マンションは立地が重要で、資産価値の8割は立地で決まるといってもいいでしょう。とはいうものの、立地だけでマンションを選ぶのもおすすめしません。
「旧耐震」は資産価値が低い
買ってはいけないマンションの筆頭格は「旧耐震」です。築年数の古いリノベーションマンションなどが該当します。
リノベーションとは、間取りまで変えるような大幅なリフォームのことです。リノベーションをすること自体は問題ないのですが、あまりに古いマンションは耐震性能が劣るため、資産価値が低いのです。
具体的には、1981年以前に完成したマンションは旧耐震ですから、立地が良くても資産価値の観点からは買うべきではありません。1982年~1984年頃に完成したマンションも、旧耐震のものが含まれることがありますので、確認しましょう。
耐震補強を行っている場合は?
旧耐震のマンションでも、耐震診断で新しいマンションと同程度の耐震性能を持つと診断されているものもあります。また、必要な耐震補強を行っていることもあり、大丈夫と判断されることもあります。
しかし、自分がそう判断しても、他人も同じように判断してくれるとは限りません。旧耐震というだけでマイナスのイメージを持ち、購入を避ける人もいるのです。そういう人が多いと、マンションの資産価値は低くなります。
こうした理由から、資産価値という側面でみると、やはり旧耐震はおすすめできません。
メゾネットはマンションの「メリット」を活かせない
また、メゾネット形式も、「買ってはいけないマンション」の一つです。メゾネット形式とは、マンションの区分住戸が二層に分かれていて、住戸内部に階段があるタイプのマンションです。一戸建てに似ているこということで、一時期人気が出ましたが、最近は減少しています。
なぜ、メゾネット形式は「買ってはいけない」のでしょうか。それは、マンションの「メリット」を活かしていないからです。
マンションの常識とは、床がフラットで、バリアフリーが徹底されている点です。新しいマンションの多くは、外部からロビーに入り、住戸の玄関を経て、リビング、各居室に至るまで、ほとんど段差がありません。なぜそうなっているかというと、そういう住戸を好む人が多いからです。
人間工学的にも、人は上下の移動よりも平面の移動を「ラク」と考えます。バリアフリーがメリットのマンションに、それを阻害する階段を持ち込む時点で、資産価値には不利に働きます。
そのため、中古マンション市場でも、メゾネットは売れにくいことが知られています。長屋形式のマンションも、同様な理由で避けた方がいいでしょう。
コーポラティブはイメージが見劣り
コーポラティブ形式のマンションも要注意です。コーポラティブとは、不動産会社が分譲するマンションを買うのではなく、個人が集まって一緒に土地を買い、建物のプランニングや工事の発注などを行うものです。
実際には設計事務所などの「プロ」が入ってコーディネートしますが、間取りや内装などを好みにあわせて自由に設計できるというメリットがあります。
こうしたマンションは、どうしても規模が小さくなり、全体で数戸~十数戸になってしまいます。そのため、管理費や修繕積立金が割高にならざるを得ません。
また、新しいうちはいいのですが、デベロッパー分譲のマンションに比べ、古くなるにつれてイメージが見劣りします。そのため、資産価値は低く見積もられがちで、中古で売却する際の下落率が低くなりやすいです。