マンション購入は難しいものです。ですから、たった一度で理想のマンションを購入して、そこで一生住み続けるなんてことは、非現実的です。
昔は、「マイホームは一生に一度の買い物」などと言われましたが、人生のシーンによって、必要とする住宅環境は異なりますので、「マンション購入は一生に一度」などと考えずに、上手な住み替え戦略を立てて購入することをお勧めします。
独身時代は40平米の1LDK
まだ若くて独身の人の場合は、とにかく都心に近く便利な立地のマンションを狙います。立地が良ければ狭くてもいいので、40平米程度の1LDKでいいでしょう。ワンルームマンションは供給過剰で転売しにくくなってきたので避けます。
若いときは賃貸でもいいじゃない? と思うかもしれません。もちろん、賃貸でもいいのですが、値下がりしにくい立地のいいマンションを買えば、結果として賃貸よりも安い値段で住むことができます。
買うときは、できるだけ都心エリアで、将来売りやすいか、借り手が付きそうな物件に限ります。こうして購入したマンションは、結婚したり、子どもができたりしたら、買い換えで手放してしまっていいでしょう。
子供ができたら80平米の3LDKに
結婚、出産後の買い換え先は、育児と通勤を両立できる都心近接エリアで、70~80平米の3LDKです。子どもが成人するまで住むイメージで買うといいでしょう。
このとき、気を付けるべきなのは学区です。小学校はあまり気にしなくていいですが、中学校、高校でどんな学校があるかを確認しておきます。私立に通わせる場合は、通学しやすいエリアにいい学校があるかを確認しましょう。
リタイア後は60平米の2LDKに
次の買い換えは、子どもが大学に入学したり、独立したりしたタイミングです。子どもはやがて家から出て行くものですから、夫婦2人が残されます。リタイア後の夫婦2人なら、それほど広い面積は必要ありませんので、50~60平米くらいの2LDKにダウンサイジングするといいでしょう。
その際、大型病院に近い新築物件を狙います。なぜ新築を狙うのかというと、新築は建物や設備の老朽化を気にせずに暮らせるので、年を取ってから「建て替え」などに向き合わなければならなくなる可能性が低いからです。
「終の棲家」はいつ買うか
これが「終の棲家」です。要するに、終の棲家というのは、子どもが独立してから考えればいいのであって、30歳台や40歳台の段階では、そこまで考慮しなくていいでしょう。
独身時代、結婚・出産後、子供の独立後。この3タイミングにあわせて、必要なマンションに買い換えていけばいいのです。もちろん、育児中は一戸建てに住むのも選択肢です。