分譲マンションを購入するとき、誰もが気にするのが専有面積。この専有面積の計算・表示方法には、「壁芯面積」と「内法面積」の2種類があります。この違いや面積の差について、わかりやすく説明していきましょう。
壁芯面積とは
分譲マンションの広告やパンフレットには、各住戸の専有面積が大きく表示されています。この面積は設計図面から計算されています。
設計図面では、建物の面積は壁や柱の中心を基準にします。これを「壁芯面積」(読み方:へきしんめんせき、または、かべしんめんせき)といいます。建築確認などもこの壁芯面積を使って、建物全体の面積や各階の面積を表示します。マンションに限らず一戸建てでも同じです。不動産広告やパンフレットにも、この壁芯面積が専有面積として表示されます。
内法面積とは
一方、不動産の権利関係を表示する登記簿では、これと異なる面積の計算方法が用いられます。壁の内側を基準とするもので、「内法面積」(読み方:うちのりめんせき)といいます。
分譲マンションで区分所有の対象となるのは、厳密には住戸の壁の内側部分、つまり壁や天井の仕上げの内側に限られます。したがって、権利関係のために表示する面積は、壁の内側を基準に表示するのです。
壁芯面積と内法面積の差は?
「壁芯面積」と「内法面積」を比較すると、壁の厚さの半分だけ内法面積のほうが狭いことになります。広告より実際の面積のほうが狭いなんて! と腹立たしく思う方もいるでしょうが、どちらも正しい面積であることに変わりありません。
壁芯面積と内法面積の差は、その各住戸の壁の長さによって異なります。おおざっぱにいえば、内法面積のほうが5%程度、壁芯面積よりも狭いです。壁芯面積(広告表示)が80平米なら、内法面積は76平米くらいと考えておけばいいでしょう。
50平米近辺の物件は要注意
注意が必要なのは、住宅にかかる税金の軽減措置などのなかに、「専有面積50m2以上」という条件を設けている場合が多いこと。この場合も専有面積は登記簿謄本の面積(内法面積)に依拠しますので、壁芯面積では53~55m2以上が必要になってくることが多いです。
面積50平米以上が対象となっている税金の軽減措置には、登録免許税(登記に関わる税金)、不動産取得税、所得税(住宅ローン控除)、湖底資産税など多数があります。
内法面積で50m2を上回るかどうかは、税金の優遇を受けるうえで、きわめて重要なので、この水準の住居を買う場合はとくに注意してください。登記簿上の面積(内法面積)をしっかり確認しましょう。