室内リノベーション済みマンションが売れている理由の一つに、「リノベーションやリフォームを個人ですると、高くつく」という都市伝説があります。
こうした都市伝説を逆手にとって、リノベ業者は「プロは個人よりも安くリノベーションできるので、リノベマンションはお得だ」などと売り込むのです。
でも、本当に、リノベーションやリフォームは、素人が個人で行うと高くなるのでしょうか。
リノベ・リフォームの価格の中身
リノベーションやリフォームの値段は、おおざっぱにいって、以下の内容で構成されてます。
・設備費(ユニットバス、キッチン、フローリングなどの住宅設備)
・材料費(間取り変更をするときなどの木材など)
・人件費(職人さんの人件費)
・管理費(リノベーション業者の人件費)
・設計費(設計士が付く場合)
このうち、ユニットバスなどの住宅設備は、不動産業者が大量発注すれば、定価の半額程度で仕入れることもできます。ただ、個別のリノベでは大量発注できないので、せいぜい4割引~半額程度です。個人で購入しても、リフォームを依頼する業者を通せば3割引程度にはなりますので、それほど大差はありません。
それ以外のコストも、個人で発注したら高く付く、という性格のものではありません。要するに、個人でリフォームする場合も、リノベ済みマンションを買うのにも「業者の利益」をなるべく払わないのが、安く買うコツです。その意味で、リノベ業者の利益が乗っている中古マンションは、どうしても割高になるのです。
素人のリフォームが割高になる理由
ただ、素人のリフォームが割高になる理由もあります。まず、リノベ業者のかわりに「リフォーム業者」に依頼するのですから、その手数料がかかります。上記の「管理費」という分類です。これがだいたい5~12%程度かかります。大手リフォーム業者に依頼すると、この管理費が高いため、リノベ業者に頼むのと変わらない価格になったりします。
また、発注主(個人)はリノベ・リフォームに慣れていないので、工事が始まってから仕様変更をしたりします。途中で気が変わったり、大事なことに気づいたりするので、追加工事が発生し、価格が高くなってしまうのです。
逆にいえば、必要最小限のリフォームを手頃な業者に依頼して、念入りに検討して行えば、個人でリノベーション、リフォームしても、それほど高くはならないはずです。