マンションの売買契約をしたら、その瞬間からあなたのものになるわけではありません。売買契約は「買いますよ」という約束にすぎません。残金決済→引き渡しと手順が進んでから、マンションは晴れてあなたの所有となります。その流れと、期間を解説しましょう。
残金決済をした日にカギをもらえる
マンションの売買契約を交わしたら「自分の家を手に入れた!」と早合点する人もいますが、そうではありません。その時点のマンションの登記は中古なら前の所有者のものですし、新築の場合はデベロッパーのものですので、そのマンションの部屋はあなたのものではありません。
残金決済で、購入額を全額支払うと、通常はその場でカギをもらえます。これが引き渡しです。この時点でマンションはあなたのものになります。つまり、残金を全額払う引き渡し日がカギをもらえる日となります。
ただし、引き渡しを受けても、その瞬間に登記変更されるわけではありません。引き渡し日には司法書士が登記処理をすることを約してカギが渡されるだけです。登記完了の報告が手元に届くのは数日後。その時点で、マンションは登記上もあなたが所有者になります。
引き渡し日は平日
物件の引き渡し日(残金決済日)は、売買当事者の話し合いで決められます。契約日から引き渡し日までの期間に、特段の定めはありません。新築マンションの場合は、引き渡し日は竣工後で、あらかじめ日程が明らかにされています。中古マンションの売買の場合は、契約後に住宅ローンの手続を行いますので、引き渡し日までは1ヶ月程度の時間がかかるのが通例です。
引き渡し日は銀行と法務局(登記所)が空いている日でなければなりませんので、原則でいえば平日の昼間に限られます。そして、売買双方の当事者本人が出向ける日でなければなりません。住宅ローンの正式な契約(金銭消費貸借契約)は、引き渡し日の数日前までに終わらせておきます。
引き渡し日には、実印を何度も押さなければなりません。また、不動産会社に注文をしたり尋ねたりする最後のチャンスです。残金決済を終えて、不動産会社に手数料を支払い終わると、担当者は「ありがとうございました」と言ってくれますが、その後は急に態度が冷たくなります。
不動産会社の担当者は、ノルマに追われていますので、終わってしまった契約には興味を失うのです。ですから、何か確認したいことや要求したいことがあるならば、引き渡し日までに全てを終わらせましょう。