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マンションは「南向きがいい」は本当か?

マンション購入時に気になるのは「方角」。住戸の方角で人気が高いのは日当たりの良い南向き、次が東向きです。当然、方角は価格に反映します。 南向きは昼間の熱を夜に放散 マンションで人気の南向き。日中に長い時間太陽の光が差しますから、部屋は明るいですし、冬は暖かいです。 マンションはコンクリートでできています。南向きの部屋では、日中の太陽熱をコンクリートが吸収し、夜になって外気温が下がると、その熱が室内に放散されます。そのため、冬は夜でも暖かく、外が0度でも室内は暖房なしで10度以上の気温だったりします。 一方、夏も昼間の太陽熱が夜に室内に放散されるのは同じです。そのため、真夏の夜はエアコンなしでは夜眠れなくなる、という人もいます。昼間留守にしていると、日中は部屋を閉め切っているため、夜は居室全体が蒸し風呂のようになっていることもあります。 とくに、タワーマンションの上層階の南向きは、夏の暑さはかなり厳しいです。 東向きより西向き? となると、南向きよりも、適度に日が当たる東向きや西向きのほうが良い、という考え方も出てきます。東向きと西向きでは、人気があるのは東向きですが、これは午前の日当たりか、午後の日当たりかという差になります。 「早起きするなら東向き」「西日はきつい」という意見が強く、東向きのほうが西向きより人気です。そのため、価格は西向きのほうが安いです。日の当たる時間に大差はありませんから、西向きのほうが割安な分、選ぶなら西向きがいい、という考え方もあります。 北向きは日当たりが全くありません。そのため、夏は涼しく、冬は寒いという特徴があります。北向き住戸は人気がありませんが、そのぶん北向きは価格が圧倒的に安いです。 また、北向きは日が差さない分、景色を見るのに適しています。そのため、タワーマンションの中上層階では北向きも意外に人気がありますし、子供がいない方なら、北向きでOK、という人も多いようです。 マンションは風通しも大事 北向きの不安点は、日当たりがないと部屋がカビてくるのではないか、ということです。これに関しては、日当たりと湿気にはあまり相関関係はなく、北向きの部屋だからカビやすいという事実はありません。 カビを防ぐには湿気がこもらないようにすることが大事です。そのためには、風通しを良くすることです。マンションは密閉性が高いため、湿気がこもりやすいという性質があります。そのため、風通しは大事です。 風通しの良いマンションとは、異なる二方向(北と南、西と北、など)に外気に面した窓があるマンションです。同じ方向に窓が二つあっても風通しは得られませんし、一方の窓が内廊下に面していても、やはり風通しは良くありません。

マンションが一戸建てより圧倒的に優れている5つのポイント

マイホームを買おうとするとき、一戸建てかマンションかで迷う人は多いでしょう。「一戸建てvs.マンション」は語り尽くされた感はありますが、ここでもう一度、マンションのメリットを考えてみましょう。 断熱性に優れている 賃貸マンションに住んだことがある人ならわかるでしょうが、鉄筋コンクリートは木造住宅よりも暖かいです。とくに、冬場の暖かさは一戸建てよりはるかに優れています。 関東地方以南なら、冬場のマンションの住戸内温度は、暖房をしていなくても10度程度を維持します。暖房なしでも外気より5~10度も高いのです。よりその理由は、鉄筋コンクリートの断熱性が優れていることもありますし、上下左右の住戸に人が住んでいて、その暖房などの熱が伝わるから、という点もあげられます。 夏の場合は逆で、熱い外から帰ってきてマンションの居室に入ると、冷房なしでもひんやりしています。これも断熱性が優れているからでしょう。 利便性に優れている マンションは、一戸建てと比較して、より駅に近い便利な場所に建てられています。一戸建てにも駅に近い物件はあるでしょうが、同じ価格ならマンションのほうが広くて日当たりのいい物件に住めるでしょう。 利便性が優れていることは、たんに「便利」というだけのメリットではありません。将来、売却する際にも売りやすいというメリットがあります。 セキュリティが優れている 最近のマンションでは、エントランスのオートロックは常識で、セキュリティ会社と契約しており、防犯カメラも設置されています。また、各住戸の玄関扉や窓に防犯センサーが設置されている物件も少なくありません。車上荒らしを防ぐための駐車場のセキュリティもしっかりしています。 こうしたセキュリティシステムを一戸建てでも導入することは可能です。ただ、費用がかかりすぎるので、一般の方が実現するのは難しいです。マンションでは、数十人から数百人が費用を出し合うので、こうしたセキュリティが実現できるのです。 バリアーフリーに優れている 最近の新築マンションには、ほとんど段差がありません。エントランスには自動ドアが設定され、段差がなく建物内に入れますし、エレベーターを使って自分の居室のある階に降りれば、段差なしで部屋に入れます。各戸内も基本的に段差はほとんどありません。 一戸建ての場合は、玄関に上がる際に階段があり、2階建てなら十数段の階段があります。庭に降りるときも段差です。こうした段差は、年齢を重ねるにつれ身体の負担となります。 居室外の掃除や雪かきの必要がない マンションでは庭掃除や玄関外の掃除をする必要がありません。そうした共用部分の掃除は、全て清掃人がしてくれます。1階に専用庭がある住戸は、その部分だけは自分で掃除しなければなりませんが、それとてわずかです。 実際に一戸建てに住んでみるとわかりますが、玄関外の掃除や庭の手入れは、それなりに負担になります。秋になれば落ち葉をかき集めなければなりませんし、木や草の手入れもしなければなりません。 寒いエリアの場合は、雪かきは一戸建て居住者の重荷です。マンションなら、共用部分の雪かきは管理人か、契約した会社がやってくれるので、居住者はする必要がありません。 こうしたポイントを満たさないマンションは? 以上、5つのポイントで、マンションは一戸建てより圧倒的に優れています。ただ、全てのマンションがこの5ポイントを満たしているとは限りません。自主管理で清掃の行き届いていないマンションや、オートロックが設置されていないマンション、あるいは段差が多いマンションなどは、新築では少なくなりましたが、中古物件ではいまでも見かけます。駅から遠いマンションももちろんあるでしょう。 そうした物件は、マンションのメリットを完全に享受できないわけですから、ひょっとしたら良質なマンションではないかもしれません。

壁芯面積と内法面積の差はどのくらい? 登記簿と不動産広告の違い

分譲マンションを購入するとき、誰もが気にするのが専有面積。この専有面積の計算・表示方法には、「壁芯面積」と「内法面積」の2種類があります。この違いや面積の差について、わかりやすく説明していきましょう。 壁芯面積とは 分譲マンションの広告やパンフレットには、各住戸の専有面積が大きく表示されています。この面積は設計図面から計算されています。 設計図面では、建物の面積は壁や柱の中心を基準にします。これを「壁芯面積」(読み方:へきしんめんせき、または、かべしんめんせき)といいます。建築確認などもこの壁芯面積を使って、建物全体の面積や各階の面積を表示します。マンションに限らず一戸建てでも同じです。不動産広告やパンフレットにも、この壁芯面積が専有面積として表示されます。 内法面積とは 一方、不動産の権利関係を表示する登記簿では、これと異なる面積の計算方法が用いられます。壁の内側を基準とするもので、「内法面積」(読み方:うちのりめんせき)といいます。 分譲マンションで区分所有の対象となるのは、厳密には住戸の壁の内側部分、つまり壁や天井の仕上げの内側に限られます。したがって、権利関係のために表示する面積は、壁の内側を基準に表示するのです。 壁芯面積と内法面積の差は? 「壁芯面積」と「内法面積」を比較すると、壁の厚さの半分だけ内法面積のほうが狭いことになります。広告より実際の面積のほうが狭いなんて! と腹立たしく思う方もいるでしょうが、どちらも正しい面積であることに変わりありません。 壁芯面積と内法面積の差は、その各住戸の壁の長さによって異なります。おおざっぱにいえば、内法面積のほうが5%程度、壁芯面積よりも狭いです。壁芯面積(広告表示)が80平米なら、内法面積は76平米くらいと考えておけばいいでしょう。 50平米近辺の物件は要注意 注意が必要なのは、住宅にかかる税金の軽減措置などのなかに、「専有面積50m2以上」という条件を設けている場合が多いこと。この場合も専有面積は登記簿謄本の面積(内法面積)に依拠しますので、壁芯面積では53~55m2以上が必要になってくることが多いです。 面積50平米以上が対象となっている税金の軽減措置には、登録免許税(登記に関わる税金)、不動産取得税、所得税(住宅ローン控除)、湖底資産税など多数があります。 内法面積で50m2を上回るかどうかは、税金の優遇を受けるうえで、きわめて重要なので、この水準の住居を買う場合はとくに注意してください。登記簿上の面積(内法面積)をしっかり確認しましょう。

新築マンションの「設計図書」はどう見るか? モデルルームでチェックすべきポイントを簡単解説。

新築マンションを買うときに必ず訪れるのがモデルルーム。きれいなインテリアに惑わされがちですが、必ずチェックすべきなのは「設計図書」(セッケイズショ)という図面です。設計図書とは、建物を建てるときに必要な設計関係の図面一式をまとめたもので、マンションの販売センターには必ず備え付けられています。 ただ、この設計図書、かなり専門的。きちんと見るには相当な時間がかかります。ここでは、短時間でチェックできるポイントを簡単にまとめました。 地質調査書 デベロッパーがマンションを建てるとき、地面に穴を掘って地質を調査します。これを「ボーリング調査」といいます。地質調査書は、ボーリング調査の結果を示すものです。 ここでチェックすべきなのは「N値」。N値は、土の硬さの程度を示したもので、数字が大きいほど硬い土です。 N0は非常に軟らかく軟弱な土で、数値が上がるにつれ硬い土になっていき、N50が最大です。N50以上の地層もN50で示します。 N50であれば重い構造物でも支えることができます。したがって、高層ビルやタワーマンションでは、杭をN50の深さまで掘り、建物の基礎とするのです。 そのため、地盤をチェックするには、N50が地下どのくらいの深さにあるかをみるとわかります。一概にはいえませんが、おおむね深さ35m以内にこの層(N値50以上)があれば、優れた地盤と考えていいでしょう。 配置図 敷地全体に建物がどう配置されているかを示すのが「配置図」です。敷地の境界、建物の方位と位置関係がわかります。購入を検討している部屋の向きが正確にわかりますし、ベランダから隣地までの距離なども数字で確認しておきます。 タイプ別平面図 住戸のタイプ別に、間取りを詳しく表示したものが「タイプ別平面図」です。購入を検討している住戸の間取りを確認すると同時に、上下左右の間取りも必ず確認しましょう。 寝室の上がリビングだったり、隣が水回りスペースだったりすると、寝るときに気になるかもしれません。できるだけ、寝室の上は寝室、水回りの上と横は水回り、という間取りがいいでしょう。 矩計図 矩計図は、「かなばかりず」と読みます。矩計図とは、各階の垂直方向の寸法を仕様を描いたものです。マンションの一部を切断して、寸法などを細かく記入した詳細な断面図です。 矩計図でわかることはいくつかありますが、重要なのは階高です。階高とは、コンクリートの床から上階のコンクリートの床までの高さのこと。高級マンションほど階高が大きくなる傾向があります。 そのほか、購入を検討している住戸について、室内の天井高、床と天井の仕上げなどを確認します。最近のマンションなら、二重床、二重天井になっていることが多いですし、そのほうがいいでしょう。階高は2900ミリ以上あれば安心です。 展開図 展開図とは、各住戸の周囲の壁を室内側から横から見て描いた図です。壁の仕上げやドア、窓の位置、寸法、仕様などがわかります。ドアや窓の形などが一目でわかりますので、イメージ通りか確認しておきましょう。 床伏図、梁伏図 真上から見下ろした図面を「伏図」と呼びます。床の状態を描いたものを「床伏図」、梁の状態を描いたものを「梁伏図」といいます。 床伏図は、床の仕上げ材を剥いで上から見た図面で、床の構造を示します。梁伏図は、軸組の様子を示します。マンションの床の厚さや梁の位置を確認します。スラブ(床のコンクリート)で段差がある場合(段差スラブ)、将来のリフォームに影響します。 特記仕様書 図面に記載されていない材料や施工方法、仕上げなどで、注意すべき点を記載したリストが「特記仕様書」です。重要な項目が書かれていることが多いので、必ず目を通しましょう。 いろんな図面を何度も見る 設計図書を読み解くカギは、「いろんな図面を何度も見ること」。 モデルルームに行ったときに、上記のポイントだけでも絞って見ていくと、だんだんその内容の差異がわかるようになっていきます。すると、「このマンションは高級仕様だな」とか「このマンションはコストを切り詰めているな」などということも、なんとなくわかっていきます。 コストを切り詰めるのが悪いわけではありません。コストを切り詰めたマンションなら、その分価格が安ければいいわけです。つまり、価格相応のマンションかどうかを見極めるのに、設計図書を読み解く力が必要になってくるのです。 もちろん、設計図書は、価格を知るための手がかりだけではなく、遮音性能や修繕のしやすさ、バリアフリー対応など、さまざまなことを教えてくれます。自分が重視するポイントに対応しているマンションかを、知ることができる図面なのです。

マンション購入の手続きの流れをまとめてみた。モデルルーム見学から契約、入居まで

新築マンションを購入するなら、その手続きの流れを最初に理解しておくことが大切。購入申込から引き渡しを受けて実際に入居するまでは、長い道のりが待っています。わかりやすくご説明しましょう。 情報収集 まずは新築マンションの物件情報を集めます。インターネットの住宅情報サイトで希望条件を登録しておけば、定期的に新規分譲開始のマンションの情報をメールで送ってくれます。あわせて、駅に置いてある無料の住宅情報誌などもチェック。 モデルルーム見学 多くの新築マンションは、建物が完成する前に販売を開始します。しかし、買う方にとっては、建物ができていない段階ではイメージが湧きません。そこで、不動産会社は、実際の建物内装を模した「モデルルーム」を設置します。 モデルルームでは、代表的な間取りの住戸の室内を再現しています。内装の雰囲気や仕上げ、設備などをチェックできます。設計図面など重要な情報を閲覧することもできます。モデルルームは販売事務所も兼ねていますので、価格などの情報を知ることができます。 モデルルームは一つだけでなく、希望条件に近い物件なら、なるべくたくさん見て回りましょう。 購入申込 気に入ったマンションが見つかれば、購入を申し込みます。「購入申込書」を不動産会社に提出します。これは契約ではありませんから、提出後、どんな理由でも「やめる」ことができます。購入申し込み段階でのキャンセルにはキャンセル料はかかりません。 住宅ローンを利用する場合は、購入申込を行った段階で、仮審査を受けておくといいでしょう。自分で銀行を回って審査を受けてもいいですし、不動産会社の紹介で受けることもできます。 抽選 購入申込は、部屋ごとに行います。同じ部屋に複数の申込者があれば、抽選となります。当たれば、実際に購入へと進みます。抽選で当たっても、この段階なら辞退することもできます。 重要事項説明 抽選も終わり、いよいよ本当に購入する、という段階で重要事項説明に進みます。これは、法律に定められた一定の項目について、宅地建物取引主任者という国家資格を持った担当者が、書面に基づいて説明するものです。 説明日の前に、あらかじめ重要事項説明書のコピーをもらっておいて、家で読んでおくといいでしょう。不明点があれば、あらかじめ担当者に確認しておきます。 契約 重要事項説明書の朗読が終わったら、契約です。契約は重要事項説明の当日に行われるのが一般的ですが、日を改めることもできます。契約日の前に、あらかじめ契約書のコピーをもらっておいて、事前に読んでおき、不明点があれば前日までに確認しておきましょう。 契約書の内容を確認した後、署名と捺印を行います。この際、手付金を支払います。手付金は事前に銀行振り込みのこともあります。 いったん契約書にサインすると、キャンセルする場合に違約金が必要になります。違約金の金額は、かなり大きいのでご注意を。 住宅ローン申込 契約が成立したら、住宅ローンの申込を行います。実際に融資が行われるのは建物完成後ですが、この段階で申し込んで本審査を受けておきます。住宅ローンの本審査には収入を証明する書類など、書類がたくさん必要で、時間もかかります。 完成を待つ 契約が完了し、住宅ローンを申し込んで本審査を通れば、一段落。あとは建物の完成を待ちます。数ヶ月から1年以上待つこともあります。 入居説明会 建物の完成、引き渡しが近づくと、管理についての説明や、オプションの申込を行う入居説明会が開かれます。引き渡しから引っ越し、入居後の疑問などを尋ねることができます。 内覧会 建物工事が一通り終わると、内覧会です。各住戸の内部について購入者が確認することができます。不具合があれば、ここで指摘し、修繕してもらいます。建物チェックの専門家を同行する人も増えています。 決済・引き渡し 決済日はローンの実行日です。ローンを実行してもらい、不動産会社に残金を支払うと、カギの引き渡しがあります。この瞬間から、購入した部屋を自由に使うことができます。 登記 最後が所有権の登記です。登記は法律的に「この部屋はあなたのもの」であることを認証する作業です。司法書士が代行して行うのが一般的です。 登記が終了すれば、名実ともに、そのマンションの部屋はあなたのものになります。引っ越しは登記が終了する前でも行えます。

市街化区域と市街化調整区域の違い

分譲マンションは「市街化区域」に建てられています。「市街化調整区域」に建てられているマンションは、基本的にはありません。ですから、市街化区域と市街化調整区域の違いを知らなくても、マンションを買う分には問題ないのですが、不動産の知識として知っておくといいでしょう。 建物が建てられるのは市街化区域 日本の国土を不動産的に大きく分けると、「都市計画区域内」と「都市計画区域外」の2つがあります。都市計画区域は3つに分けられます。「市街化区域」と「市街化調整区域」「非線引都市計画区域」です。 このうち、建物を建てられるのが「市街化区域」です。市街化区域には用途地域が12種類定められています。それについては、こちらをご覧ください。 市街化調整区域の価値は低い 「市街化区域」は建物が建てられる場所、ということで覚えておけばいいのですが、問題は「市街化調整区域」です。市街化調整区域であっても、一部地域では用途地域が定められている場合がありますが、非常に限定的です。ほとんどは原則として建物を建てることができません。 もちろん、物理的に建物を建てようと思えば建てることはできます。しかし、法律上の建築許可を取れませんので、建てたところで違法建築になってしまいます。そのため、不動産として売買することは、きわめて困難になります。 結局、市街化調整区域は、原則として建物が建てられませんので、資材置き場や駐車場としてしか使えません。そのため、不動産としての価値は低くなります。

マンションの「権利書」と「登記識別情報」の管理方法。なくしたらヤバイので、銀行の貸金庫にでも入れておこう

マンションの所有権を証明する書類、それが「権利書」。と書きましたが、じつは、「権利書(登記済証)」というものは、すでにありません。平成17年に紙の権利書は廃止され、現在は「登記識別情報」という番号の書かれた紙に変わりました。そのため、現在は、この登記識別情報を権利書代わりに大切に保管することが重要になりました。 不動産登記に必要な12桁のコード かつての「権利書」は、不動産所有者であることを証明する書類でした。これに対し、「登記識別情報」は、不動産所有者であることを証明する「パスワード」とでもいうべきものです。英数字の組み合わせでできた12桁のコードです。 このコードを知っている者が、不動産の所有者であることを示す証拠となります。そのため、不動産の登記をする際は、この12桁のコードが必要です。 目隠しシールははがさずに 登記識別情報が書かれた紙が「登記識別情報通知書」です。この通知書にはコード部分に目隠しシールが貼り付けられています。 コードを第三者に見られたりコピーされたりすると、従来の権利書が盗まれたのと同様の危険性が生じます。そのため、登記識別情報通知書は、目隠しシールをはがさず、従来の権利書同様に、厳重に保管しておかなければなりません。 登記識別情報の12桁のコードは変更ができず、再発行もできません。そのため、紛失したら面倒なことになります。貴重な財産を守る書類ですし、できれば銀行の貸し金庫など、安全な場所に保管することをおすすめします。

マンション「登記簿」の超カンタンな読み方、見方。「乙区」をしっかり確認しよう。

マンションを購入するとき、必ず確認しなければならないのが「登記簿」。とくに、中古マンションを買うときは、登記簿で現状がどうなっているかを見ておかなければなりません。とはいうものの、登記簿ってちょっと見ため難しいですよね。ここでは、登記簿の超カンタンな読み方、見方を解説します。 登記簿は3部構成 不動産の登記簿とは、「登記事項証明書」のことです。このうち、すべての内容が記されているものを「全部事項証明書」といいます。右上に「全部事項証明書」と書かれていたら、それが登記簿だと理解していただいてかまいません。 登記簿は、「表題部」「甲区」「乙区」の3部構成になっています。 建物全体の表題部 マンションの登記簿は、一戸建てとは少し異なり、最初に「マンション全体」(一棟の建物の表示)の表題部があり、次に、個別の部屋「専有部分」の表題部が記載されています。 「表題部」とは、その土地・建物がどこにあるかを示すもの。マンション全体の表題部には、「専有部分の家屋番号」「所在」「構造」「床面積」「敷地権の目的たる土地の表示」などがあります。 「専有部分の家屋番号」とは、各部屋に付けられた番号のことで、「○○○-101~○○○-1020」というように、表されます。この場合は、自分の購入しようとしている部屋番号があるか確認してください。 「所在」(住所)は、私たちが一般に使う「住居表示」の住所とは異なることがあるので、少し違和感があります。その住所がどこなのかは、「公図」という図面で確認できます。マンション売買時には、不動産屋が公図を用意してくれます。 「建物の名称」には、マンション名が記されています。この名称が購入しようとしているマンション名と完全に一致していることを確認してください。これが一致していれば、「所在」に違和感があってもあまり気にしないでいいでしょう。 「構造」は、マンション全体の構造材料などが記録されています。これも気にしないでかまいません。 その次に「敷地権の目的たる土地の表示」があります。マンションの場合は、土地と建物が一体となって取引されるので、この表示があります。これもとくに気にしないでかまいません。 専有部分の表題部 マンション全体(一棟の建物の表示)の表題部の次に「専有部分の建物の表示」という欄があります。ここは、マンション全体についての表示ではなく、各戸の専有部分、つまり各部屋についての表示です。 「家屋番号」、「種類」、「構造」、「床面積」、「敷地権の表示」などが記録されています。自分の買おうとしている部屋の階数や床面積を確認すれば、それでOKです。 注意点として、登記上の床面積は、「内法面積」(うちのりめんせき)が記載されていて、不動産広告の「壁芯面積」より少し狭くなっています。「壁芯面積」は壁の中心線で囲まれた面積で、「内法面積」は「壁芯面積」よりも壁の厚さの半分ほど面積が小さくなっています。「広告の面積と違う!」と思うかもしれませんが、これは数パーセントは違っていてOKです。(あまり大きく違う場合はおかしいです)。 「敷地権の表示」には、「敷地権の割合」という項目があります。マンションを購入した場合、専有部分の「建物」の権利と、敷地権という「土地」の権利の両方を取得することになります。そして、土地の権利は、マンションの他の購入者と「共有」になります。 「敷地権の割合」は、「○○○分の○○」というように、敷地に関するその人の所有権の持分を表します。きっとかなり小さいですが、それほど気にしないでいいでしょう。 甲区では、「所有者」が「売り主」と同じか確認する 次に、「甲区」は所有権に関する情報を示しています。そのマンションが誰の所有かを確認できます。「甲区」の最後に書かれている人物が、所有者です。マンションを購入する場合、登記上の「所有者」と契約書に書かれている「売主」と同じか、確認しておきます。 通常、マンションの売り主は、「甲区」の一番最後に載っている登記名義人です。不動産売買契約書を交わす際に、その「売主」と「登記名義人」が一致しているかは重要です。売主と登記名義人が一致しない場合、トラブルの香りがします。 登記名義人と売主の間で売買契約済みで、それがあなたに転売される、というケースもなくはありませんが、きわめてレアです。そのため、契約書の「売主」と登記の「名義人」が異なる場合、その物件は買わないほうが安全です。 乙区には抵当権が書かれている 最後が「乙区」。これは、所有権以外に関する権利関係の情報を示しています。不動産登記簿の見方としては、この乙区がもっとも重要です。 乙区に何も書かれていなければ、何の問題もありません。でも、そういうケースは少なく、実際は、乙区の最後に抵当権が書かれています。抵当権が載っている場合、そのマンションは借金の「担保」となっています。 マンションを買うときは住宅ローンを組むので、借金の担保となっていることはおかしくはありません。ただ、中古マンションを購入する際には、この抵当権が完全に抹消されなければ買ってはいけません。 どんな会社の抵当に入っているか 通常は、マンションの買主の払ったお金で売主にかかっている抵当権を抹消しますので、契約時に抵当自体があることは問題ではありません。ただ、その金額があまりに大きくないか、マンションの売買価格で抹消できる範囲なのかは確認しなければなりません。 抵当権が大きくても、設定の日付が古ければ、実際のローンの残債は小さいので問題はありません。しかし、設定して数年のローンなら、かなりの残債があると考えられますので、ちょっと心配になります。売主のローン残高証明書などを確認しておいたほうがいいでしょう。 住宅ローンの抵当は「住宅金融公庫」や「●●保証株式会社」などといった名称が書かれています。ふつうは、●●は銀行名です。たとえば、「みずほ信用保証株式会社」なら、みずほ銀行の抵当に入っていることになります。 住宅ローンとは無関係と思われる抵当権が設定されている場合も、要注意です。抵当権者がどんな人か、どんな会社なのか、きちんと説明を求めましょう。
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