マンションを買うときに、よく目にするのが「耐震構造」と「免震構造」。耐震マンション、免震マンションともいいますが、どういう仕組みで、どういう違いなのでしょうか。わかりやすく比較してみましょう。
建物自体の損壊を防ぐ目的に変わりなし
耐震構造とは、梁や柱など躯体を頑丈に作ることで、建物を地震に強くするものです。「地震に耐える頑丈な構造」と理解すればいいでしょう。
いっぽう免震構造とは、建物をゴムの上にのせることで衝撃を吸収し、地震の揺れを軽減するものです。「地震の揺れを免れる構造」と理解すればいいでしょう。地震が起こると、マンションの箱全体がそっくり揺れるので、建物に地震の力が伝わりにくくなります。
制震構造は、地震によって生じた揺れを打ち消す装置(ダンパー)を、建物に組み込んだ仕組みです。建物下部が左に揺れたら、建物上部は右に反って、建物全体の揺れを逃します。
耐震、制震、免震のいずれも、建物自体の損壊を防ぐことに変わりはありません。免震には、さらに「建物内の揺れを軽くする」という利点があります。免震の場合は、家具の店頭なども最小限に食い止めることができます。
免震が優れているが
そのため、3つのうちどれが一番優れているか、という視点で見ると、免震構造に軍配が上がります。しかし、そのぶん免震構造は価格がお高め。そのため導入しているマンションも一部にとどまります。
コストが安いのは耐震構造です。耐震構造でも、現在の法令に準拠したものならば、東日本大震災クラスの揺れにも耐えられます。