・鉄骨によって構成されます。柱と梁に鉄骨を通す構造で、鉄筋コンクリート造の芯の部分に鉄骨が入っていると考えるとわかりやすいです。 SRC造の強度はRC造よりも高く、細くて強い建物を作ることができます。そのため、中層マンションはSRC造が多くなります。反面、RC造に比べるとデザインの自由度は落ちますし、RC造に比べると価格が高いのがデメリットです。 超高層マンションには「S造」が多い 「S造」は鉄骨構造(Steel Construction)という意味です。軽量で耐震性に優れているため、超高層のタワーマンションなどに使われています。「S造」と聞くと、「SRC造」より弱いのでは? とお考えの方もいるでしょうが、必ずしもそうではありません。超高層のタワーマンションでは、質の高いコンクリート(高強度コンクリートなど)を使っているので、鉄骨があれば大丈夫なのです。 「PC造」はプレキャストコンクリート造の略。これは工場で作っておいたコンクリートを施工現場で組み立てていくもの。「RC造」などのコンクリートは「現場打ち」といって生コンクリートを現場で型枠に流し込むのですが、プレキャストコンクリートは工場で作る点に違いがあります。工場で作るぶん、品質の安定したコンクリートを作ることができます。 こうした構造の違いは、建物の高さや形状などによって使い分けられています。どの構造がいい、というものはありません。「RCよりSRCのほうがいい」という人もいますが、ケースバイケースなので、一概にいえません。

マンションの「遮音等級」の見方。「L-55」とか「D-50」はどういう意味?

最近のマンションで重視されるのは「遮音性」。上の階で走り回ってもうるさくないとか、大声を出しても隣に聞こえないとか、そういう遮音性能が大事です。では、これはどこを見たらわかるのでしょうか。 床はLL-50が標準的 遮音性能は、床L、壁はDで示されます。どちらも基準は50です。ややこしいのは、Lは小さい方がよく、Dは大きいほうがいい、という点です。 たとえば、床の遮音性は、L-40なら気配は感じてもほとんど感じない程度。L-45はスプーンを落とすとかなり聞こえるが、人の歩行音は意識しない程度。L-50はいすを引きずる音や歩行音が小さく聞こえる程度です。 L-55になると、歩行音が聞こえ、いすをひきずる音が激しく聞こえる。L-60となると、スリッパで歩く音までよく聞こえる、という程度です。 床の衝撃音に関してはLH(重量衝撃音)とLL(計量衝撃音)に分けられます。床衝撃音の指標として、一番使われやすいのがはLL値です。最近はLL-50以上のマンションがほとんどで、LL-55以下の物件はかなり少なくなっています。 マンションを購入する基準としては、LL-55あれば十分で、LL-50なら優れている、と考えればいいでしょう。新築マンションはLL-50以上が標準的です。 壁はD-50が標準的 壁の衝撃音D値は、D-40だとピアノの音がはっきりわかり、隣戸の生活行為がある程度わかる。D-50は、隣戸の会話がほとんど聞こえず、日常生活で気兼ねなく暮らせます。 D-55だと隣戸の気配も感じず、D-60はカラオケパーティーを行っても問題ない、という程度です。 近年のマンションでは、D-50が標準的で、遮音のしっかりしているマンションはD-55やD-60となっています。ピアノの防音室がD-55くらいですので、D-55のマンションがあれば、子どもがピアノを習っても周囲に気にせず練習ができる、という感じです。 スラブは床板20cm、壁18cmが目安 モデルルームに行くと、コンクリートブロックのような見本がおいてあります。これは壁などの厚さを示す実物見本で、「スラブ」といいます。スラブについては、床板で20センチ以上、隣戸との壁で18センチ以上あることを目安にしましょう。 間取りを見るときは、隣戸の水回りと自戸の寝室が隣接していないかも確認しておきます。水回りと接している部屋は、水音がどうしても響きます。できるだけ寝室と水回りは離れていたほうがいいでしょう。

モデルルームを見るときのポイントと注意点。「設計者の配慮」が行き届いているかを、メジャー持参で確認しよう!

マンションのモデルルームはとてもきれいに整っています。こんな夢のような生活をしたい! とつい考えてしまいがち。でも、少し冷静になって! モデルルームを見るときのポイントを簡単にまとめてみましょう。 部屋の正確な広さを把握しよう まず、モデルルームに入って見るときには、メジャーを持参しましょう。モデルルームは色彩や置く家具を工夫して、部屋を広く見せているからです。惑わされないように、現実にどのくらいの広さなのか、メジャーで計測して確認しましょう。 できることなら、モデルルームに来る前に、自分がいま住んでいる家のリビングや寝室の広さをメジャーで測ってくるといいでしょう。当日比較しやすくなります。 モデルルーム見学は、できることならモデルルームがオープンするピーク時期にあわせます。ピーク時期は、新春、ゴールデンウィーク、シルバーウィークの年3回。この時期にまとめてモデルルーム巡りをしてみると、目が肥えてきて比較がしやすくなります。短期間に集中してみたほうが、見る目が養われるということです。 実際の建設地を見に行こう モデルルームは、通常、マンションとは異なった場所に設定されます。その場合、モデルルームに行く前に、実際のマンションの建設地を訪れてみるべきです。そのほうが、モデルルームで説明を受けるときのイメージが沸きます。たいていは、モデルルームのほうが現実のマンションよりいい立地にあります。現実の立地を先に知っておくことも大事です。 もし本気で買おうと検討するなら、モデルルームを訪れた後、最寄駅からマンションの建設地まで、時間や曜日を変えて歩いてみましょう。夜は人が少ないとか、夜になると変な店が出るとか、日曜日は観光客がやってきてうるさいとか、平日昼間は近所で荷下ろしが多いとか、その町のさまざまな側面がわかります。 訪問するのは、平日、休日の昼と夜。つまり計4回は最低行ってみましょう。さらに、平日の朝の通勤・通学風景なども見ておくと、実際に生活が始まったときのイメージが沸きやすいです。 トイレやドアの構造もチェック モデルルーム見学では、設計者の配慮が行き届いているかも確認したいところ。たとえば、トイレにあるトイレットペーパーのホルダーの位置。右にある場合と左にある場合がありますが、左にあるほうが使用量が少なくなり家計に優しいことが知られています。 利き腕が右の人が多いので、右側にペーパーホルダーがあると、つい紙を使いすぎてしまうのですね。そのため、トイレットペーパーホルダーは左側、というのが住宅建築の常識です。 ドアの開き方もチェック。トイレのドアは、万一トイレ内で倒れた場合に出やすいよう、外に引く形になっているのが常識。お風呂の場合は、ドアについたしずくが外で垂れないよう、内側に引く形が常識。部屋のドアは、開いたときにドアノブが柱を傷つけたりしないように工夫されているのが常識。ドアを開いたときに固定する金具があるものです。 こうした常識が守られていない場合、守れないような特別な事情があるのか、それとも設計者の配慮が足らないだけなのか、きちんと確認しておきましょう。一時が万事で、設計者の配慮が足らない物件は、選ばないほうが吉です。

機械式駐車場と自走式駐車場のメリットとデメリットを比較する。イチバン人気は地下駐車場の平置型

クルマを持っている人にとって気がかりなのが、マンションの駐車場の形態。自走式で地上の区画に置ける「平置駐車場」を望む人が多いですが、立地のいいマンションになるほど機械式の「立体駐車場」が多くなります。そのメリットとデメリットを比較してみましょう。 メリットが多いのは自走式 自走式の平置駐車場にもいくつかタイプがありますが、都市部のマンションなら、地下か1階に駐車エリアを配置していることが多いです。郊外のマンションなら、建物横の敷地に屋根なしの平置き駐車場を配置していることもあります。 自走式の最大のメリットは、余計な機械操作がなく、クルマに乗るための作業が簡単なこと。マンションの出入口を出て、自分の駐車区画まで歩いて乗るだけです。そのため、クルマを所有するマンション購入検討者には、平置型駐車場がイチバン人気です。 ただ、自分の駐車区画がマンションの出入口から近ければ便利ですが、遠いとクルマに乗るとき長く歩かねばならないので、やや不便です。そのため、出入口から遠くなるほど駐車場代を安くしている管理組合もあります。時間をとるかお金を取るか、よく考えて駐車場を選びたいところです。 地下駐車場や建物1階の駐車場は、屋根があるのも大きなメリットです。天候が悪くても雨具なしでクルマに乗れますし、クルマが傷みにくいという長所もあります。また、地下駐車場は管理が行き届いているので、愛車が盗難にあったり、いたずらの被害を受けるリスクも低いです。 一方、自走式でも屋根なしの屋外型駐車場だと、クルマは雨に打たれ日光にもさらされますので、クルマが傷みやすいというデメリットがあります。雨が降っていたら乗るときにも大変ですし、地下に比べると盗難などの被害にも遭いやすいでしょう。 多数のクルマを収納するなら機械式 機械式駐車場はタイプがいくつかありますが、マンションの場合は、2段か3段に積み上げられた形で、上下左右にクルマを移動させる形が一般的です。それぞれのブロックごとにリモコンがあり、出庫時にはそれを操作します。 機械式駐車場のメリットは、狭い敷地に多数のクルマを収納できること。そのため、多くの希望者に駐車区画を行き渡らせることができます。 それと、風雨にさらされないので、クルマが傷みにくいことメリットでしょうか。とはいえ、それ以外には、利用者個人にメリットは見当たりません。 デメリットは出庫時に時間がかかること。レールぴったりに車庫入れする必要があるため、車庫入れが苦手な人にはストレスにもなるでしょう。また、子どもがいたら機械が動くとき目を離せないことなどがあります。 さらに、機械式駐車場は、大規模修繕時のメンテナンス費用が高いという難点もあります。クルマの高さの制限もあるので、車高の高いクルマは入れられない場合もあります。デメリットだらけですね。 自走式の平置型が一番 結局のところ、駐車場は、自走式の平置型が一番です。さらにいえば、地下駐車場はセキュリティ上からも、クルマの保存の面からも、悪天候でも使いやすいという点からも、最も優れています。そのため、選べるなら地下駐車場の平置き型自走式駐車場が一番でしょう。 次が屋外の平置型駐車場、最後が機械式の立体駐車場です。立体駐車場でもタワー型のように上下が大きくなるほど出し入れに時間がかかりますので、できれば2層か3層程度が望ましいでしょう。

マンションの外断熱と内断熱、比較するとどちらがよい?

断熱材をコンクリートの躯体(建物そのもの)の内部に入れて作るのが内断熱。躯体の外側に入れるのが外断熱です。この二つの工法を比較してみましょう。断熱効果が高いのはどちらでしょうか。メリットとデメリットを見てみます。 理論上は外断熱が有利 結論を先に書いてしまうと、理論上は外断熱が有利です。なぜなら、コンクリートは熱しやすく冷めやすいので、躯体の内側に断熱材を入れると、外気の影響を受けたコンクリートと室内空調による気温差が大きくなるからです。それにより、内断熱ではカビの原因となる結露ができやすいという欠点があります。 一方、外断熱なら、外気によるコンクリートへの影響を減らせますので、結露ができにくいのです。結露が発生しないことで、躯体も長持ちします。つまり、外断熱にすることは、建物全体の寿命を長くすることにもつながるのです。そのうえ、外断熱の場合、同じコンクリートの躯体なら、断熱材の厚さのぶんだけ部屋が広くなります。 導入しやすいのは内断熱 ということで、外断熱か内断熱かどっちか選べ、といわれたら、外断熱のほうがいいに決まっています。しかし、現実には日本のマンションの99%は内断熱です。それには理由があります。 まず、マンションで完璧な外断熱を実現することは現実的には難しいという問題点が挙げられます。バルコニー部分などからの熱の伝導を防ぐには高度な技術が必要です。外断熱を謳っていても、実際には効果が乏しかったりすることもあるようです。 もっと現実的な問題として、外断熱にした場合、建設コストが内断熱の1割以上増えてしまいます。そのため、手頃な価格のマンションでは内断熱が主流。外断熱を採用しているマンションは、建設費の高さを価格に反映できる立地のいい豪華マンションに限られます。 導入しやすいのは内断熱。逆に、安いマンションが外断熱だったとしたら、慎重なチェックをしたほうがいいかもしれません。

耐震マンション、制震マンション、免震マンションの違いを理解しよう。似た言葉でも全く違う

マンションを買うときに、よく目にするのが「耐震構造」と「免震構造」。耐震マンション、免震マンションともいいますが、どういう仕組みで、どういう違いなのでしょうか。わかりやすく比較してみましょう。 建物自体の損壊を防ぐ目的に変わりなし 耐震構造とは、梁や柱など躯体を頑丈に作ることで、建物を地震に強くするものです。「地震に耐える頑丈な構造」と理解すればいいでしょう。 いっぽう免震構造とは、建物をゴムの上にのせることで衝撃を吸収し、地震の揺れを軽減するものです。「地震の揺れを免れる構造」と理解すればいいでしょう。地震が起こると、マンションの箱全体がそっくり揺れるので、建物に地震の力が伝わりにくくなります。 制震構造は、地震によって生じた揺れを打ち消す装置(ダンパー)を、建物に組み込んだ仕組みです。建物下部が左に揺れたら、建物上部は右に反って、建物全体の揺れを逃します。 耐震、制震、免震のいずれも、建物自体の損壊を防ぐことに変わりはありません。免震には、さらに「建物内の揺れを軽くする」という利点があります。免震の場合は、家具の店頭なども最小限に食い止めることができます。 免震が優れているが そのため、3つのうちどれが一番優れているか、という視点で見ると、免震構造に軍配が上がります。しかし、そのぶん免震構造は価格がお高め。そのため導入しているマンションも一部にとどまります。 コストが安いのは耐震構造です。耐震構造でも、現在の法令に準拠したものならば、東日本大震災クラスの揺れにも耐えられます。
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「晴海フラッグ」入居時期を1年程度延期へ

東京オリンピック・パラリンピックの選手村を改修して販売する大型マンション「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の入居時期が、1年程度延期されます。 2024年入居へ 東京オリンピック・パラリンピックの延期を受け、晴海フラッグを販売する三井不動産レジデンシャルなどは、入居時期を当初予定の2023年3月から1年程度延期する方針を固めました。入居時期は2024年になる見込みです。 同マンションは分譲と賃貸を合わせて5,632戸で、約1万2000人が居住する見込み。すでに分譲住宅4,145戸のうち940戸が販売済。東京オリンピック・パラリンピックの開催の延期を受け、現在はマンションの販売を中止しています。 オリンピック・パラリンピックの延期で東京都などが引き続き選手村を使用するため、引き渡しが1年程度遅れるとみられます。購入者への説明はすでに始まっています。補償については未定ですが、不動産会社に延期の責任はないため、最終的にどのような形になるかはわかりません。
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中古マンションの建築年代別の特徴。マンションはこう進化した

中古マンションを買うときに気になるのは建築年代。「旧耐震」「新耐震」といったおおざっぱなくくりだけでなく、年代別の特徴と、マンションの進化について知っておきましょう。 1970年代 一般向けのマンション販売が本格化したのは、1970年代です。この頃は旧耐震構造で、コンクリートの床(スラブ)の厚さが12~15cmと、現在の標準(20cm)に比べて薄いものでした。この時代の物件は、今の物件に比べると、見た目にもコンクリートの貧弱さが伝わってくるものがあります。 直床、直天井が常識で、電気配線や照明器具のソケットはコンクリートに埋め込まれていました。配水管は下階の天井裏を通るのが一般的で、床の仕上げにはクッション材も入っておらず、遮音性も低くなっています。天井高は2.5m程度の物件が多く、躯体天井高と室内天井高が同じ、というのも珍しくありませんでした。 エアコンが一般的でない時代でしたので、外壁の吸気口やエアコン用のスリーブ(穴)がないのが一般的でした。火災報知器も法令で義務化されていない時代でしたので、竣功時は付いていませんでした。 間取りは「振り分け」といわれる2DKや3DKが主流。振り分けとは、キッチンやDKからそれぞれの居室への入口が分かれており、動線が各部屋に振り分けられている物件のことです。玄関を入るとキッチンがあり、その奥に居室が二つ並んでいる、というような間取りが多い時代でした。 1980年代 1980年代に入ると、間取りが多様化していきます。「田の字型」と呼ばれる現在も一般的な間取りが普及する一方、ワイドスパン、センターイン方式といったコストの高い間取りが高級マンションを中心に導入されていきます。設備面ではオートロックや住宅情報盤などが広まったのが、1980年代です。 構造面では、新耐震基準になり建物が頑丈になりました。スラブは18cm程度が標準的となり、配水管は自室の水回りの床下に通すようになりました。そのため、リビングとキッチン、お風呂に段差が生じることが多く、住戸内でのフルフラットは実現していません。 1990年代 1990年代は前半のバブル景気時と後半の不況時で特徴が異なります。バブル時は見た目を競うような物件が多く、室内に大理石を使うなど豪華な物件が流行しました。土地の高騰の影響で、専有面積は圧縮する傾向でした。狭い専有面積のなか、室内の見た目が広くなるように、苦肉の策としてクローゼットを設けなかったりといった、実用的には難のある物件も少なくありません。 その反省からか、1990年代後半になると、機能重視の物件が増えていきます。1990年代からは、見た目ではなく実際の居住面積が広くなり、間取りも多様化していきます。共用部も充実し、宅配ロッカーが標準化されたものもこの頃で、キッズルームや読書室などを設ける物件も出てきました。システムキッチンなど住宅設備も着実に進化していきます。 スラブ厚が20cmが標準的になったのも、1990年代後半です。バブル期のマンションよりも遮音性が重視されるようになりました。バリアフリーの重要性が認識されたのもこの時期からで、室内や共用部に段差のない物件が増えていきます。 一方で、この頃はまだ階高も低く、天井の小梁が室内にせり出したりといった圧迫感のある住戸も少なくありませんでした。二重床、二重天井が意識されるのも、もう少し後のことです。 2000年代 2000年代になると、マンションの品質が安定していきます。その理由は2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によるところが大きいです。同法では、構造耐力上主要な部分について売主による瑕疵担保責任が10年に延長されました。その結果、大手はもちろん、中小デベロッパーの物件でも、品質管理が徹底していきました。 スラブは20cmが標準的となり、22cmの物件も見かけるようになりました。室内の小梁をなくすボイドスラブの採用も増えていきました。二重床、二重天井も広まり、階高は3mが標準的になっていきます。住戸内の給水管が鉄管・先分岐工法から樹脂管のヘッダー工法に変わったのもこの頃からです。光回線などインターネット接続に対応した物件が増えてくるのも2000年代以降です。 2000年代は土地価格が低迷していて、バブルの不良債権処理でマンション用地の供給が多かった時代です。そのため、比較的低価格で高機能なマンションが建設された時期でもありました。 時代背景を理解したマンション購入を このように、マンションは建築時期によって特徴が異なり、当然新しいほど進化しています。品質管理という目に見えにくい部分も含めると、新しい物件のほうが品質が高い傾向にあるのは間違いありません。 中古マンションでは1970年代の物件が非常に安いですが、旧耐震という耐久性の問題に加え、給排水管をはじめとしたメンテナンスに不安があります。それに対し、新耐震となった1980年代後半以降の物件は、マンションの持続性にも一定の配慮がされています。 マンションの機能が大幅に上がったのは、1990年代後半からです。バリアフリーに配慮したマンションが普及するのもこの頃からです。そう考えると、永住目的でマンションを買うなら1990年代後半以降の物件がおすすめとなりますが、そのぶん、この時代以降の中古マンションは人気があり、立地のいい物件はとくに値下がり率が低くなっています。 このように、マンションの「築年数」は単に古さを示すだけではなく、建設された時代のトレンドも示しています。そうした時代背景を理解してマンションを購入するといいでしょう。

コロナショックでマンション価格はどう変わるか

コロナショックでマンション販売に急ブレーキがかかっています。景気の悪化にともない、販売価格も値下がりしていくのでしょうか。考えてみましょう。 マンション販売に急ブレーキ コロナショックで、新築分譲マンション販売に急ブレーキがかかっています。理由は簡単で、モデルルームなどでの対面販売が規制されたからです。また、景況感も急速に悪化してきており、先の見通しがわからない状況で、住宅ローンを組む人も減っており、それが分譲マンション販売に陰を落としています。 ここ数年、新築マンション価格は上昇をを続けてきました。不動産経済研究所によれば、2019年の首都圏分譲マンションの1戸当たりの平均価格は5,980万円、面積当たりの単価は87.9万円/m2に達しています。2012年は平均価格4,540万円、平均単価65万円/m2でしたので、7年間で約1.3倍の販売価格となり、平均単価は約1.4倍に上昇していることになります。 新築価格に引っ張られる形で、中古マンションの成約価格も上昇を続けてきました。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、2012年の中古マンションの平均成約価格は2,500万円、平均単価38万円/m2でしたが、2019年の平均成約価格は3,220万円、平均単価は53万円/m2と、いずれも1.4倍となっています。 不動産価格の「平均」は立地条件などを無視していますので、平均がすべてを表しているわけではありません。そういう前提ですが、ざっくりといってしまうと、7年前に5,000万円で買えていた新築マンションが7,000万円に。3,000万円で買えていた中古マンションが4,200万円になったわけです。恐ろしいばかりの値上がりです。 マンションは暴落しない しかし、ここへきて、「コロナショック」が不動産市況を襲っています。新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済の混乱で、景気はリセッション入りが確実視されています。マンションの販売価格にも影響を及ぼさずにはいられません。 ただ、過去の例を見てみると、リセッション入りした直後に不動産価格が暴落したケースというのは見当たりません。たとえばバブル経済がピークを付けた1990年以降も、不動産価格はある程度の値を保ちましたし、リーマンショックの時も同じです。新築に限っていえば、平均価格は1~2割程度下がることはあるものの、株のような大暴落にはなりません。 マンション価格がすぐに暴落しない理由はいくつかありますが、最大の理由はマンション価格は数年かかる一連のプロジェクトであり、景況感がすぐに反映されない、という点でしょう。土地の仕入れ値や建築費が高騰したなかで動き出したプロジェクトは、そうそう安値販売できないのです。 「買う人がいなければ値下げするしかないのでは?」という考えもあろうかと思います。それは確かにそうですが、実際は値下げするのではなく、供給を絞ることで調整をします。大手デベロッパーは経営体力がありますので、安値販売するくらいなら供給を絞って値を保つ道を選びます。新築マンションを必要としている人はいつでも一定数いるので、供給さえ絞れば値下げをする必要はなくなるのです。 かつては、中小のデベロッパーが運転資金ほしさに値下げすることもありました。しかし、最近の分譲マンションは大手デベロッパーがメインになっていて、経営体力に乏しい会社は少なくなっています。そうした事情もあり、新築マンションの投げ売りは構造的に生じにくくなっているという指摘もあります。 買い急ぐ必要はない 実は、「供給を絞る」という状況は、コロナショック以前から生じています。2019年頃からマンション市場は明らかな過熱感があり、発売戸数は減少してきているのです。どんどん上昇する価格に、買い手の需要がついていけず、契約率は低下傾向でした。 そうしたトレンドのなかで、コロナショックが起きたこともあり、新築マンション供給は絞られていくでしょう。価格的にも当面の天井をつけたといってよく、今後は緩やかに値下がりしていくでしょう。 とはいえ、新築マンションは適地が限られてきており、とくに都心など人気エリアでは、デベロッパーが売り急いでいる雰囲気は感じられず、値下げの情報も聞きません。 明らかな価格低下が起こるとすれば、郊外立地でしょう。郊外の新築分譲マンションは、買い急ぐ必要はありません。 また、今後、不動産の過熱感が収まった後に取得した土地が開発されるようになると、新築マンションの価格も下がっていくとみられます。それには短くても2~3年かかるでしょうから、じっくり待つといいいでしょう。どの程度下がるかは見通せませんが、立地によっては1割程度の値下がりはあり得るでしょう。 中古マンション特有の事情 一方、中古マンションの価格はどうでしょうか。中古マンション価格は新築マンション価格の影響を受けますが、まったく同じではありません。その理由はいくつかありますが、大きいのは住宅ローンの残債です。 マンションを売却する人の多くは住宅ローンの残債を抱えています。そのため、残債以上の価格で売ろうとし、そうでなければ売る判断を先送りします。結果として、築年数の新しいマンションほど値を保ちやすいのです。実際、リーマンショックの後も、築浅の中古マンション価格は大きくは下がりませんでした。 要するに、中古マンションが出回りやすいのは高く売れる景気のいいときで、逆に景気が悪くなると、「今売る必要はない」と考える人や、残債で売るに売れない人が抱え込むので、中古マンションの流通が絞られます。結果として、築浅中古マンションは供給が維持され、値下がりしにくくなるのです。 築年数の古い中古マンションに関しては、リフォーム済物件が増えていることが、価格が下がりくい理由となっています。業者がリフォームした物件は、買値より2割程度高く売られることが多く、結果として中古マンション価格を底支えしています。 もちろん、景気が悪くなれば、経済的な事情で状態のいいマンションを手放す人も出てきますので、手頃で良質な物件が出てきやすいタイミングでもあることは事実です。とくに、リセッションの入口は「早めに売っておこう」と考える人もいますので、質のいい物件の買い時ではあります。 ただし、いい物件はすぐ売れるのが中古マンションの特徴です。お目当てのエリアの情報には目を光らせておくといいでしょう。

マンションの杭基礎と直接基礎の違いとは?

建物を地面としっかり結びつけるのが「基礎」です。マンションの基礎は、大きく分けて「杭基礎」と「直接基礎」があります。 地盤が良ければ直接基礎 杭基礎とは、地面の深い位置まで杭を打ち込んで、マンション全体を支える基礎です。マンションの立つ地盤が軟弱でも、地下深くの固い地盤まで杭をのばして建物を支えるわけです。 直接基礎とは、マンションの建物全体を、直接地面で支える基礎です。マンションの建つ地盤が硬ければ、こうした直接基礎が使えます。直接基礎にもいくつか種類がありますが、マンションの直接基礎はおもに「ベタ基礎」と呼ばれる工法を使います。 逆にいうと、直接基礎のマンションは、地盤のよい立地だということでせす。 杭が長くていいことはない 日本の大都市は主に平野部にあり、平野部では地盤の良好な場所は限られます。そのため、多くのマンションは杭基礎で建てられています。とくに、湾岸地域の埋立地に立っているタワーマンションは、ほぼ100%が杭基礎です。埋立地の場合、硬い地盤は地下50m程度は掘り下げないと行き当たらないので、杭はかなり深いところに届いています。 杭基礎の杭は、長くていいことはありません。杭が長いほど折れやすくなりますので、より頑丈なものを作らなければならなくなり、建設費がかさみます。 そのため、マンションを買うならできれば直接基礎の物件がいいでしょう。ただ、直接基礎の物件は少ないですから、そこにこだわりすぎると買えるマンションは限られてしまいます。 杭基礎でも建物の安全性に問題はないのは、言うまでもありません。購入する場合は、できれば杭の短い物件がいいでしょう。基礎の深さは、販売時に「設計図書」を見ればわかりますし、わからなければ販売員に尋ねてみるといいでしょう。