マンションの住宅性能表示の「5. 温熱環境・エネルギー消費量に関すること」では、建物の省エネルギー性能(断熱等性能等級)について評価します。4段階の等級が付けられていますが、どのような意味があるのでしょうか。解説しましょう。
ほとんどのマンションが新省エネ基準をクリア
住宅の省エネルギー性能は、高くなるほど冷暖房などの効率がよくなり、電力やガスの消費が少なくなります。光熱費が安くなって家計にやさしく、結露を防ぐことで建物の劣化も防げます。
住宅性能評価制度においては、省エネ性を「断熱等性能等級」として評価しています。評価は4段階に分かれてて、等級1は何も省エネ対策が取られていないレベル、等級2は昭和55年の旧省エネ基準のレベル、等級3は平成4年の新省エネ基準のレベル、等級4は平成11年の次世代省エネ基準のレベルです。
最近のデータでは、等級4が60%程度、等級3が30%程度です。ほとんどのマンションは等級3の新省エネ基準を満たしており、多くのマンションが等級4の次世代省エネ基準を満たしているわけです。これからは、等級4がスタンダードになるとみられますので、できるだけ等級4のマンションを選びましょう。
複層ガラスや樹脂サッシも重要
日本の国土は南北に長く、地域によって気象条件はかなり異なります。そこで、省エネルギー対策等級では、全国を6つのエリアにわけ、等級2から4の基準を変えています。
マンションの断熱方法としては、屋上のコンクリートの上に板状の断熱材を敷き、外壁のコンクリートには室内側から現場発泡の断熱材を吹き付けるの一般的です。省エネルギー対策等級で問題になるのは、この断熱材の厚さです。
断熱材にはいくつか種類があり、使う断熱材によって必要な厚さは異なりますが、壁については首都圏で「等級3」なら20~25ミリ、「等級4」なら30ミリ~35ミリの厚さが必要です。
窓も重要です。「等級3」や「等級4」を取得するには、断熱性能の高い複層ガラスやエコガラスを用いる必要があります。サッシも樹脂やアルミ・樹脂の複合タイプが望ましいでしょう。