マンション選びで好みが分かれるのが「大規模マンション」か「小規模マンション」か。同じマンションと言っても大規模と小規模では設備や使い勝手に大きな差が出ます。それぞれの特徴と、メリット、デメリットをご紹介。
設備・サービス重視なら大規模マンション
まず、大規模マンションの特徴は、共用設備が充実していて、管理人も常駐すること。高コストな共用設備や人件費を大勢の住民でシェアするので、一人あたりにすると少額で人を雇ったりできるのです。フィットネスクラブやゲストルームを擁する大規模マンションもありますが、これも大規模ならではです。
小規模マンションでは、こうした共用設備を維持することはできませんし、管理人も常駐時間が制限されてしまいます。そのため、マンションに「共用設備やサービス」を期待する人は、大規模マンションがいいでしょう。
大規模マンションでは、共用スペースに庭や公園があり、ちょっとした散歩をしたり、子供を遊ばせたりすることができます。小規模マンションにはそういうものはありません。
中古市場でも、大規模マンションは人気があります。大規模マンションは管理がしっかりしているイメージがあるので、中古市場でも値崩れしにくいのです。
シンプルさなら小規模マンション
しかし、共用設備なんていらないし、管理人だって不要、とお考えの方もいるでしょう。そんな方は、無駄な管理費を払わなくていいシンプルな小規模マンションがおすすめです。
小規模マンションでは、管理組合の役員がしょっちゅう回ってくるという特徴があります。管理組合には、最低4人程度の役員が必要なので、40世帯のマンションで10年に1回。実際は、賃貸に出してしまってそのマンションに住んでない人が出てくると、さらに役回りは増えます。
役員は面倒ですが、そのぶん顔がわかるようになる、というメリットもあります。小さいマンションのほうが管理組合の意思統一がはっきりして、機動的に動けるという人もいます。また、居住者同士で知り合いになりやすいので、マンション内の人間関係も円滑になりますし、不審者の対応などの治安も良くなります。
小規模マンションのメリットとして、さまざまな動線が短い、という点も挙げられます。自転車置き場、駐車場、ゴミ捨て場などが近く、通勤・通学の動線上にあるので便利。また、エントランスと敷地出入り口まで近いので、道路に出るのもすぐ。エレベーターの待ち時間も短いです。マンション内の移動時間が少なくて済むのは、小規模マンションの魅力と言えます。
中古マンションの売りやすさについても、小規模マンションにはメリットがあります。というのも、大規模マンションは同時期に大量の購入者がいるため、中古で同じ築年数の同じ間取りの部屋が同時に売りに出されたりします。そのため、タイミングによっては、同じマンションの売り主がライバルになり、意外と高値で売りにくい場合もあります。小規模マンションでは、そういう可能性は低くなります。