基礎知識

住宅ローンの「三大疾病保障付き」や「八大疾病保障付き」のおすすめは? ローン免除の基準を確認しよう!

住宅ローンの契約を結ぶとき、加入が義務づけられるのが団体信用生命保険。最近はがん保障付きや三大疾病保障付き、八大疾病保障付きなども見かけるようになってきました。こうした保障付きローンはおすすすめなのでしょうか? 住宅ローンは「死んだらチャラ」 住宅ローンで加入が義務づけられる団体信用生命保険は、ローン返済者が死亡した場合や失明などの重病が回復不能になった場合に、ローン返済が免除になります。死んだらローンはチャラで、後に残された家族はそこに住み続けることができる、というわけです。 この団信は、銀行の住宅ローンでは加入が義務づけられますが、とくに保険料は不要。住宅ローンの費用のなかに含まれています。住宅金融支援機構の「フラット35」では別に保険料が必要で、金額は借入期間などにより異なりますが、借入1,000万円につき35,000円くらいです。 三大疾病保障特約とは? 最近増えている三大疾病保障特約付きは、死亡した場合だけでなく、がんや急性心筋梗塞、脳卒中といった重大な疾病にかかった場合に債務が免除になるという保障です。つまり、がん、急性心筋梗塞、脳卒中にかかったら、死んでなくてもローンがチャラになります。 三大疾病はがん、急性心筋梗塞、脳卒中ですが、これに加えて、高血圧、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎といった病気にかかった場合も、ローンがチャラになるという保障もあります。七大疾病保障特約、八大疾病保障特約などと名付けられていて、特約内容は銀行によって異なります。 こうした疾病保障特約は、ふつうの団信とは違って保険料が別途がかかります。その金額は銀行によって異なり、住宅ローン金利に加え+0.25~0.3%くらいが主流。1,000万円の住宅ローン債務につき、毎年2.5~3万円の保険料がかかることになります。 返済免除の条件を確認 これを高いとみるか安いとみるかは、具体的な保障内容によって違ってきます。 たとえば、がんといってもさまざまで深刻さも異なります。ある銀行では「上皮内ガン、大腸の粘膜内ガン、膀胱・尿路・乳管等で発生する非浸潤ガンなど、ガンが浸潤していない状態は、お支払の対象外となります」と書いています。つまり、がんになったら全てローン返済免除、というわけではありません。 とあるネット系の銀行では、8大疾病保障特約で「3つの特定疾病(がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中)または5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)により就業不能状態となり、その状態となった日からその日を含めて12ヵ月を経過した日の翌日午前0時までその状態が継続した場合」のみ、ローン返済が免除になる、とあります。 就業不能状態が12ヶ月も続いていて、その後回復するというのはなかなか想像しづらいです。ほとんどの場合、就業不能状態が12ヶ月も続けば、命に関わってしまうでしょう。あまりいい書き方ではありませんが、就業不能が12ヶ月も続けば、多くの場合「重病が回復不能」か、死ぬことになるので、ふつうの団信でもケアされるわけです。 実際、あなたの身近に、12ヶ月間休職して、その後回復した人がいますか? そのくらいレアなケースのみ保障するので、保険としてはアテにしないほうがいいでしょう。 ということで、三大疾病保障特約や八大疾病保障特約については、あまりおすすめしません。どうしても入りたい人は、もう少し保障の範囲が広い医療保険に、別で加入した方がいいでしょう。

家賃並みでマンションを買えるのか?

マンション販売のチラシを見ると、「家賃並みの返済額でマンションが買えます!」なんて表現に出会うことがあります。この言葉に心を動かされる人も多いのですが、はたして本当なのでしょうか。 家賃並みの支払いでも家は買える 実際に、家賃並みの住宅ローン返済額で家を買うことはできなくはありません。しかし、チラシには以下のような「カラクリ」が含まれていますので注意しましょう。 カラクリ1 返済期間が35年で設定されている 住宅ローンは、返済期間が長くなるほど、毎月の返済額が減ります。住宅ローンの最長は35年ですので、35年返済にすれば毎月の返済額は非常に小さくなります。3500万円の住宅ローンを借りて、仮に利子がゼロとすれば、毎年100万円ずつ返せばいいことになります。すると毎月8万円程度で、家賃並みの返済額になります。 カラクリ2 ボーナス返済が設定されている カラクリ1の「35年ローン」で、さらに「ボーナス返済」まで盛り込めば、さらに毎月の返済額がちいさくなります。上記の例で、「ボーナス時25万円返済」と設定すると、毎月の返済額はさらに半減。利子を考慮しなければ、計算上は毎月の返済額はたった毎月4万円程度になります。。 カラクリ3 変動型金利で設定されている カラクリ1、2の「35年ローンでボーナス払い」で、さらに金利を低く見積もります。それが「変動型金利」です。現在の変動型金利は年1%未満ですから、月々の返済額も少なく抑えられます。上記の例なら、「3500万円を借りても、月々5~6万円の返済額」になることでしょう。たしかに、「家賃並みの返済額」といえますね。 落とし穴はありまくりです! さて、上記の「カラクリ1、2、3」を読んで、「そんなのあり得ないじゃん」と気づいた方は、もうこの下を読む必要はありません。気づかなかった人は、きちんと読んでください。 「家賃並み」という言葉にご用心 まず、返済期間35年というのは、30歳でローンを組んだとしても、返済終了が65歳です。40歳で組んだら75歳です。ということで、30歳であっても定年後までローン返済が残ることになりますので、非現実的です。 つぎに、ボーナス返済を設定すると、勤務する会社の業績が傾いたときに悲劇が起こります。ボーナスは、極端な話ゼロになることもあります。それに、家賃には「ボーナス払い」はありませんよね? なら、住宅ローンを「家賃並み返済」というのなら、ボーナス払いを計算に入れるのはおかしなはなしです。 最後に、変動金利型の場合、現在は金利が低くても、将来は金利が跳ね上がる可能性があります。現在1%で借りても10年後には10%になっているかもしれません。そうすると、利子の支払いが10倍にもなるのです。そのとき、金利負担に耐えられるかはわかりません。 変動金利がいけないとはいわないですが、35年もの長期ローンでは避けるべきです。長期ローンの場合は、全期間固定金利で計算しましょう。そうなると、金利は変動金利の3~4倍になるはずです。 つまり、「35年変動金利のボーナス払い」の住宅ローンで計算して「家賃並み」といっても、信じてはいけません。せいぜい、「25年固定金利3%ボーナス払いなし」程度の前提で計算したものでなければ、「家賃並み」という言葉に説得力はありません。

住宅ローンの選び方の3つのポイント。初心者向けに基礎から解説

住宅ローンを選ぶとき、ポイントとなるのは「金利」「諸費用」「返済方法」です。住宅ローンの選び方とは、この3つのポイントの選び方と言い換えることもできます。初心者向けに基礎から解説しましょう。 固定金利か変動金利か 住宅ローンを選ぶときに、多くの人が真っ先に注目するのは金利です。もちろん、金利は安いに越したことがないのですが、それだけで決めるわけにもいきません。「金利タイプ」にも注目しましょう。 金利タイプは2つあります。一つは固定金利型で、返済期間中金利がずっと変わらないものです。もう一つは変動金利型で、こちらは返済期間中に金利が変わることがあります。 固定金利と変動金利を比べると、固定金利のほうが金利(利率)は高くなっています。ですから、目先の金利を低くしたいなら変動金利を選びます。しかし、変動金利は、たとえば最初は1%だったのに、返済期間中に5%くらいになる可能性もあります。そうしたら、金利負担は5倍になり、返済が苦しくなります。そんなリスクがあるのが変動金利型です。 固定金利は金利変動リスクはありませんが、そのぶん、金利はもともとやや高めです。しばらく低金利が続くと考えれば変動金利、将来的に金利が上がっていくと考えれば固定金利を選ぶ、というのが基本的な考え方です。 とはいうものの、将来の金利動向を予測するのはプロでも難しいのも事実。そのため、実際には、返済余力の大きい方、万一金利が急騰した場合に繰り上げ返済などが可能な方は、変動金利を選びます。 一方、返済余力に乏しく、一杯一杯で借りる人は、固定金利にしましょう。そのほうが、万一の金利変動時に破綻を防げます。 諸費用は繰り上げ返済手数料に注目 住宅ローンを借りるときは、さまざまな諸費用がかかります。代表的なのは保証料、さらに融資実行の手数料、そして保険料等です。なかでも、保証料は負担が多いので、きちんと確認しておきます。大手銀行ではこれらの諸費用は横並びなのであまり気にしなくていいですが、ネット銀行では保証料の金額にはばらつきがあります。 繰り上げ返済の手数料についても、各金融機関で異なります。最近はネットを使えば無料、という銀行が多いですが、固定金利では有料にしている会社もあります。繰り上げ返済を考えている人は、手数料がかからない形で気軽に繰り上げ返済できる銀行を選ぶといいでしょう。 元利均等返済か元金均等返済か 最後の返済方法は、おもに「元利均等返済」か「元金均等返済」かです。元利均等返済は、毎月同じ金額を返済していく方法です。つまり、ローンの返済額は毎月同じです。一般的には、元利均等を選ぶ方が多いです。 一方、元金均等返済は、同じ元金を毎月返済していく、という形です。元金は返済するにつれ減っていくので、月を追うごとに金利も減っていきます。そのため、元金均等返済は、最初の返済時に返済額が最も多く、毎月ローン返済額が少なくなっています。 ローンを実行した直後のお金のないときに、一番返済額が多いので、余力のある方以外には選びにくい返済方法です。そのため、元金均等返済を選ぶ人は多くはありません。ただ、元本が毎月一定額減っていくというのは、家計リスク管理上は優れているので、あえて元金均等返済を選ぶ人もいます。

資産価値を保ちやすいマンションとは? 駅から近くて日当たりが良いのが大事!

マンションを購入するとき、大切にしたいのが資産価値。自分が「このマンションは素晴らしい!」と思っても、他人から見て「今ひとつ」と思われたら、資産価値は高くなりません。自分の価値観とともに、第三者の価値観も大切にしておきましょう。 マンションの資産価値とは? マンションの資産価値とは、売却時や賃貸時にどの程度の値が付くかを指します。資産価値の高いマンションとは、買いたい人が多いマンション。あるいは、借りたい人が多いマンションです。 買いたい人が多ければ、マンションの値段が上がります。借りたい人が多ければ、高い値付けで賃貸に回せます。東京都港区のマンションの資産価値が高いのは、買いたい人、借りたい人が多いからです。 同じマンションでも、新築のほうが資産価値が高いです。駅からの距離は遠いよりは近い方がいいでしょう。周辺環境は騒がしいよりも静かなほうがよく、もちろん治安がいいエリアほど資産価値は高くなります。 このように、マンションの資産価値を構成する要素はたくさんあります。さまざまな要素が複雑に絡み合って、マンションの資産価値を構成していきます。 資産価値の構成要素 マンションの資産価値を形作る主な要素を挙げてみましょう。 1 駅からの距離(近い方が価値が高い) 2 駅の利便性(人気路線や急行停車駅ほど価値が高い) 3 町並み(高級住宅地や、利便性のいい商業地は価値が高い) 4 広さ(広い方が価値が高い) 5 間取り(使いやすいか、採光がよいかなど) 6 日当たり(南向きが価値が高い場合が多い) 7 眺望(海が見える、夜景がきれいなど) 8 管理(清掃が行き届いているか、積立金が足りているかなど) 9 分譲会社(大手デベロッパーを好む人は多い) 10 建設会社(大手ゼネコン施工を好む人は多い) 11 共有施設(施設によって評価は変わる) このほかにも、たとえば駐車場がどれだけあるか、立体駐車場か平面駐車場か、といったことや、ディスポーザーの有無、宅配ロッカーの数、共有施設、管理人の常駐時間など、細かなことが影響していきます。 一つ一つの要素は小さなことに見えても、こうした要素がすべて優れているマンションは、値段が高くても売れていきますし、賃貸に出したら借り手がつきやすいです。つまり、小さな積み重ねが資産価値を形成していくのです。 なぜ資産価値が大事なのか 自分が気に入れば、資産価値なんてどうでもいい、と思う人もいるでしょう。しかし、予期せぬ転勤や、子どもの教育、親の介護などで、引っ越しを余儀なくされることはあります。その場合、資産価値の高いマンションなら売ることも容易ですが、資産価値が低いとそうはいきません。 そのため、買うのなら、マンションの立地から管理に至るまで、資産価値という観点からきちんとチェックすることが大事なのです。 最も大事なのは立地 とはいうものの、資産価値でもっとも大事なのは、立地です。人気路線の人気駅から徒歩圏内のマンションなら、ほかの要素が全部いまひとつでも、それなりの資産価値になります。逆に、他の要素がすべて素晴らしくても、鉄道駅から離れた不便な立地だと、資産価値には限界があります。 あるいは、駅から少し離れていても、東京都港区や鎌倉市、京都市中京区といった、ブランド価値の高いエリアは、やはり資産価値は高くなります。一方、駅から近くても、ブランド価値の低いエリアは、資産価値が低くなります。 日当たりは立地についで大事です。日当たりのいい南向きのマンションは需要が多いので、資産価値が高くなります。南向きでなくても、眺望がいいマンションは評価が高いです。タワーマンションの上層階では南向きが暑いから敬遠される、などの例外はありますが、おおむね南向きで日当たりが良く、眺望も開けているマンションが資産価値が高いでしょう。 駅から近くて日当たりのいい物件を買っておくことが、何より大事といえます。 大手分譲は資産価値が高い? 分譲会社や建設会社の名前は、新築販売時には値段に影響しますが、中古市場ではそれほど大きな価値を持ちません。大手デベロッパーで有名ゼネコン施工の中古マンションが売りやすいのは確かですが、立地がよければ、分譲会社の名前など関係なく売れます。逆に、「大手分譲だから中古でも売れる」ということは、あまり考えられません。 共有施設は充実しているほうが良いですが、そのぶん管理費が高くなるなら、マイナス要素になるケースもあります。ジャグジーやスポーツジムがマンション内にあった場合、「余計なコストがかかる」と敬遠されることもあります。ゲストルームやキッズスペース程度なら、あったほうが資産価値は上がるでしょう。

「子どもを産む前に家を買うべきではない」は本当か? 家族構成が確定する前の購入リスクを検討する

「マンションを買うなら、子どもを産み終わり、家族構成が最終決定してからがいい」という意見があります。これは本当なのでしょうか? 子どもが何人産まれるかを待っていたら、かなり年をとってしまうかもしれません。 家計の逼迫がリスクに 子どもが産まれて、新しい家族が増えると、そのぶん広い家に住みたくなるものです。ですから、家族構成が最終決定する前に家を買ってしまうと、新しい家族が産まれたときにまた家を買い直さなければならなくなる可能性があります。 ただ、家計に余力があれば、家を買い直すこと自体は大きな問題ではありません。問題は、家を買い直すことができないくらい、家計が逼迫してしまう可能性があることです。 というのも、子どもが産まれる前の家計というのは、長い人生においてもっともゆとりがあります。その事実に気づかないで、子どもがいない状態の経済状態を前提に家を買ってしまうと、あとで住宅ローンの返済に苦しむことがあるのです。 子供が増えていくと家計に余裕がなくなる 子どもが産まれると、それまでかからなかった家計支出が生じます。おむつ代、ミルク代から始まって、教育費や食費は年齢が上がるにつれかさんでいきます。1人だけなら耐えられても、2人、3人と子ども増えていくと、食べさせていくだけでやっと、ということになりかねません。 また、夫婦二馬力で働いている人は、その収入を前提に住宅を買う場合があります。でも、子どもが産まれたら妻が仕事を続けるのは大変ですし、1人ならまだしも、2人、3人となると、仕事と家庭の両立は難しくなります。そうなると、二馬力前提の住宅ローン返済計画は破綻してしまいます。 その意味でも、やはり家族構成が固まり、将来の家計収入の見通しが立ってから家を買った方が確実性は高いといえます。 一馬力で返せるローンを組めばいい とはいえ、上記のことをすべて勘案したうえで、家族構成が固まる前にマンションを買うという選択肢も、もちろんあります。夫の収入だけで返せる範囲の金額でローンを組み、子どもが2人いても大丈夫なくらいの広い家を買えるなら問題ないともいえるでしょう。 家を買うなら、若いときに買ったほうが有利な点が多いのも、また事実です。返済計画と面積に十分余裕を持ったマンションなら、子供が生まれる前に買ってしまってもいいでしょう。狭いマンション、高すぎるマンションを避ければいいだけです。

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お金と税金

家賃並みでマンションを買えるのか?

マンション販売のチラシを見ると、「家賃並みの返済額でマンションが買えます!」なんて表現に出会うことがあります。この言葉に心を動かされる人も多いのですが、はたして本当なのでしょうか。 家賃並みの支払いでも家は買える 実際に、家賃並みの住宅ローン返済額で家を買うことはできなくはありません。しかし、チラシには以下のような「カラクリ」が含まれていますので注意しましょう。 カラクリ1 返済期間が35年で設定されている 住宅ローンは、返済期間が長くなるほど、毎月の返済額が減ります。住宅ローンの最長は35年ですので、35年返済にすれば毎月の返済額は非常に小さくなります。3500万円の住宅ローンを借りて、仮に利子がゼロとすれば、毎年100万円ずつ返せばいいことになります。すると毎月8万円程度で、家賃並みの返済額になります。 カラクリ2 ボーナス返済が設定されている カラクリ1の「35年ローン」で、さらに「ボーナス返済」まで盛り込めば、さらに毎月の返済額がちいさくなります。上記の例で、「ボーナス時25万円返済」と設定すると、毎月の返済額はさらに半減。利子を考慮しなければ、計算上は毎月の返済額はたった毎月4万円程度になります。。 カラクリ3 変動型金利で設定されている カラクリ1、2の「35年ローンでボーナス払い」で、さらに金利を低く見積もります。それが「変動型金利」です。現在の変動型金利は年1%未満ですから、月々の返済額も少なく抑えられます。上記の例なら、「3500万円を借りても、月々5~6万円の返済額」になることでしょう。たしかに、「家賃並みの返済額」といえますね。 落とし穴はありまくりです! さて、上記の「カラクリ1、2、3」を読んで、「そんなのあり得ないじゃん」と気づいた方は、もうこの下を読む必要はありません。気づかなかった人は、きちんと読んでください。 「家賃並み」という言葉にご用心 まず、返済期間35年というのは、30歳でローンを組んだとしても、返済終了が65歳です。40歳で組んだら75歳です。ということで、30歳であっても定年後までローン返済が残ることになりますので、非現実的です。 つぎに、ボーナス返済を設定すると、勤務する会社の業績が傾いたときに悲劇が起こります。ボーナスは、極端な話ゼロになることもあります。それに、家賃には「ボーナス払い」はありませんよね? なら、住宅ローンを「家賃並み返済」というのなら、ボーナス払いを計算に入れるのはおかしなはなしです。 最後に、変動金利型の場合、現在は金利が低くても、将来は金利が跳ね上がる可能性があります。現在1%で借りても10年後には10%になっているかもしれません。そうすると、利子の支払いが10倍にもなるのです。そのとき、金利負担に耐えられるかはわかりません。 変動金利がいけないとはいわないですが、35年もの長期ローンでは避けるべきです。長期ローンの場合は、全期間固定金利で計算しましょう。そうなると、金利は変動金利の3~4倍になるはずです。 つまり、「35年変動金利のボーナス払い」の住宅ローンで計算して「家賃並み」といっても、信じてはいけません。せいぜい、「25年固定金利3%ボーナス払いなし」程度の前提で計算したものでなければ、「家賃並み」という言葉に説得力はありません。

コロナショックでマンション価格はどう変わるか

コロナショックでマンション販売に急ブレーキがかかっています。景気の悪化にともない、販売価格も値下がりしていくのでしょうか。考えてみましょう。 マンション販売に急ブレーキ コロナショックで、新築分譲マンション販売に急ブレーキがかかっています。理由は簡単で、モデルルームなどでの対面販売が規制されたからです。また、景況感も急速に悪化してきており、先の見通しがわからない状況で、住宅ローンを組む人も減っており、それが分譲マンション販売に陰を落としています。 ここ数年、新築マンション価格は上昇をを続けてきました。不動産経済研究所によれば、2019年の首都圏分譲マンションの1戸当たりの平均価格は5,980万円、面積当たりの単価は87.9万円/m2に達しています。2012年は平均価格4,540万円、平均単価65万円/m2でしたので、7年間で約1.3倍の販売価格となり、平均単価は約1.4倍に上昇していることになります。 新築価格に引っ張られる形で、中古マンションの成約価格も上昇を続けてきました。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、2012年の中古マンションの平均成約価格は2,500万円、平均単価38万円/m2でしたが、2019年の平均成約価格は3,220万円、平均単価は53万円/m2と、いずれも1.4倍となっています。 不動産価格の「平均」は立地条件などを無視していますので、平均がすべてを表しているわけではありません。そういう前提ですが、ざっくりといってしまうと、7年前に5,000万円で買えていた新築マンションが7,000万円に。3,000万円で買えていた中古マンションが4,200万円になったわけです。恐ろしいばかりの値上がりです。 マンションは暴落しない しかし、ここへきて、「コロナショック」が不動産市況を襲っています。新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済の混乱で、景気はリセッション入りが確実視されています。マンションの販売価格にも影響を及ぼさずにはいられません。 ただ、過去の例を見てみると、リセッション入りした直後に不動産価格が暴落したケースというのは見当たりません。たとえばバブル経済がピークを付けた1990年以降も、不動産価格はある程度の値を保ちましたし、リーマンショックの時も同じです。新築に限っていえば、平均価格は1~2割程度下がることはあるものの、株のような大暴落にはなりません。 マンション価格がすぐに暴落しない理由はいくつかありますが、最大の理由はマンション価格は数年かかる一連のプロジェクトであり、景況感がすぐに反映されない、という点でしょう。土地の仕入れ値や建築費が高騰したなかで動き出したプロジェクトは、そうそう安値販売できないのです。 「買う人がいなければ値下げするしかないのでは?」という考えもあろうかと思います。それは確かにそうですが、実際は値下げするのではなく、供給を絞ることで調整をします。大手デベロッパーは経営体力がありますので、安値販売するくらいなら供給を絞って値を保つ道を選びます。新築マンションを必要としている人はいつでも一定数いるので、供給さえ絞れば値下げをする必要はなくなるのです。 かつては、中小のデベロッパーが運転資金ほしさに値下げすることもありました。しかし、最近の分譲マンションは大手デベロッパーがメインになっていて、経営体力に乏しい会社は少なくなっています。そうした事情もあり、新築マンションの投げ売りは構造的に生じにくくなっているという指摘もあります。 買い急ぐ必要はない 実は、「供給を絞る」という状況は、コロナショック以前から生じています。2019年頃からマンション市場は明らかな過熱感があり、発売戸数は減少してきているのです。どんどん上昇する価格に、買い手の需要がついていけず、契約率は低下傾向でした。 そうしたトレンドのなかで、コロナショックが起きたこともあり、新築マンション供給は絞られていくでしょう。価格的にも当面の天井をつけたといってよく、今後は緩やかに値下がりしていくでしょう。 とはいえ、新築マンションは適地が限られてきており、とくに都心など人気エリアでは、デベロッパーが売り急いでいる雰囲気は感じられず、値下げの情報も聞きません。 明らかな価格低下が起こるとすれば、郊外立地でしょう。郊外の新築分譲マンションは、買い急ぐ必要はありません。 また、今後、不動産の過熱感が収まった後に取得した土地が開発されるようになると、新築マンションの価格も下がっていくとみられます。それには短くても2~3年かかるでしょうから、じっくり待つといいいでしょう。どの程度下がるかは見通せませんが、立地によっては1割程度の値下がりはあり得るでしょう。 中古マンション特有の事情 一方、中古マンションの価格はどうでしょうか。中古マンション価格は新築マンション価格の影響を受けますが、まったく同じではありません。その理由はいくつかありますが、大きいのは住宅ローンの残債です。 マンションを売却する人の多くは住宅ローンの残債を抱えています。そのため、残債以上の価格で売ろうとし、そうでなければ売る判断を先送りします。結果として、築年数の新しいマンションほど値を保ちやすいのです。実際、リーマンショックの後も、築浅の中古マンション価格は大きくは下がりませんでした。 要するに、中古マンションが出回りやすいのは高く売れる景気のいいときで、逆に景気が悪くなると、「今売る必要はない」と考える人や、残債で売るに売れない人が抱え込むので、中古マンションの流通が絞られます。結果として、築浅中古マンションは供給が維持され、値下がりしにくくなるのです。 築年数の古い中古マンションに関しては、リフォーム済物件が増えていることが、価格が下がりくい理由となっています。業者がリフォームした物件は、買値より2割程度高く売られることが多く、結果として中古マンション価格を底支えしています。 もちろん、景気が悪くなれば、経済的な事情で状態のいいマンションを手放す人も出てきますので、手頃で良質な物件が出てきやすいタイミングでもあることは事実です。とくに、リセッションの入口は「早めに売っておこう」と考える人もいますので、質のいい物件の買い時ではあります。 ただし、いい物件はすぐ売れるのが中古マンションの特徴です。お目当てのエリアの情報には目を光らせておくといいでしょう。

財形って役に立つの? サラリーマンの頭金作りの王道だけれど、低金利下では意味がない。

サラリーマンの方なら、会社に「財形」の制度がある人も多いでしょう。「財形住宅貯蓄」という名称で、住宅取得に関するお金を貯める場合に、一定金額まで利子が非課税になるものです。昔は、マンションなどを購入するときの頭金作りの王道とされました。 が、今でも役に立つのでしょうか? 目的別に3つの財形 財形とは、勤労者財産形成貯蓄制度のこと。サラリーマンの勤務先が、銀行などと提携して、給与やボーナスから天引きでお金を貯蓄してくれる制度です。 財形は目的別に3種類あります。「住宅」「年金」「その他」です。それぞれ「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」「一般財形貯蓄」という名称です。 財形の最大のメリットは、利子が元利合計で550万円まで非課税である、という点。普通の預貯金では利子に20%の税金がかかりますが、住宅財形と年金財形は、合算して元利550万円まで非課税になるのです。 また、住宅財形の場合、財形貯蓄を1年以上継続して、積立金額が50万円以上になると、積立金額の10倍(最高4000万円)まで、住宅取得に必要なお金を低利で借りることができます(全体の80%まで)。これを「財形住宅融資」といい、財形のメリットとされてきました。 金利が高ければ有利だが 金利が高い局面なら、住宅財形はなかなか有利な制度です。ただ、現在のような低金利下では、正直、それほどメリットはありません。利子に課税されないといっても、低金利では利子自体が非常に少ないので、課税されてもされなくてもせいぜい数十円や数百円の差にしかなりません。銀行の定期預金と比べて、大差ありません。 財形住宅融資にしても、最近は銀行の10年固定金利よりも金利が高かったりします。となると、金利面や税金面から財形の優位性は失われてきているのが実情です。 貯められない人にはいい制度 あとは、給与天引きをどう考えるかです。給与から一定金額が毎月差し引かれて貯蓄に回されるというのは、お金を貯めるにはいい制度でしょう。貯蓄が苦手な人には素晴らしい制度といえなくもありません。 でも、自分で計画的に貯められる人にはどうでもいい話ですし、財形は、いざ使うときに、お金を引き出す手続きがちょっと面倒というデメリットもあります。自動的に積み立てるなら、銀行の積立貯金でも似た効果が得られます。 ということで、現在の低金利下において、住宅財形は銀行の定期預金と比べて大きなメリットはありません。財形が無駄だとはいいませんが、銀行の積立貯金のほうが使いやすくて便利でしょう。

マンション購入のリスクと、リスク軽減方法を考える

マンション購入にはさまざまなリスクがあります。もっとも大きいのが値下がりリスク。そのほか、地震リスクもありますし、欠陥マンションをつかまされるのもリスクといえるでしょう。ここでは、そうしたマンションのさまざまなリスクを考えてみましょう。 最大のリスクは「値下がり」 マンション最大のリスクは「値下がり」です。たとえば、4000万円のマンションを購入して、20年後に2000万円でしか売れなかったら、20年で2000万円も値下がりしたことになります。1年あたり100万円。毎月9万円ほどです。 マンションを所有すれば管理費や修繕積立金がかかりますし、固定資産税も課されます。住宅ローンを組んでいれば、その利子もかかるでしょう。それらをあわせて月4万円と仮定すると、さらに960万円も支出していたことになりますので、そのマンションのために、3,000万円近い支出を出したことになります。 もし、同等のマンションを月10万円で借りることができていたならば、20年で2,400万円です。つまり、マンションを購入することで、20年で600万円も「損」を出したことになります。 マンションを購入すると、こうした「損害」を被る可能性があります。これがマンション購入のリスクです。 自然災害もリスク そのほかのリスクとしては、自然災害があげられます。大地震でマンションが崩壊することもありますし、大雨で洪水に襲われる可能性もあります。東日本大震災では、震源から遠く離れた首都圏でも液状化被害があり、マンションの価値が大きく損なわれました。 災害でなくても、欠陥マンションをつかまされるリスクもあります。建て替えにならないような小さな欠陥でも、それがあるために売却できなくなることもありえます。 マンションの立地や構造によっても生活面のリスクが生じることもあります。エレベータのないマンションなら、高齢になったときに住みにくくなるリスクがあります。駅までのバスが廃止になったり本数が減ったりして、利用しにくくなるリスクもあるでしょう。近所のスーパーが閉店することだってリスクです。 相続のリスクもあります。相続時に分割できないマンションは、相続人同士の争いを招く可能性があります。 リスクを小さくするには? こうしたリスクをゼロにすることはできませんが、小さくすることは可能です。それは、資産価値の高いマンションを購入することです。 では、資産価値の高いマンションとはどういうマンションでしょうか。資産価値にはさまざまな側面や考え方がありますが、マンションの資産価値のほとんどは立地で決まります。つまり、立地のいいマンションを買えばいいのです。 立地のいいマンションなら、不要になったときに売りやすいですし、地震などの自然災害を受けたとしても買い手がつくものです。立地のいいマンションは、地震で崩壊しても、区分所有権の売買でそれなりの値が付くくらいです。 こうして考えると、マンションを購入するときに「立地のいい物件を選ぶ」ということがいかに重要かがおわかりいただけると思います。

資産価値を保ちやすいマンションとは? 駅から近くて日当たりが良いのが大事!

マンションを購入するとき、大切にしたいのが資産価値。自分が「このマンションは素晴らしい!」と思っても、他人から見て「今ひとつ」と思われたら、資産価値は高くなりません。自分の価値観とともに、第三者の価値観も大切にしておきましょう。 マンションの資産価値とは? マンションの資産価値とは、売却時や賃貸時にどの程度の値が付くかを指します。資産価値の高いマンションとは、買いたい人が多いマンション。あるいは、借りたい人が多いマンションです。 買いたい人が多ければ、マンションの値段が上がります。借りたい人が多ければ、高い値付けで賃貸に回せます。東京都港区のマンションの資産価値が高いのは、買いたい人、借りたい人が多いからです。 同じマンションでも、新築のほうが資産価値が高いです。駅からの距離は遠いよりは近い方がいいでしょう。周辺環境は騒がしいよりも静かなほうがよく、もちろん治安がいいエリアほど資産価値は高くなります。 このように、マンションの資産価値を構成する要素はたくさんあります。さまざまな要素が複雑に絡み合って、マンションの資産価値を構成していきます。 資産価値の構成要素 マンションの資産価値を形作る主な要素を挙げてみましょう。 1 駅からの距離(近い方が価値が高い) 2 駅の利便性(人気路線や急行停車駅ほど価値が高い) 3 町並み(高級住宅地や、利便性のいい商業地は価値が高い) 4 広さ(広い方が価値が高い) 5 間取り(使いやすいか、採光がよいかなど) 6 日当たり(南向きが価値が高い場合が多い) 7 眺望(海が見える、夜景がきれいなど) 8 管理(清掃が行き届いているか、積立金が足りているかなど) 9 分譲会社(大手デベロッパーを好む人は多い) 10 建設会社(大手ゼネコン施工を好む人は多い) 11 共有施設(施設によって評価は変わる) このほかにも、たとえば駐車場がどれだけあるか、立体駐車場か平面駐車場か、といったことや、ディスポーザーの有無、宅配ロッカーの数、共有施設、管理人の常駐時間など、細かなことが影響していきます。 一つ一つの要素は小さなことに見えても、こうした要素がすべて優れているマンションは、値段が高くても売れていきますし、賃貸に出したら借り手がつきやすいです。つまり、小さな積み重ねが資産価値を形成していくのです。 なぜ資産価値が大事なのか 自分が気に入れば、資産価値なんてどうでもいい、と思う人もいるでしょう。しかし、予期せぬ転勤や、子どもの教育、親の介護などで、引っ越しを余儀なくされることはあります。その場合、資産価値の高いマンションなら売ることも容易ですが、資産価値が低いとそうはいきません。 そのため、買うのなら、マンションの立地から管理に至るまで、資産価値という観点からきちんとチェックすることが大事なのです。 最も大事なのは立地 とはいうものの、資産価値でもっとも大事なのは、立地です。人気路線の人気駅から徒歩圏内のマンションなら、ほかの要素が全部いまひとつでも、それなりの資産価値になります。逆に、他の要素がすべて素晴らしくても、鉄道駅から離れた不便な立地だと、資産価値には限界があります。 あるいは、駅から少し離れていても、東京都港区や鎌倉市、京都市中京区といった、ブランド価値の高いエリアは、やはり資産価値は高くなります。一方、駅から近くても、ブランド価値の低いエリアは、資産価値が低くなります。 日当たりは立地についで大事です。日当たりのいい南向きのマンションは需要が多いので、資産価値が高くなります。南向きでなくても、眺望がいいマンションは評価が高いです。タワーマンションの上層階では南向きが暑いから敬遠される、などの例外はありますが、おおむね南向きで日当たりが良く、眺望も開けているマンションが資産価値が高いでしょう。 駅から近くて日当たりのいい物件を買っておくことが、何より大事といえます。 大手分譲は資産価値が高い? 分譲会社や建設会社の名前は、新築販売時には値段に影響しますが、中古市場ではそれほど大きな価値を持ちません。大手デベロッパーで有名ゼネコン施工の中古マンションが売りやすいのは確かですが、立地がよければ、分譲会社の名前など関係なく売れます。逆に、「大手分譲だから中古でも売れる」ということは、あまり考えられません。 共有施設は充実しているほうが良いですが、そのぶん管理費が高くなるなら、マイナス要素になるケースもあります。ジャグジーやスポーツジムがマンション内にあった場合、「余計なコストがかかる」と敬遠されることもあります。ゲストルームやキッズスペース程度なら、あったほうが資産価値は上がるでしょう。

リフォーム

リフォームで使える「キッチン」の費用と相場。安くておすすめのキッチンは?

マンションでも一戸建てでも、リフォームするときに悩むのがキッチン。各社から多くのシステムキッチンが販売されてて、どれも一長一短に見えてしまいます。ここでは、リフォーム向けのキッチンをご紹介。費用、相場とおすすめを解説しましょう。 どんなキッチンメーカーがあるの? まず、キッチンの最大手はどこでしょうか。答えはLIXIL。サンウェーブとINAXなどが合併して経営統合した結果、システムキッチンシェアの3割を占めています。次がタカラスタンダードで、LIXIL誕生までは長年キッチン史上首位を占めてきた老舗です。以下、3位クリナップ、4位パナソニックと続きます。 そのほかのキッチンメーカーとしては、水回りに強いTOTO、給湯器に強いノーリツ、YAMAHAの系統を引くトクラス、旧日立系で現在はヤマダ電機グループのハウステックといった会社があります。最近はニトリやIKEAなどの家具小売店もシェアを伸ばしています。 キッチンの最低価格はどのくらい? システムキッチンの価格はベースとなる「本体価格」に「オプション」を組み入れた総額です。「本体価格」だけならそれほど高くはなく、格安キッチンなら10万円台でも一通り揃います。 たとえば、ニトリのキッチンなら、幅2560mmで19万9000円のものが販売されていますが、ガスコンロやレンジフード、引き出しなどのフロアキャビネットや、頭上のウォールキャビネットもこの値段に含まれています。これに食洗機を付けると24万9000円になります。 これで十分といえば十分で、実際、ファミリー向けの賃貸マンションでは、こうした10万円台のキッチンが備えられていることもよくあります。10万円台のキッチンで大丈夫?なんて声も聞きますが、きちんと施工されれば20-30年は持ちますので、心配する必要はありません。 価格相場をつかもう! ただ、分譲マンションで自分専用のキッチンで、もっと使いやすいものを、となると、もう少しいいブランドのものを選びたくなりますし、さまざまなオプションを付けたくなります。 マンションリフォームの価格相場をつかむのにわかりやすいのが、クリナップです。クリナップは「S.S.」「クリンレディ」「rakuera(ラクエラ)」「コルティ」という4つの性格付けの異なるブランドのキッチンを販売しています。 まず「S.S.」は最高級ブランド。質の高いステンレスを使った高品質キッチンで、幅2550mm(以下同)の参考価格が99万4550円。次のクリンレディはオールステンレスながら手頃な価格を実現した物で、参考価格が63万8000円。ラクエラは木製キッチンで49万2800円。コルティは幅1800mmのコンパクトキッチンで30万9700円となっています。 ラクエラを例に取ると、最低価格は49万2800円ですが、扉に使う素材で異なります。鏡面仕上げの「グランドシリーズ」という扉を使うと55万9800円になり、マット仕上げや光沢仕上げは安くなります。さらに使う木材によって「コンフォートシリーズ」は50万9800円と少し高くなります。 49万2800円は、最もグレードの低い「シンシアシリーズ」という扉を使った場合です。扉による価格差は結構大きく、クリンレディで高い扉を付けると、S.S.の安い扉を付けた場合より高くなってしまいます。 大手メーカーは基本価格50万円が相場 タカラスタンダードやクリナップといった大手メーカーの場合、主力ブランドの基本プランは、2550mmで50万円前後に設定されています。したがって、大手システムキッチンの相場価格は、基本プランなら50万円前後と考えていいでしょう。 ただ、これはあくまで定価で、実際に施工する業者によって卸値は異なります。たとえば、上記ラクエラの場合、格安キッチンとして検索すると、15万円前後の価格を見つけることができます。つまり、6割~7割も値下げしているのです。 ニトリやIKEAなどの格安キッチンの場合は、15~20万円前後の価格設定が相場で、値引きは基本的にはありません。つまり、大手キッチンの安値ブランドや小売店の格安ブランドのキッチンは、基本プランで15~20万円程度が実勢価格の相場といえます。 オプションを付けると高くなる ただし、システムキッチンを基本プランで購入する人はあまりいません。食洗機を入れたり、引き出しを増やしたり、シンクの形を変えたり、ワークトップの素材を変えたりします。こうしたオプションによってキッチンの値段は基本価格の倍くらいになることもあります。 扉の色や素材によって大きく価格が変わることは前述しましたが、メーカーにとっては、基本価格は安くしながら、オプションで利益を得るというのが一つの戦略なのです。 オプションを付けた総額はいくらくらいなの? という質問を受けることもありますが、千差万別としか言いようがありません。定価ベースでいうなら、基本価格の1.5倍くらいが総額になるようなオプションを付ける人が多いです。 食洗機を付け、シンクやレンジフードや水栓を少しいいのに変えて、引き出しも増やしたりすると、そのくらいの価格になります。つまり、定価ベースで70~80万円くらいが相場と考えればいいでしょう。 どのくらい値下げしてくれる? 値下げ後の価格に関しても千差万別ですが、大手メーカーの主力ブランドの場合、2割~3割引程度と考えておくといいでしょう。インターネットを検索すると半額くらいの格安価格を提示している会社もありますが、そこまで値引いてくれることは、実際にはあまりありません。 値引いてくれたとしても、そのぶん施工費用に上乗せされることもありますので、表面上の価格にこだわるよりも、総工費を見たほうがいいでしょう。 キッチンのおすすめブランドは? おすすめブランドは、一概にはいえませんが、ホーローが好きならタカラスタンダードの「リテラ」、ステンレスがいいならクリナップの「クリンレディ」、木製の場合はLIXILの「リシェル」あたりがスタンダードです。これらのブランドを選んでおけば、大きな失敗はないでしょう。 トリプルワイドレンジがいいなら、パナソニック「リビングステーション」。高級キッチンならトクラスの「ベリー」、手頃な価格ならノーリツの「レシピア」も人気が出ています。組み合わせキッチンならIKEAの「メトード」。格安キッチンなら、ニトリはコストパフォーマンス基本性能に優れているといえます。

マンションのお風呂のサイズ「1418」「1317」などの数字の意味。適当な広さは?

分譲マンションの幸せのひとつは、広めのお風呂(浴室)にあります。マンションのユニットバスのサイズは、「1220」などといった数字4桁で示されます。このサイズの意味は、幅と奥行きの長さ。では、どのくらいのサイズが適当なのでしょうか? マンションで多いのは「1418」 マンションのお風呂の広さは、間取り図に書かれている4桁の数字でわかります。ファミリー向けマンションでもっとも多いのは「1418」といつサイズ。これは幅が1.4メートル、奥行きが1.8メートルという意味です。60平米~80平米のマンションでよく使われているユニットバスのサイズです。 これより少し狭いのが、「1317」というサイズ。幅が1.3メートル、奥行きが1.7メートルです。昔はこのサイズが標準で、いまでも60平米以下のマンションでよく使われているサイズです。さらに小さいユニットバスの規格として「1216」や「1116」があり、ワンルームマンションとなると「1016」くらいの極小浴室もあります。 広いマンションでは「1620」 一般のマンションで一番広い浴室サイズは「1620」。90平米を超える広い専有面積のマンションではこの浴室サイズが使われてることが多いです。幅1.6メートル、奥行き2.0メートルということで、長辺が2メートルありますので、足をゆったり伸ばせる広いお風呂に入れます。 大事な点として、このサイズは浴室サイズを示すものであり、湯船のサイズとは異なります。実際のところ、1620でも1418でも、置かれている湯船のサイズにはそれほど大きな違いはありません。というのも、あまりに湯船が大きいと、使うお湯の量も増えて不経済だからです。 1620サイズでは、湯船より体を洗うスペースがやや広めにとられていて、ゆったりと体を洗うことができます。 もちろん、広い湯船がご希望なら、オプションでつけることはできますし、リフォームすることも可能です。ただ、1418サイズのお風呂があれば足を伸ばしてゆったり湯船に浸かることはできるので、多くの人には十分なサイズです。

「リノベーション」や「リフォーム」は個人で行うと高くなるのか

室内リノベーション済みマンションが売れている理由の一つに、「リノベーションやリフォームを個人ですると、高くつく」という都市伝説があります。 こうした都市伝説を逆手にとって、リノベ業者は「プロは個人よりも安くリノベーションできるので、リノベマンションはお得だ」などと売り込むのです。 でも、本当に、リノベーションやリフォームは、素人が個人で行うと高くなるのでしょうか。 リノベ・リフォームの価格の中身 リノベーションやリフォームの値段は、おおざっぱにいって、以下の内容で構成されてます。 ・設備費(ユニットバス、キッチン、フローリングなどの住宅設備) ・材料費(間取り変更をするときなどの木材など) ・人件費(職人さんの人件費) ・管理費(リノベーション業者の人件費) ・設計費(設計士が付く場合) このうち、ユニットバスなどの住宅設備は、不動産業者が大量発注すれば、定価の半額程度で仕入れることもできます。ただ、個別のリノベでは大量発注できないので、せいぜい4割引~半額程度です。個人で購入しても、リフォームを依頼する業者を通せば3割引程度にはなりますので、それほど大差はありません。 それ以外のコストも、個人で発注したら高く付く、という性格のものではありません。要するに、個人でリフォームする場合も、リノベ済みマンションを買うのにも「業者の利益」をなるべく払わないのが、安く買うコツです。その意味で、リノベ業者の利益が乗っている中古マンションは、どうしても割高になるのです。 素人のリフォームが割高になる理由 ただ、素人のリフォームが割高になる理由もあります。まず、リノベ業者のかわりに「リフォーム業者」に依頼するのですから、その手数料がかかります。上記の「管理費」という分類です。これがだいたい5~12%程度かかります。大手リフォーム業者に依頼すると、この管理費が高いため、リノベ業者に頼むのと変わらない価格になったりします。 また、発注主(個人)はリノベ・リフォームに慣れていないので、工事が始まってから仕様変更をしたりします。途中で気が変わったり、大事なことに気づいたりするので、追加工事が発生し、価格が高くなってしまうのです。 逆にいえば、必要最小限のリフォームを手頃な業者に依頼して、念入りに検討して行えば、個人でリノベーション、リフォームしても、それほど高くはならないはずです。

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