日本人は新築住宅好きです。その理由には諸説ありますが、日本は木造家屋が多く、住宅の寿命が20~30年程度と短いことなどから、より新しい住宅を好むようです。
しかし、マンションは木造住宅とは異なり、耐久性があります。以前は安普請のマンションもありましたが、近年は50年経っても問題ないような建物が増えていますし、そうした建物も取引されています。
となると、何もお高い新築マンションを買う必要はなく、中古でも十分という考え方もできるでしょう。その場合の、中古マンションの買い時はいつ頃まででしょうか。
理想は築7、8年
不動産を投資として考える場合、理想は築7、8年の物件を購入すること、と言われています。新築から7、8年経ったマンションは、適度に値段がこなれてきますし、建物の善し悪しがはっきりわかってくるので、欠陥住宅をつかみにくいというメリットがあります。
また、築20年くらいまでなら売りやすいので、10年ほど所有して売却した際のリターンを計算しやすい、という考え方もあります。こうした理由で、投資としては築7、8年のマンションが好まれるのです。
投資ではなく、自分の住まいとして考えた場合でも、築7、8年のマンションは魅力的です。上述したように、マンションの建物の不具合が現れ始めるタイミングがこのくらいですので、見た目だけでも問題のある躯体かどうかは判断できます。
管理組合の状況や、どんな住人が住んでいるかもわかります。マンションの状況がクリアになるのが、築7、8年ですから、「買って安心」なのです。
現実的には築10~20年が狙い目
ただ、現実には築10年未満の「築浅マンション」は、なかなか売りに出ません。新築を買った人は、割高と知った上で新築を買ったのですから、長く住むつもりで所有しており、簡単には手放しません。
新築で購入されたマンションが。ぼちぼち売り出され始めるのは築10年程度からで、築15年をすぎると売り物が増えてきます。逆にいうと、築10年未満のマンションは、なかなかレアで、それだけを狙っていると、中古物件といえどもなかなか購入できません。
現実的に狙いやすいのは、築10~20年くらいの「ちょい築浅マンション」でしょう。このくらいの築年数の物件は売り出しが多く買いやすいです。
また、マンションの躯体もまだしっかりしていますので、通常の建物なら、少なくともあと30~40年くらいは問題なく住めるはずです。価格も新築に比べればこなれており、狙い目でしょう。
築古は管理状況をみきわめる
築古物件はどうでしょうか。築古物件の定義はありませんが、だいたい「築25年以上」を指すことが多いです。築古物件といえども、新耐震基準以降に作られたマンションなら耐久性の不安は少ないです。手抜き物件は、築25年にもなると、はっきりと見た目で荒れているのがわかりますから、そういう物件をつかまされる可能性も低くなります。
ただ、築古物件を購入するなら、管理状況をみきわめることが大切です。修繕計画などをしっかり見て、修繕積立金がしっかり貯まっているかを確認します。また、管理組合が機能しているかどうかも判断材料に入れるべきでしょう。しっかりした管理のマンションなら、築古を安く買って再生するのも一つの楽しみになります。