新築マンションの価格は、どうやって決められるのでしょうか。通常は、売主の不動産会社(デベロッパー)が、マンション1棟ごとに、各住戸の販売価格をまとめて設定します。
最初に「売上総額」を設定
具体的には、まず、土地の購入価格に建物の設計費や建築費、販売費などのコストを積み上げ、そこに一定の利益を加え、マンション全体の「売上総額」を設定します。
次に、その売上総額を住戸の床面積の合計で割って、平均単価を算出します。この平均単価を基準に、階数の上下や方角、ルーフバルコニーや専用庭の有無などによって価格に差を付け、各住戸の値付けをしていきます。このとき、特定の住戸に人気が集まらないように配慮します。
さらに、周辺で競合する他社物件の価格や売れ行きも調査します。それによって、より強気にいくか、弱含みにするか調整します。周辺の中古物件の相場や売れ行きも参考にします。
値下げは最終手段
戸数が多い場合は、何回かに分けて分譲します。「第1期」「第2期第3次」などの分け方があります。第1期の売れ行きを参考に、後のほうの期では価格を設定し直すこともあります。
売れ行きが悪かったり、完成後も売れ残っている物件(完成在庫)では、値引きすることもあります。
値下げは、デベロッパーの利益を圧縮することですが、もちろんこれは、売り主としては最終手段で、どうしても売りさばけなかったときにしか行われません。
土地代が高かった場合は
マンションの価格のうち、土地代はすでに仕入れた物ですので、後から変更はできません。土地代が相場より高かった場合は、分譲価格を上げるか、建設費を圧縮するかの二者択一になります。
分譲価格を上げる場合は、マンションの仕様を豪華にして「高級マンション」として売り出したりします。ただし、これは立地が良くなければできないワザです。
建設費を圧縮する場合は、階高を下げたり、設備の仕様を下げたりします。立地が標準的なマンションでは、建設費を圧縮して販売価格を抑えるのが一般的です。