日曜日, 11月 1, 2020

建物

- Advertisement -

マンションのお風呂のサイズ「1418」「1317」などの数字の意味。適当な広さは?

分譲マンションの幸せのひとつは、広めのお風呂(浴室)にあります。マンションのユニットバスのサイズは、「1220」などといった数字4桁で示されます。このサイズの意味は、幅と奥行きの長さ。では、どのくらいのサイズが適当なのでしょうか? マンションで多いのは「1418」 マンションのお風呂の広さは、間取り図に書かれている4桁の数字でわかります。ファミリー向けマンションでもっとも多いのは「1418」といつサイズ。これは幅が1.4メートル、奥行きが1.8メートルという意味です。60平米~80平米のマンションでよく使われているユニットバスのサイズです。 これより少し狭いのが、「1317」というサイズ。幅が1.3メートル、奥行きが1.7メートルです。昔はこのサイズが標準で、いまでも60平米以下のマンションでよく使われているサイズです。さらに小さいユニットバスの規格として「1216」や「1116」があり、ワンルームマンションとなると「1016」くらいの極小浴室もあります。 広いマンションでは「1620」 一般のマンションで一番広い浴室サイズは「1620」。90平米を超える広い専有面積のマンションではこの浴室サイズが使われてることが多いです。幅1.6メートル、奥行き2.0メートルということで、長辺が2メートルありますので、足をゆったり伸ばせる広いお風呂に入れます。 大事な点として、このサイズは浴室サイズを示すものであり、湯船のサイズとは異なります。実際のところ、1620でも1418でも、置かれている湯船のサイズにはそれほど大きな違いはありません。というのも、あまりに湯船が大きいと、使うお湯の量も増えて不経済だからです。 1620サイズでは、湯船より体を洗うスペースがやや広めにとられていて、ゆったりと体を洗うことができます。 もちろん、広い湯船がご希望なら、オプションでつけることはできますし、リフォームすることも可能です。ただ、1418サイズのお風呂があれば足を伸ばしてゆったり湯船に浸かることはできるので、多くの人には十分なサイズです。

マンションの「遮音等級」の見方。「L-55」とか「D-50」はどういう意味?

最近のマンションで重視されるのは「遮音性」。上の階で走り回ってもうるさくないとか、大声を出しても隣に聞こえないとか、そういう遮音性能が大事です。では、これはどこを見たらわかるのでしょうか。 床はLL-50が標準的 遮音性能は、床L、壁はDで示されます。どちらも基準は50です。ややこしいのは、Lは小さい方がよく、Dは大きいほうがいい、という点です。 たとえば、床の遮音性は、L-40なら気配は感じてもほとんど感じない程度。L-45はスプーンを落とすとかなり聞こえるが、人の歩行音は意識しない程度。L-50はいすを引きずる音や歩行音が小さく聞こえる程度です。 L-55になると、歩行音が聞こえ、いすをひきずる音が激しく聞こえる。L-60となると、スリッパで歩く音までよく聞こえる、という程度です。 床の衝撃音に関してはLH(重量衝撃音)とLL(計量衝撃音)に分けられます。床衝撃音の指標として、一番使われやすいのがはLL値です。最近はLL-50以上のマンションがほとんどで、LL-55以下の物件はかなり少なくなっています。 マンションを購入する基準としては、LL-55あれば十分で、LL-50なら優れている、と考えればいいでしょう。新築マンションはLL-50以上が標準的です。 壁はD-50が標準的 壁の衝撃音D値は、D-40だとピアノの音がはっきりわかり、隣戸の生活行為がある程度わかる。D-50は、隣戸の会話がほとんど聞こえず、日常生活で気兼ねなく暮らせます。 D-55だと隣戸の気配も感じず、D-60はカラオケパーティーを行っても問題ない、という程度です。 近年のマンションでは、D-50が標準的で、遮音のしっかりしているマンションはD-55やD-60となっています。ピアノの防音室がD-55くらいですので、D-55のマンションがあれば、子どもがピアノを習っても周囲に気にせず練習ができる、という感じです。 スラブは床板20cm、壁18cmが目安 モデルルームに行くと、コンクリートブロックのような見本がおいてあります。これは壁などの厚さを示す実物見本で、「スラブ」といいます。スラブについては、床板で20センチ以上、隣戸との壁で18センチ以上あることを目安にしましょう。 間取りを見るときは、隣戸の水回りと自戸の寝室が隣接していないかも確認しておきます。水回りと接している部屋は、水音がどうしても響きます。できるだけ寝室と水回りは離れていたほうがいいでしょう。

モデルルームを見るときのポイントと注意点。「設計者の配慮」が行き届いているかを、メジャー持参で確認しよう!

マンションのモデルルームはとてもきれいに整っています。こんな夢のような生活をしたい! とつい考えてしまいがち。でも、少し冷静になって! モデルルームを見るときのポイントを簡単にまとめてみましょう。 部屋の正確な広さを把握しよう まず、モデルルームに入って見るときには、メジャーを持参しましょう。モデルルームは色彩や置く家具を工夫して、部屋を広く見せているからです。惑わされないように、現実にどのくらいの広さなのか、メジャーで計測して確認しましょう。 できることなら、モデルルームに来る前に、自分がいま住んでいる家のリビングや寝室の広さをメジャーで測ってくるといいでしょう。当日比較しやすくなります。 モデルルーム見学は、できることならモデルルームがオープンするピーク時期にあわせます。ピーク時期は、新春、ゴールデンウィーク、シルバーウィークの年3回。この時期にまとめてモデルルーム巡りをしてみると、目が肥えてきて比較がしやすくなります。短期間に集中してみたほうが、見る目が養われるということです。 実際の建設地を見に行こう モデルルームは、通常、マンションとは異なった場所に設定されます。その場合、モデルルームに行く前に、実際のマンションの建設地を訪れてみるべきです。そのほうが、モデルルームで説明を受けるときのイメージが沸きます。たいていは、モデルルームのほうが現実のマンションよりいい立地にあります。現実の立地を先に知っておくことも大事です。 もし本気で買おうと検討するなら、モデルルームを訪れた後、最寄駅からマンションの建設地まで、時間や曜日を変えて歩いてみましょう。夜は人が少ないとか、夜になると変な店が出るとか、日曜日は観光客がやってきてうるさいとか、平日昼間は近所で荷下ろしが多いとか、その町のさまざまな側面がわかります。 訪問するのは、平日、休日の昼と夜。つまり計4回は最低行ってみましょう。さらに、平日の朝の通勤・通学風景なども見ておくと、実際に生活が始まったときのイメージが沸きやすいです。 トイレやドアの構造もチェック モデルルーム見学では、設計者の配慮が行き届いているかも確認したいところ。たとえば、トイレにあるトイレットペーパーのホルダーの位置。右にある場合と左にある場合がありますが、左にあるほうが使用量が少なくなり家計に優しいことが知られています。 利き腕が右の人が多いので、右側にペーパーホルダーがあると、つい紙を使いすぎてしまうのですね。そのため、トイレットペーパーホルダーは左側、というのが住宅建築の常識です。 ドアの開き方もチェック。トイレのドアは、万一トイレ内で倒れた場合に出やすいよう、外に引く形になっているのが常識。お風呂の場合は、ドアについたしずくが外で垂れないよう、内側に引く形が常識。部屋のドアは、開いたときにドアノブが柱を傷つけたりしないように工夫されているのが常識。ドアを開いたときに固定する金具があるものです。 こうした常識が守られていない場合、守れないような特別な事情があるのか、それとも設計者の配慮が足らないだけなのか、きちんと確認しておきましょう。一時が万事で、設計者の配慮が足らない物件は、選ばないほうが吉です。

リフォームで使える「キッチン」の費用と相場。安くておすすめのキッチンは?

マンションでも一戸建てでも、リフォームするときに悩むのがキッチン。各社から多くのシステムキッチンが販売されてて、どれも一長一短に見えてしまいます。ここでは、リフォーム向けのキッチンをご紹介。費用、相場とおすすめを解説しましょう。 どんなキッチンメーカーがあるの? まず、キッチンの最大手はどこでしょうか。答えはLIXIL。サンウェーブとINAXなどが合併して経営統合した結果、システムキッチンシェアの3割を占めています。次がタカラスタンダードで、LIXIL誕生までは長年キッチン史上首位を占めてきた老舗です。以下、3位クリナップ、4位パナソニックと続きます。 そのほかのキッチンメーカーとしては、水回りに強いTOTO、給湯器に強いノーリツ、YAMAHAの系統を引くトクラス、旧日立系で現在はヤマダ電機グループのハウステックといった会社があります。最近はニトリやIKEAなどの家具小売店もシェアを伸ばしています。 キッチンの最低価格はどのくらい? システムキッチンの価格はベースとなる「本体価格」に「オプション」を組み入れた総額です。「本体価格」だけならそれほど高くはなく、格安キッチンなら10万円台でも一通り揃います。 たとえば、ニトリのキッチンなら、幅2560mmで19万9000円のものが販売されていますが、ガスコンロやレンジフード、引き出しなどのフロアキャビネットや、頭上のウォールキャビネットもこの値段に含まれています。これに食洗機を付けると24万9000円になります。 これで十分といえば十分で、実際、ファミリー向けの賃貸マンションでは、こうした10万円台のキッチンが備えられていることもよくあります。10万円台のキッチンで大丈夫?なんて声も聞きますが、きちんと施工されれば20-30年は持ちますので、心配する必要はありません。 価格相場をつかもう! ただ、分譲マンションで自分専用のキッチンで、もっと使いやすいものを、となると、もう少しいいブランドのものを選びたくなりますし、さまざまなオプションを付けたくなります。 マンションリフォームの価格相場をつかむのにわかりやすいのが、クリナップです。クリナップは「S.S.」「クリンレディ」「rakuera(ラクエラ)」「コルティ」という4つの性格付けの異なるブランドのキッチンを販売しています。 まず「S.S.」は最高級ブランド。質の高いステンレスを使った高品質キッチンで、幅2550mm(以下同)の参考価格が99万4550円。次のクリンレディはオールステンレスながら手頃な価格を実現した物で、参考価格が63万8000円。ラクエラは木製キッチンで49万2800円。コルティは幅1800mmのコンパクトキッチンで30万9700円となっています。 ラクエラを例に取ると、最低価格は49万2800円ですが、扉に使う素材で異なります。鏡面仕上げの「グランドシリーズ」という扉を使うと55万9800円になり、マット仕上げや光沢仕上げは安くなります。さらに使う木材によって「コンフォートシリーズ」は50万9800円と少し高くなります。 49万2800円は、最もグレードの低い「シンシアシリーズ」という扉を使った場合です。扉による価格差は結構大きく、クリンレディで高い扉を付けると、S.S.の安い扉を付けた場合より高くなってしまいます。 大手メーカーは基本価格50万円が相場 タカラスタンダードやクリナップといった大手メーカーの場合、主力ブランドの基本プランは、2550mmで50万円前後に設定されています。したがって、大手システムキッチンの相場価格は、基本プランなら50万円前後と考えていいでしょう。 ただ、これはあくまで定価で、実際に施工する業者によって卸値は異なります。たとえば、上記ラクエラの場合、格安キッチンとして検索すると、15万円前後の価格を見つけることができます。つまり、6割~7割も値下げしているのです。 ニトリやIKEAなどの格安キッチンの場合は、15~20万円前後の価格設定が相場で、値引きは基本的にはありません。つまり、大手キッチンの安値ブランドや小売店の格安ブランドのキッチンは、基本プランで15~20万円程度が実勢価格の相場といえます。 オプションを付けると高くなる ただし、システムキッチンを基本プランで購入する人はあまりいません。食洗機を入れたり、引き出しを増やしたり、シンクの形を変えたり、ワークトップの素材を変えたりします。こうしたオプションによってキッチンの値段は基本価格の倍くらいになることもあります。 扉の色や素材によって大きく価格が変わることは前述しましたが、メーカーにとっては、基本価格は安くしながら、オプションで利益を得るというのが一つの戦略なのです。 オプションを付けた総額はいくらくらいなの? という質問を受けることもありますが、千差万別としか言いようがありません。定価ベースでいうなら、基本価格の1.5倍くらいが総額になるようなオプションを付ける人が多いです。 食洗機を付け、シンクやレンジフードや水栓を少しいいのに変えて、引き出しも増やしたりすると、そのくらいの価格になります。つまり、定価ベースで70~80万円くらいが相場と考えればいいでしょう。 どのくらい値下げしてくれる? 値下げ後の価格に関しても千差万別ですが、大手メーカーの主力ブランドの場合、2割~3割引程度と考えておくといいでしょう。インターネットを検索すると半額くらいの格安価格を提示している会社もありますが、そこまで値引いてくれることは、実際にはあまりありません。 値引いてくれたとしても、そのぶん施工費用に上乗せされることもありますので、表面上の価格にこだわるよりも、総工費を見たほうがいいでしょう。 キッチンのおすすめブランドは? おすすめブランドは、一概にはいえませんが、ホーローが好きならタカラスタンダードの「リテラ」、ステンレスがいいならクリナップの「クリンレディ」、木製の場合はLIXILの「リシェル」あたりがスタンダードです。これらのブランドを選んでおけば、大きな失敗はないでしょう。 トリプルワイドレンジがいいなら、パナソニック「リビングステーション」。高級キッチンならトクラスの「ベリー」、手頃な価格ならノーリツの「レシピア」も人気が出ています。組み合わせキッチンならIKEAの「メトード」。格安キッチンなら、ニトリはコストパフォーマンス基本性能に優れているといえます。

住宅の用途地域の違いをわかりやすく解説。「第一種住居地域」と「第二種住居地域」の違いは?

不動産の広告を見ていると、「第一種住居地域」だとか、「商業地域」といった文字が出てきます。「住居地域」なら住宅地、商業地域なら商業地なのだろう、くらいのことはわかりますが、「一種」と「二種」の違いなど、わかりにくい点もあります。わかりやすく解説していきましょう。 用途地域とは? こうした地域区分けを「用途地域」といいます。そのエリアで建てることのできる建物や、営業できる商店などを区分けするルールです。用途地域を見れば、そのエリアにどんな種類の建物が建てられるのか、どんな店が営業可能か、などがわかりますので、エリアの住環境がわかりますし、将来の町並みの予想もつきやすいです。 また、現地マンションの隣に大きな空き地がある場合や古い建物がある場合、将来、そこに新たな建物が建つ可能性がありますが、用途地域を確認すれば、どんなものが建てられるかのイメージが湧きやすくなります。 なお、用途地域は建物の用途を規制するルールですから、建物高さや建ぺい率、容積率を規制するものではありません。ただし、建ぺい率と容積率は、用途地域ごとに設定されていて、住宅の良好な環境を保護すべき地域ほど、これらの制限は厳しくなっています。また、どんな高さの建物が建てられるかは、隣接する道路の広さなどによっても異なります。 低層住居専用地域 用途地域で規制がもっとも厳しいのが、「第一種低層住居専用地域」。これは、小規模な住宅のほか、学校や老人ホーム、診療所などだけが建てられる地域です。建ぺい率は30~60%、容積率は50~200%。マンションも建てることはできますが、3階建て程度の低層マンションまでになります。絶対高さ規制が導入されていて、地盤面より高さ10~12mくらいまでに制限されています。 第一種低層住居専用地域は、住宅地としては落ち着いていますが、一定規模以上の店舗は作れませんので、コンビニエンスストアすら立地できません。そのため、広いエリアが第一種低層住宅専用地域に指定されている場合、エリア中心に住んでいると、買い物が不便な場合があります。 「第二種低層住居専用地域」も低層住宅しか建てられないことは同じですが、広めの店舗や飲食店などの立地が認められます。ただ実際には、第二種低層住居専用地域は、あまり存在しません。 中高層住居専用地域 「第一種中高層住居専用地域」は、低層住居専用地域で建てられる用途に加え、病院や大学、500平方メートルまでの一定の店舗なども認められます。建ぺい率は低層住居専用地域と同じですが、容積率は100~300%と緩くなります。 絶対高さ制限がないため、容積率に応じた中高層マンションが建てられます。コンビニや小さなスーパーなら立地できますし、そこそこ利便性のある住宅地といえます。ただし、南側に空き地があると、高いマンションが建って日照が減ったりしますので、注意が必要です。 「第二種中高層住居専用地域」は、第一種中高層住居専用地域の用途に加え、1500平方メートルまでの一定の店舗や事務所も認められます。住環境と利便性のバランスのとれた地域といえます。 ここまでが、「住居専用地域」です。次に「住居地域」について説明しましょう。「専用」の二文字がとれると、どんな違いが起こるのでしょうが。 住居地域 まず、「第一種住居地域」は、大規模な店舗・事務所の立地を制限する住宅地とされ、住宅のほか、3000平方メートルまでの店舗や事務所、ホテル、旅館などが建てられます。50平米以下の小さな工場も建てられます。建ぺい率は60%、容積率は200~400%と、第一種中高層住居専用地域よりも緩くなっています。このため、第一種住居地域は、第一種中高層住居専用地域よりも高く大きなマンションを建てることができます。 「第二種住居地域」は、第一種住居地域の用途のほか、パチンコ店やカラオケ店の立地も認められます。「住居地域」という名称ですが、商業的な用途にも使えるエリアです。建ぺい率、容積率は第一種住居地域と同じです。 準住居地域は、上記に加え、営業用の倉庫や小規模な自動車修理工場、劇場、映画館も認められます。ただ、実際に指定されている地域はあまりありません。 ここまでが「住居地域」系です。同じ住居地域でも、「第一種低層住居専用地域」と「準住居地域」では、用途の範囲が全く違うことがおわかりいただけましたでしょうか。 商業地域 以下、商業地域について説明します。駅に近いマンションでは商業地域に立地していることも少なくありません。 「近隣商業地域」は、近隣の住宅地に日用品などを供給する目的の商業地域です。郊外駅近くでは商店街が形成されていることもあります。建ぺい率は80%と高くなますが、容積率は200~400%と住居地域並です。このため、店舗などは中低層の商業施設が主になります。 「商業地域」は、その名の通り、商業が主目的のエリアです。店舗、事務所などの業務利便の増進を図る地域で、主要駅周辺などが指定され、多くのビルが建ち並びます。一定の工場を除けばほとんどの用途の建築物を建てることができます。建ぺい率は80%、容積率は200~1000%です。 商業地域は、商業目的のエリアのため、基本的に住環境は重視されません。風俗店の営業も可能ですし、日影規定など日照権を保護する規定の適用もかなり緩いです。そのため、商業地域の場合は、隣にどんな大型の建物が建つかわからないし、日照が遮られても文句がいえない、ということもあります。南側が商業地域の土地は、とくに注意しましょう。 商業地域だからといって住宅地に向かないわけではなく、その利便性の高さから、最近は中高層のマンションが建つケースが少なくありません。用途が広く使いやすい地域なので、地価が高くなりやすいといえます。 工業地域 最後に、工業地域について説明しましょう。近年は、工業地域でもマンションが建てられるケースが増えています。 「準工業地域」は、環境に大きな影響を与えない工場立地を主目的としたエリアです。昔ながらの町工場などが集まっている場所がよく指定されています。再開発などで、準工業地域に住宅やマンションが建つことも多いです。 準工業地域は、一定の風俗営業店や一部の大規模工場を除き、さまざまな用途の建物を建てることができます。再開発エリアでは、一見住宅地に見えても、準工業地域だったりすることもあります。建ぺい率は60%、容積率は200~400%と、商業地域よりも厳しくなっています。 「工業地域」は、工場立地を目的としたエリアです。そのため、どんな工場でも建てることができます。一方、学校や病院、ホテル、映画館などは建てられません。つまり、こうした施設からは離れてしまいます。建ぺい率、容積率は準工業地域と同じです。 住宅を建てることは認められているので、マンションが建設されることもあります。近年は、工業地域でも大規模再開発でマンションができたりします。しかし、環境に影響を与えるような工場が立地できるエリアですから、どんな工場が建つかわからない場所である、ということは認識しておきましょう。 最後に、「工業専用地域」がありますが、ここは住宅は建てられませんので、省略します。 二地域にまたがる場合 マンションは大きな建物なので、敷地が複数の住居地域にまたがる場合があります。その場合、全体の占める面積が大きいほうの用途が、建物全体に適用されます(容積率や建ぺい率は面積に応じて按分されます)。 商業地と第一種低層住居地域が隣接している場合は、こういう「またがり」を使った大規模マンションが建設される可能性もあります。南側に商業地域がある場合、こうした制度を利用して大規模マンションが近くに立つこともありますので、頭に入れておきましょう。 自分の目的にあったエリアのマンションを買おう さて、ここまでいろいろ書きましたが、どのエリアがもっともマンションに適しているのでしょうか? 静かな住環境を重視する人は、第一種低層住居専用地域のマンションがいいでしょう。一方、利便性を重視するなら、商業地域のマンションがいいかもしれません。 将来的な資産価値の維持を考えるなら、用途が広い商業地域のマンションが有利という考え方をする人もいるようです。その意味では、準工業地域のマンションも用途は広いです。ただ、環境があまりに悪い場所は資産価値にも悪影響を及ぼします。 第一種低層住居専用地域は、良質な住環境から将来も資産価値が高いという考え方もあります。しかし、人口減少の時代においては、人が減りやすいエリアともいえます。周囲から人が減って閑散とすれば、マンションの資産価値は著しく落ちていきます。そのため、第一種低層住居専用だからといって安心しないほうがいいでしょう。

機械式駐車場と自走式駐車場のメリットとデメリットを比較する。イチバン人気は地下駐車場の平置型

クルマを持っている人にとって気がかりなのが、マンションの駐車場の形態。自走式で地上の区画に置ける「平置駐車場」を望む人が多いですが、立地のいいマンションになるほど機械式の「立体駐車場」が多くなります。そのメリットとデメリットを比較してみましょう。 メリットが多いのは自走式 自走式の平置駐車場にもいくつかタイプがありますが、都市部のマンションなら、地下か1階に駐車エリアを配置していることが多いです。郊外のマンションなら、建物横の敷地に屋根なしの平置き駐車場を配置していることもあります。 自走式の最大のメリットは、余計な機械操作がなく、クルマに乗るための作業が簡単なこと。マンションの出入口を出て、自分の駐車区画まで歩いて乗るだけです。そのため、クルマを所有するマンション購入検討者には、平置型駐車場がイチバン人気です。 ただ、自分の駐車区画がマンションの出入口から近ければ便利ですが、遠いとクルマに乗るとき長く歩かねばならないので、やや不便です。そのため、出入口から遠くなるほど駐車場代を安くしている管理組合もあります。時間をとるかお金を取るか、よく考えて駐車場を選びたいところです。 地下駐車場や建物1階の駐車場は、屋根があるのも大きなメリットです。天候が悪くても雨具なしでクルマに乗れますし、クルマが傷みにくいという長所もあります。また、地下駐車場は管理が行き届いているので、愛車が盗難にあったり、いたずらの被害を受けるリスクも低いです。 一方、自走式でも屋根なしの屋外型駐車場だと、クルマは雨に打たれ日光にもさらされますので、クルマが傷みやすいというデメリットがあります。雨が降っていたら乗るときにも大変ですし、地下に比べると盗難などの被害にも遭いやすいでしょう。 多数のクルマを収納するなら機械式 機械式駐車場はタイプがいくつかありますが、マンションの場合は、2段か3段に積み上げられた形で、上下左右にクルマを移動させる形が一般的です。それぞれのブロックごとにリモコンがあり、出庫時にはそれを操作します。 機械式駐車場のメリットは、狭い敷地に多数のクルマを収納できること。そのため、多くの希望者に駐車区画を行き渡らせることができます。 それと、風雨にさらされないので、クルマが傷みにくいことメリットでしょうか。とはいえ、それ以外には、利用者個人にメリットは見当たりません。 デメリットは出庫時に時間がかかること。レールぴったりに車庫入れする必要があるため、車庫入れが苦手な人にはストレスにもなるでしょう。また、子どもがいたら機械が動くとき目を離せないことなどがあります。 さらに、機械式駐車場は、大規模修繕時のメンテナンス費用が高いという難点もあります。クルマの高さの制限もあるので、車高の高いクルマは入れられない場合もあります。デメリットだらけですね。 自走式の平置型が一番 結局のところ、駐車場は、自走式の平置型が一番です。さらにいえば、地下駐車場はセキュリティ上からも、クルマの保存の面からも、悪天候でも使いやすいという点からも、最も優れています。そのため、選べるなら地下駐車場の平置き型自走式駐車場が一番でしょう。 次が屋外の平置型駐車場、最後が機械式の立体駐車場です。立体駐車場でもタワー型のように上下が大きくなるほど出し入れに時間がかかりますので、できれば2層か3層程度が望ましいでしょう。

マンションの外断熱と内断熱、比較するとどちらがよい?

断熱材をコンクリートの躯体(建物そのもの)の内部に入れて作るのが内断熱。躯体の外側に入れるのが外断熱です。この二つの工法を比較してみましょう。断熱効果が高いのはどちらでしょうか。メリットとデメリットを見てみます。 理論上は外断熱が有利 結論を先に書いてしまうと、理論上は外断熱が有利です。なぜなら、コンクリートは熱しやすく冷めやすいので、躯体の内側に断熱材を入れると、外気の影響を受けたコンクリートと室内空調による気温差が大きくなるからです。それにより、内断熱ではカビの原因となる結露ができやすいという欠点があります。 一方、外断熱なら、外気によるコンクリートへの影響を減らせますので、結露ができにくいのです。結露が発生しないことで、躯体も長持ちします。つまり、外断熱にすることは、建物全体の寿命を長くすることにもつながるのです。そのうえ、外断熱の場合、同じコンクリートの躯体なら、断熱材の厚さのぶんだけ部屋が広くなります。 導入しやすいのは内断熱 ということで、外断熱か内断熱かどっちか選べ、といわれたら、外断熱のほうがいいに決まっています。しかし、現実には日本のマンションの99%は内断熱です。それには理由があります。 まず、マンションで完璧な外断熱を実現することは現実的には難しいという問題点が挙げられます。バルコニー部分などからの熱の伝導を防ぐには高度な技術が必要です。外断熱を謳っていても、実際には効果が乏しかったりすることもあるようです。 もっと現実的な問題として、外断熱にした場合、建設コストが内断熱の1割以上増えてしまいます。そのため、手頃な価格のマンションでは内断熱が主流。外断熱を採用しているマンションは、建設費の高さを価格に反映できる立地のいい豪華マンションに限られます。 導入しやすいのは内断熱。逆に、安いマンションが外断熱だったとしたら、慎重なチェックをしたほうがいいかもしれません。

耐震マンション、制震マンション、免震マンションの違いを理解しよう。似た言葉でも全く違う

マンションを買うときに、よく目にするのが「耐震構造」と「免震構造」。耐震マンション、免震マンションともいいますが、どういう仕組みで、どういう違いなのでしょうか。わかりやすく比較してみましょう。 建物自体の損壊を防ぐ目的に変わりなし 耐震構造とは、梁や柱など躯体を頑丈に作ることで、建物を地震に強くするものです。「地震に耐える頑丈な構造」と理解すればいいでしょう。 いっぽう免震構造とは、建物をゴムの上にのせることで衝撃を吸収し、地震の揺れを軽減するものです。「地震の揺れを免れる構造」と理解すればいいでしょう。地震が起こると、マンションの箱全体がそっくり揺れるので、建物に地震の力が伝わりにくくなります。 制震構造は、地震によって生じた揺れを打ち消す装置(ダンパー)を、建物に組み込んだ仕組みです。建物下部が左に揺れたら、建物上部は右に反って、建物全体の揺れを逃します。 耐震、制震、免震のいずれも、建物自体の損壊を防ぐことに変わりはありません。免震には、さらに「建物内の揺れを軽くする」という利点があります。免震の場合は、家具の店頭なども最小限に食い止めることができます。 免震が優れているが そのため、3つのうちどれが一番優れているか、という視点で見ると、免震構造に軍配が上がります。しかし、そのぶん免震構造は価格がお高め。そのため導入しているマンションも一部にとどまります。 コストが安いのは耐震構造です。耐震構造でも、現在の法令に準拠したものならば、東日本大震災クラスの揺れにも耐えられます。

マンションの「管理形態」はどんな種類があるの?

「マンションは管理を買え!」とよく言います。では、マンションの管理はどのように行われているのでしょうか。ここでは、マンションの管理形態の基礎知識をご紹介します。 管理体制は3種類 マンションの管理体制には主に3種類あります。全面委託管理、部分委託管理、自主管理です。このうち、前者2つは、管理会社に管理を依頼します。 1 全面委託管理 マンションの管理業務を管理会社にすべて任せる形態。新築マンションのほとんどが、全面委託管理でスタートしています。 2 部分委託管理 マンションの管理業務のうち、一部を管理会社に任せる形態です。 3 自主管理 マンションの管理業務のすべてをマンションの住民で行う形態です。保守点検については専門業者と契約し、委託します。 新築のほとんどは「全面委託」 新築マンションのほとんどは「全面委託管理」です。全面委託管理の良い点は、自室以外のスペース以外の管理をすべて管理会社に任せることができる、という点です。 廊下の電気が切れていたり、エントランスが汚れていたりしてもすべて管理会社が処置してくれますし、ゴミ置き場の整理も清掃員に任せることができます。 しかし、そのぶん、全面委託管理はコストがかかります。部分委託の場合は、たとえば廊下の掃除は居住者が行うなど、一部分を自主管理にすることで管理費を削減します。そのぶん、居住者の手間は増えることになります。 管理人の勤務形態による分類 管理を委託する場合、管理人の勤務形態によって、さらに3つのパターンに分かれます。 1 常駐管理 管理人が管理人室に住んだり、交代で在室して勤務する形態。 2 日勤管理 管理人が通勤して勤務する形態。夜間・土休日は不在のこともある。 3 巡回管理 管理人が定期的に巡回して、管理業務を終えたら帰宅する形態。 当然ですが、常駐管理がもっともお金がかかり、日勤がそれに続き、巡回は安くなります。 大規模マンションでは常駐管理が多く、中規模マンションは日勤管理が多いと言えます。数十戸の小規模マンションは巡回管理が主流でしょう。 自主管理はコストが安い 自主管理マンションは、文字通り居住者自身がすべての管理をおこないます。管理会社を使わないので、管理コストが安いのがメリットです。ただ、そのぶん、居住者が高い意識で管理をすることが求められます。 実際のところ、良く管理されているマンションもありますが、管理が不徹底なマンションも少なくありません。自主管理の場合、管理費が安いことは大きなメリットですが、管理が不徹底だと資産価値に響きます。中古マンションを選ぶときはよく検討しましょう。

ホームインスペクションとはなにか

中古マンションの購入を考えたとき、気になることは「このマンションに欠陥はないか」という点。中古の場合、すでに建物が建っているので、外見をみただけでも明白なひび割れなどがあればわかります。 ただ、それ以上のことになると、調べないとわかりません。その調査が「ホームインスペクション」です。 住宅診断サービス ホームインスペクションは、日本語に訳せば「住宅診断」となります。住宅に精通したプロフェショナルが、第三者の視点でマンションをチェックしてくれるサービスです。 アメリカでは不動産取引の大半で、ホームインスペクションが実施されています。日本においても中古不動産取引が増えるにつれ、ホームインスペクションが充実してきています。 ホームインスペクションのメリット ホームインスペクション利用のメリットを考えてみましょう。まず、住宅に欠陥や問題点がないか、専門家がチェックすることで安心して購入・居住することができます。そのため、欠陥住宅をつかまされるリスクが減ります。普通の内覧ではわからない、壁の裏側の配管類までチェックするので、安心感が違います。 また、購入後の修繕やメンテナンスについても、いつ頃、どこに、どのくらいのお金をかければよいかがわかります。 そのため、購入時の売り主との交渉でも、根拠を以て対応や値下げを求めることができます。それを売り主が受け入れるかどうかは別問題ですが、大きな論拠にはなるでしょう。 住宅の本質的な性能がわかる ホームインスペクションのメリットは、単に欠陥を見つけてくれるだけではありません。購入して住む場合、住宅の設備や構造などの本質的な性能がわかります。また、今後住むにあたってのアドバイスを専門家から受けられます。 マンション購入時にフラット35の利用を考えている場合は、ホームインスペクションを利用することで適用条件を満たすことができる場合もあります。ホームインスペクションの結果、耐震適合していることがはっきりすれば、その証明書をもらえるからです。 ホームインスペクションの費用は、会社によって異なりますし、マンションの規模でも違ってきますが、1件あたり5~6万円が相場です。かかる時間の目安としては、2~3時間程度です。 売主の協力が必要 マンション購入時にホームインスペクションを実施することの問題点は、売主の協力が必要である、という点です。そのため、実施する場合、購入申込みをした後がいいでしょう。 この段階では、ホームインスペクションの結果、問題が見つかれば違約金なしでキャンセルすることができます。 契約後にホームインスペクションを実施した場合、問題が見つかったときに契約を解除するには違約金が発生してしまいます。 購入申込みをする前に実施してもいいのですが、その段階では売り主が協力してくれない場合が多いでしょう。
- Advertisement -

Must Read

「晴海フラッグ」入居時期を1年程度延期へ

東京オリンピック・パラリンピックの選手村を改修して販売する大型マンション「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の入居時期が、1年程度延期されます。 2024年入居へ 東京オリンピック・パラリンピックの延期を受け、晴海フラッグを販売する三井不動産レジデンシャルなどは、入居時期を当初予定の2023年3月から1年程度延期する方針を固めました。入居時期は2024年になる見込みです。 同マンションは分譲と賃貸を合わせて5,632戸で、約1万2000人が居住する見込み。すでに分譲住宅4,145戸のうち940戸が販売済。東京オリンピック・パラリンピックの開催の延期を受け、現在はマンションの販売を中止しています。 オリンピック・パラリンピックの延期で東京都などが引き続き選手村を使用するため、引き渡しが1年程度遅れるとみられます。購入者への説明はすでに始まっています。補償については未定ですが、不動産会社に延期の責任はないため、最終的にどのような形になるかはわかりません。
- Advertisement -

中古マンションの建築年代別の特徴。マンションはこう進化した

中古マンションを買うときに気になるのは建築年代。「旧耐震」「新耐震」といったおおざっぱなくくりだけでなく、年代別の特徴と、マンションの進化について知っておきましょう。 1970年代 一般向けのマンション販売が本格化したのは、1970年代です。この頃は旧耐震構造で、コンクリートの床(スラブ)の厚さが12~15cmと、現在の標準(20cm)に比べて薄いものでした。この時代の物件は、今の物件に比べると、見た目にもコンクリートの貧弱さが伝わってくるものがあります。 直床、直天井が常識で、電気配線や照明器具のソケットはコンクリートに埋め込まれていました。配水管は下階の天井裏を通るのが一般的で、床の仕上げにはクッション材も入っておらず、遮音性も低くなっています。天井高は2.5m程度の物件が多く、躯体天井高と室内天井高が同じ、というのも珍しくありませんでした。 エアコンが一般的でない時代でしたので、外壁の吸気口やエアコン用のスリーブ(穴)がないのが一般的でした。火災報知器も法令で義務化されていない時代でしたので、竣功時は付いていませんでした。 間取りは「振り分け」といわれる2DKや3DKが主流。振り分けとは、キッチンやDKからそれぞれの居室への入口が分かれており、動線が各部屋に振り分けられている物件のことです。玄関を入るとキッチンがあり、その奥に居室が二つ並んでいる、というような間取りが多い時代でした。 1980年代 1980年代に入ると、間取りが多様化していきます。「田の字型」と呼ばれる現在も一般的な間取りが普及する一方、ワイドスパン、センターイン方式といったコストの高い間取りが高級マンションを中心に導入されていきます。設備面ではオートロックや住宅情報盤などが広まったのが、1980年代です。 構造面では、新耐震基準になり建物が頑丈になりました。スラブは18cm程度が標準的となり、配水管は自室の水回りの床下に通すようになりました。そのため、リビングとキッチン、お風呂に段差が生じることが多く、住戸内でのフルフラットは実現していません。 1990年代 1990年代は前半のバブル景気時と後半の不況時で特徴が異なります。バブル時は見た目を競うような物件が多く、室内に大理石を使うなど豪華な物件が流行しました。土地の高騰の影響で、専有面積は圧縮する傾向でした。狭い専有面積のなか、室内の見た目が広くなるように、苦肉の策としてクローゼットを設けなかったりといった、実用的には難のある物件も少なくありません。 その反省からか、1990年代後半になると、機能重視の物件が増えていきます。1990年代からは、見た目ではなく実際の居住面積が広くなり、間取りも多様化していきます。共用部も充実し、宅配ロッカーが標準化されたものもこの頃で、キッズルームや読書室などを設ける物件も出てきました。システムキッチンなど住宅設備も着実に進化していきます。 スラブ厚が20cmが標準的になったのも、1990年代後半です。バブル期のマンションよりも遮音性が重視されるようになりました。バリアフリーの重要性が認識されたのもこの時期からで、室内や共用部に段差のない物件が増えていきます。 一方で、この頃はまだ階高も低く、天井の小梁が室内にせり出したりといった圧迫感のある住戸も少なくありませんでした。二重床、二重天井が意識されるのも、もう少し後のことです。 2000年代 2000年代になると、マンションの品質が安定していきます。その理由は2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によるところが大きいです。同法では、構造耐力上主要な部分について売主による瑕疵担保責任が10年に延長されました。その結果、大手はもちろん、中小デベロッパーの物件でも、品質管理が徹底していきました。 スラブは20cmが標準的となり、22cmの物件も見かけるようになりました。室内の小梁をなくすボイドスラブの採用も増えていきました。二重床、二重天井も広まり、階高は3mが標準的になっていきます。住戸内の給水管が鉄管・先分岐工法から樹脂管のヘッダー工法に変わったのもこの頃からです。光回線などインターネット接続に対応した物件が増えてくるのも2000年代以降です。 2000年代は土地価格が低迷していて、バブルの不良債権処理でマンション用地の供給が多かった時代です。そのため、比較的低価格で高機能なマンションが建設された時期でもありました。 時代背景を理解したマンション購入を このように、マンションは建築時期によって特徴が異なり、当然新しいほど進化しています。品質管理という目に見えにくい部分も含めると、新しい物件のほうが品質が高い傾向にあるのは間違いありません。 中古マンションでは1970年代の物件が非常に安いですが、旧耐震という耐久性の問題に加え、給排水管をはじめとしたメンテナンスに不安があります。それに対し、新耐震となった1980年代後半以降の物件は、マンションの持続性にも一定の配慮がされています。 マンションの機能が大幅に上がったのは、1990年代後半からです。バリアフリーに配慮したマンションが普及するのもこの頃からです。そう考えると、永住目的でマンションを買うなら1990年代後半以降の物件がおすすめとなりますが、そのぶん、この時代以降の中古マンションは人気があり、立地のいい物件はとくに値下がり率が低くなっています。 このように、マンションの「築年数」は単に古さを示すだけではなく、建設された時代のトレンドも示しています。そうした時代背景を理解してマンションを購入するといいでしょう。

コロナショックでマンション価格はどう変わるか

コロナショックでマンション販売に急ブレーキがかかっています。景気の悪化にともない、販売価格も値下がりしていくのでしょうか。考えてみましょう。 マンション販売に急ブレーキ コロナショックで、新築分譲マンション販売に急ブレーキがかかっています。理由は簡単で、モデルルームなどでの対面販売が規制されたからです。また、景況感も急速に悪化してきており、先の見通しがわからない状況で、住宅ローンを組む人も減っており、それが分譲マンション販売に陰を落としています。 ここ数年、新築マンション価格は上昇をを続けてきました。不動産経済研究所によれば、2019年の首都圏分譲マンションの1戸当たりの平均価格は5,980万円、面積当たりの単価は87.9万円/m2に達しています。2012年は平均価格4,540万円、平均単価65万円/m2でしたので、7年間で約1.3倍の販売価格となり、平均単価は約1.4倍に上昇していることになります。 新築価格に引っ張られる形で、中古マンションの成約価格も上昇を続けてきました。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、2012年の中古マンションの平均成約価格は2,500万円、平均単価38万円/m2でしたが、2019年の平均成約価格は3,220万円、平均単価は53万円/m2と、いずれも1.4倍となっています。 不動産価格の「平均」は立地条件などを無視していますので、平均がすべてを表しているわけではありません。そういう前提ですが、ざっくりといってしまうと、7年前に5,000万円で買えていた新築マンションが7,000万円に。3,000万円で買えていた中古マンションが4,200万円になったわけです。恐ろしいばかりの値上がりです。 マンションは暴落しない しかし、ここへきて、「コロナショック」が不動産市況を襲っています。新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済の混乱で、景気はリセッション入りが確実視されています。マンションの販売価格にも影響を及ぼさずにはいられません。 ただ、過去の例を見てみると、リセッション入りした直後に不動産価格が暴落したケースというのは見当たりません。たとえばバブル経済がピークを付けた1990年以降も、不動産価格はある程度の値を保ちましたし、リーマンショックの時も同じです。新築に限っていえば、平均価格は1~2割程度下がることはあるものの、株のような大暴落にはなりません。 マンション価格がすぐに暴落しない理由はいくつかありますが、最大の理由はマンション価格は数年かかる一連のプロジェクトであり、景況感がすぐに反映されない、という点でしょう。土地の仕入れ値や建築費が高騰したなかで動き出したプロジェクトは、そうそう安値販売できないのです。 「買う人がいなければ値下げするしかないのでは?」という考えもあろうかと思います。それは確かにそうですが、実際は値下げするのではなく、供給を絞ることで調整をします。大手デベロッパーは経営体力がありますので、安値販売するくらいなら供給を絞って値を保つ道を選びます。新築マンションを必要としている人はいつでも一定数いるので、供給さえ絞れば値下げをする必要はなくなるのです。 かつては、中小のデベロッパーが運転資金ほしさに値下げすることもありました。しかし、最近の分譲マンションは大手デベロッパーがメインになっていて、経営体力に乏しい会社は少なくなっています。そうした事情もあり、新築マンションの投げ売りは構造的に生じにくくなっているという指摘もあります。 買い急ぐ必要はない 実は、「供給を絞る」という状況は、コロナショック以前から生じています。2019年頃からマンション市場は明らかな過熱感があり、発売戸数は減少してきているのです。どんどん上昇する価格に、買い手の需要がついていけず、契約率は低下傾向でした。 そうしたトレンドのなかで、コロナショックが起きたこともあり、新築マンション供給は絞られていくでしょう。価格的にも当面の天井をつけたといってよく、今後は緩やかに値下がりしていくでしょう。 とはいえ、新築マンションは適地が限られてきており、とくに都心など人気エリアでは、デベロッパーが売り急いでいる雰囲気は感じられず、値下げの情報も聞きません。 明らかな価格低下が起こるとすれば、郊外立地でしょう。郊外の新築分譲マンションは、買い急ぐ必要はありません。 また、今後、不動産の過熱感が収まった後に取得した土地が開発されるようになると、新築マンションの価格も下がっていくとみられます。それには短くても2~3年かかるでしょうから、じっくり待つといいいでしょう。どの程度下がるかは見通せませんが、立地によっては1割程度の値下がりはあり得るでしょう。 中古マンション特有の事情 一方、中古マンションの価格はどうでしょうか。中古マンション価格は新築マンション価格の影響を受けますが、まったく同じではありません。その理由はいくつかありますが、大きいのは住宅ローンの残債です。 マンションを売却する人の多くは住宅ローンの残債を抱えています。そのため、残債以上の価格で売ろうとし、そうでなければ売る判断を先送りします。結果として、築年数の新しいマンションほど値を保ちやすいのです。実際、リーマンショックの後も、築浅の中古マンション価格は大きくは下がりませんでした。 要するに、中古マンションが出回りやすいのは高く売れる景気のいいときで、逆に景気が悪くなると、「今売る必要はない」と考える人や、残債で売るに売れない人が抱え込むので、中古マンションの流通が絞られます。結果として、築浅中古マンションは供給が維持され、値下がりしにくくなるのです。 築年数の古い中古マンションに関しては、リフォーム済物件が増えていることが、価格が下がりくい理由となっています。業者がリフォームした物件は、買値より2割程度高く売られることが多く、結果として中古マンション価格を底支えしています。 もちろん、景気が悪くなれば、経済的な事情で状態のいいマンションを手放す人も出てきますので、手頃で良質な物件が出てきやすいタイミングでもあることは事実です。とくに、リセッションの入口は「早めに売っておこう」と考える人もいますので、質のいい物件の買い時ではあります。 ただし、いい物件はすぐ売れるのが中古マンションの特徴です。お目当てのエリアの情報には目を光らせておくといいでしょう。

マンションの杭基礎と直接基礎の違いとは?

建物を地面としっかり結びつけるのが「基礎」です。マンションの基礎は、大きく分けて「杭基礎」と「直接基礎」があります。 地盤が良ければ直接基礎 杭基礎とは、地面の深い位置まで杭を打ち込んで、マンション全体を支える基礎です。マンションの立つ地盤が軟弱でも、地下深くの固い地盤まで杭をのばして建物を支えるわけです。 直接基礎とは、マンションの建物全体を、直接地面で支える基礎です。マンションの建つ地盤が硬ければ、こうした直接基礎が使えます。直接基礎にもいくつか種類がありますが、マンションの直接基礎はおもに「ベタ基礎」と呼ばれる工法を使います。 逆にいうと、直接基礎のマンションは、地盤のよい立地だということでせす。 杭が長くていいことはない 日本の大都市は主に平野部にあり、平野部では地盤の良好な場所は限られます。そのため、多くのマンションは杭基礎で建てられています。とくに、湾岸地域の埋立地に立っているタワーマンションは、ほぼ100%が杭基礎です。埋立地の場合、硬い地盤は地下50m程度は掘り下げないと行き当たらないので、杭はかなり深いところに届いています。 杭基礎の杭は、長くていいことはありません。杭が長いほど折れやすくなりますので、より頑丈なものを作らなければならなくなり、建設費がかさみます。 そのため、マンションを買うならできれば直接基礎の物件がいいでしょう。ただ、直接基礎の物件は少ないですから、そこにこだわりすぎると買えるマンションは限られてしまいます。 杭基礎でも建物の安全性に問題はないのは、言うまでもありません。購入する場合は、できれば杭の短い物件がいいでしょう。基礎の深さは、販売時に「設計図書」を見ればわかりますし、わからなければ販売員に尋ねてみるといいでしょう。