少し前まで、日本人のマイホーム観は、「庭付き一戸建て」が理想とされていました。住宅購入の最終目標が庭付き一戸建て、というわけです。でも、最近はタワーマンションを好む人も大勢います。
どちらがいいのかは、購入者の好みやライフスタイルによります。でも、将来を見通して合理的に考えれば、タワーマンションが優れているでしょう。
庭付き一戸建てを新興住宅地で買うと?
庭付き一戸建ての最大の問題点は、広い面積を必要とすること。そうすると、便利な立地であればあるほど、価格はとんでもなく高くなります。お金持ちならいいでしょうが、そうでない人が庭付き一戸建てを買おうとすると、駅からバスに乗らなければならないような場所でしか買えません。
たとえば、丘の上の新興住宅地。そういうニュータウンに一戸建てを買う人も多いのですが、高齢になったときに住むのに不便です。30年も経てば、同じように不便を感じた近隣住民が駅チカのマンションに転居し始めたりして、新興住宅地は空き家が増えていきます。
そうすると、近くにあったスーパーが閉まり、バスの便も減らされます。徐々に地価も下落。売るに売れなくなって、生活も不便で困り果てる、というようなことが、実際に現在の日本で起きています。
タワーマンションは高齢者に優しい
それに比べれば、都心のタワーマンションは高齢者に優しいです。バリアフリーで、スーパーやコンビニも近くにあり便利。管理人が常駐し、ちょっとした用事が頼めます。やはり、年を取った人にとっては、タワーマンションはおすすめです。
「土地付きの一戸建てのほうが、マンションより資産価値がある」と信じている人もいます。でも、考えてみてください。ニュータウンの一戸建てと、駅チカのタワーマンション、どちらが売りやすいですか? 言葉を換えれば、どちらを買いたいと思う人が多いでしょうか?
当然、タワーマンションです。売りやすい資産のほうが価値があるのはいうまでもありません。
もちろん、人気沿線の駅チカに庭付き一戸建てを買えるなら、そのほうが価値があるでしょう。でも、そういう一戸建ては、億単位の価格がしますので、普通の人には現実的ではありません。
育児なら郊外の一戸建てもいいが
子育てをする場合は、都心部のタワーマンションよりは、緑の多い郊外の一戸建てがいい、という人もいるでしょう。
それは否定しませんが、資産として考えた場合、あるいは若いときや中高年になったときの住みやすさでは、タワーマンションのほうが有利です。要するに、年齢や生活様式によって、必要とする住居は異なる、ということです。
「郊外の庭付き一戸建てが理想」というのは、人生のワンシーンで思うこと。人生のタイミングに合わせて、住み替えていきましょう。