「年をとると家を借りにくくなるから、持ち家をかっておいたほうがいい」というアドバイスも聞くことがあります。これは本当なのでしょうか?
高齢者は部屋で亡くなる確率が高い
一般の賃貸住宅で高齢者が家を借りることは、正直言って難しいです。理由はいくつかありますが、高齢者は部屋で亡くなる確率が若者よりはるかに高いのが、最大の理由です。身もふたもない話ですが、高齢者が若年者より「死にやすい」のは人間の真実なので、こればかりはどうにもなりません。
大家さんの立場としては、部屋で人が死んだ場合、次に貸しにくくなります。そのため、大家さんは高齢者に部屋を貸すのをいやがるのです。
保証人の問題もある
また、高齢者は病気で入院する可能性も高いですし、入院すると長期になりやすく、部屋の管理も悪くなります。
そのほか、高齢者は収入が限られるので、家賃が滞ると回収できる見込みが少なく、かといって追い出すわけにもいきません。
こうした理由で、どうせ貸すなら若い世代か、せいぜい中年までがよく、年金生活のお年寄りは避けたい、というのが多くの大家の本音です。
高齢になるにつれ、保証人を捜しにくくなるという問題もあります。職のある子どもがいれば保証人になってくれるでしょうが、子どもいない方は、高齢になるにつれ保証人の問題で家を借りにくくなっていきます。
住む家が全くなくなることはない
とはいえ、最近は空き家が日本全国で増えていますので、借り手の付きにくいマンションなどでは、高齢者に貸してくれることも増えているようです。また、収入が少ないなら公営住宅に入ることもできます。ですから、高齢になって持ち家がなかったとしても、住む家が全くない、ということはありません。
ただ、住みやすい立地の質の高い住居を高齢者が借りるのは難しい、というのは事実ですし、今後も大きく変わる見込みはありません。住みやすいところに住み続けたいなら、終の棲家を自分で確保しておいたほうが安心です。