基礎知識

大規模マンションvs小規模マンション、メリットとデメリット

「大規模マンション」か「小規模マンション」のどちらがいいのでしょうか。メリットとデメリットを考えてみましょう。 大規模物件のメリット 大規模マンションに明確な定義はありませんが、だいたい100戸以上の物件を指すことが多いようです。そのメリットは、スケールメリットを活かせること。大勢の住民が管理費を出し合うので、管理人を常駐させることもできます。人件費は高いので、管理人やフロントレディ、警備員が常駐ができるのは、大規模マンションに限られます。 共用施設も充実しています。大規模マンションは、デベロッパーが販売促進のために、さまざまな共用施設を設けることが多いです。かつてはジムなどが流行りましたが、最近は図書室や自習室など、静かに過ごせる施設が増えています。会議室やゲストルームがあるのも大規模マンションだけです。その維持費は当然、住民が負担しますが、戸数が多いと一戸あたりの負担は小さくなります。 つまり、管理人がいて、共用施設も充実したマンションライフを好むなら、大規模物件を選んだ方がいい、ということになります。ホテルライクな物件も、大規模物件にしかありません。 管理費そのものの金額も、相対的に安いです。修繕積立金も低めです。これもスケールメリットのおかげです。 大規模物件のデメリット 大規模マンションにはデメリットもあります。最大のデメリットは、戸数が多すぎるために、大きな決議を必要とする際に、意思統一が図りにくい点でしょう。とくに心配されるのが老朽化した際の建て替え決議。 区分所有法の規定では、区分所有者数の5分の4以上の賛成と議決権の5分の4以上の賛成による決議が必要ですが、数百戸の大規模マンションで、これを集めるのは至難の業です。そのため、将来的な建て替え時については心配が残ります。 日常的なデメリットとしては、建物が大きいため、居室から外に出るまで時間がかかるということ。とくに上層階ではエレベーター待ちが生じるので、朝などは玄関からマンションの出入口まで5分程度かかることすらあります。 小規模物件のメリット 小規模マンションにも明確な定義はありませんが、100戸以下を「中・小規模マンション」と呼ぶことが多いようです。当サイトでは、50戸未満を小規模マンション、50戸~100戸を中規模マンションと呼びます。 中・小規模マンションのメリットは、戸数が少ないだけに、機動的な点でしょうか。居室から外に出るまで1分かからない物件も多いですし、将来的に建て替えが生じたときも、40~50人程度なら、決議をまとめる苦労は小さいでしょう。 マンション管理組合の役員も数年ごとに回ってきますので、マンション内で顔見知りが増えていきます。それを好むかどうかは人それぞれですが、誰が住んでいるかわかる安心感はあるといえます。 小規模物件のデメリット 中・小規模マンションでは、スケールメリットが働きにくいので、共用施設は最低限になりますし、管理人も常駐しないことがほとんどです。ただ、共用施設などなくてもいい、という人もいるでしょうし、管理人の常駐にこだわらない人も多いので、これはデメリットとまではいえません。 デメリットとしては、管理費や修繕積立金が相対的に高くなってしまうことでしょう。とくに、小規模マンションの修繕積立金は、大規模物件に比べてだいぶ高くなります。 どっちがいいの? 全体的にいえば、マンションは大規模のほうがメリットは多いといえます。大規模であることがマンションだ、と断言する評論家すらいるほどです。 ただ、都心など立地のいい場所では大きな土地が確保しにくいので、小規模マンションが多いです。郊外の大規模マンションと、都心の小規模マンションといった構図なら、都心の物件のほうが資産価値が高いのはいうまでもありません。 つまり、大規模、小規模というのは、マンションの数ある指標のうちの一つにすぎません。

子育て世代のためのマンションの選び方。間取り、広さ、階数はどうする?

子育て中の家族のマンション選びは、意外と難しいもの。広さを求めて探す人が多いですが、手頃で広い間取りはなかなか見つかりません。 騒音で階下に迷惑をかけないか、子ども部屋の間取りをしっかりとれるか、といった建物の問題もあります。学区や利便性、環境とのかねあいも考慮にいれなければならないでしょう。 ここでは、子育て世代に向けた、マンションの選び方を考えてみましょう。 家族4人で何平米必要か? まず、建物。家族が何人かにもよりますが、子ども部屋を作りたいなら、できるだけ広い間取りのマンションを探したくなります。 大都市の場合、国が住生活基本計画で定める「誘導居住面積」によりますと、望ましい居住面積は、 2人以上の世帯で、20平米×世帯人数+15平米とされています。たとえば3人家族なら75平米、4人家族なら、95平米です。これが国が考える「望ましい家の広さ」です。 実際には、家族4人で70平米3LDKでも、もちろん住むことは可能です。ただ、もう少し広い方が、子どもに十分なスペースを与えられます。エリアにもよりますが、最近は、一家4人なら80平米以上のマンションを選ぶ人が多いです。 「理想」は90平米以上ですが、その広さのマンションとなると、なかなか供給されていませんし、大都市圏では値段も手が届きにくくなります。 3LDKか4LDKか? マンションの間取りは3LDKが一般的。夫婦の寝室と子ども部屋で、子どもが一人なら、残りの一部屋は書斎や倉庫になるでしょう。子どもが2人なら、子ども部屋も2つになります。 一方で、「3LDKでは狭い」「子ども2人が同性か異性かで異なる」などの意見もあります。4LDKのほうが使いやすいという意見も根強く、判断には迷います。70平米台なら3LDKにならざるを得ませんが、90平米以上なら4LDKも選択肢です。 筆者の意見では、部屋を増設することはできないけれど、使わないで放っておく(納戸にする)ことはできるので、4LDKを買えるならそのほうがいいと思います。 防音性に気を配る 子育て世代のマンション選びで気を配りたいのは、防音性です。最近のファミリー向けのマンションなら、だいたいどの物件でも防音性に配慮していますが、DINKSや単身者がメイン居住者のマンションは、防音性能が劣る場合もあります。 階下や隣戸とのトラブルを未然に防ぐためにも、防音性能は重視すべきです。LL-45以下、LH-50以下の遮音性能を持つマンションがいいでしょう。 いっそ、1階に住むのも手です。階下への気配りをしなくてよくなります。ただ、1階は売却時のリセールバリューがやや低くなりますので、あまり高い物件は避けるのが賢明です。 駐車場、駐輪場は十分か 子育て中はクルマがあると便利。そのため、駐車場が確保できる物件がいいでしょう。郊外マンションなら各戸1区画の駐車スペースのあるマンションがいいですし、都市部でもそれなりの数が用意されていたほうがいいでしょう。駐車場は、立体よりは平面がおすすめです。 子どもが複数いると、自転車が複数台必要になることもあります。そのため、駐輪場スペースが充実している物件がいいでしょう。駐輪場に空きがなくて、子どもが自転車に乗れない、ということになったら悲しいですしね。 駅、バス停までの道のりが明るいこと 立地面では、駅やバス停までの道のりが夜も明るく、治安がいいことが条件。小学校、公園や図書館、スーパーが近いと、なおいいでしょう。幼稚園や保育園も近くにあるに越したことはありませんが、これらは近い遠いというよりも、「入りやすいこと」のほうが大事です。すなわち、地域の待機児童が少ない物件がおすすめとなります。 小学校の学区を気にする人もいますが、学校の雰囲気は時代によって変わるので、あまり気にしても意味がない、という意見も。お受験をするなら、学区よりも駅に近く子どもが電車で通いやすいことのほうが大事です。 子ども医療費無料のエリアか? 子どもは病気をすることも多いです。そのため、病院が近いと安心。同時に、地域の医療補助についても調べておきましょう。東京23区なら中学生までの医療費は無料ですが、こうした自治体は多くありません。 医療費無料なのが小学校までだったり、親の収入によって有料か無料かが決まる、という自治体もあります。 自然環境も大事 自然環境がよいことを条件にする人も多いです。緑があって、自然にふれられる立地なら、子育てにはすばらしいでしょう。自然環境は大事です。 とはいえ、あまりに自然が多い場所は、通勤・通学に不便で、住むには現実的ではありません。利便性と環境が両立しやすいのが郊外のニュータウン。そのため、交通の便のいいニュータウンで駅に近い利便性のあるマンションは、今も子育て世代に根強い人気があります。 一方、郊外ニュータウンでも、駅から遠かったり、鉄道路線が不便だったりする物件は不人気です。環境がいくら良くても、利便性の悪い物件は売却しにくいので、お気を付けください。

マンションが一戸建てより圧倒的に優れている5つのポイント

マイホームを買おうとするとき、一戸建てかマンションかで迷う人は多いでしょう。「一戸建てvs.マンション」は語り尽くされた感はありますが、ここでもう一度、マンションのメリットを考えてみましょう。 断熱性に優れている 賃貸マンションに住んだことがある人ならわかるでしょうが、鉄筋コンクリートは木造住宅よりも暖かいです。とくに、冬場の暖かさは一戸建てよりはるかに優れています。 関東地方以南なら、冬場のマンションの住戸内温度は、暖房をしていなくても10度程度を維持します。暖房なしでも外気より5~10度も高いのです。よりその理由は、鉄筋コンクリートの断熱性が優れていることもありますし、上下左右の住戸に人が住んでいて、その暖房などの熱が伝わるから、という点もあげられます。 夏の場合は逆で、熱い外から帰ってきてマンションの居室に入ると、冷房なしでもひんやりしています。これも断熱性が優れているからでしょう。 利便性に優れている マンションは、一戸建てと比較して、より駅に近い便利な場所に建てられています。一戸建てにも駅に近い物件はあるでしょうが、同じ価格ならマンションのほうが広くて日当たりのいい物件に住めるでしょう。 利便性が優れていることは、たんに「便利」というだけのメリットではありません。将来、売却する際にも売りやすいというメリットがあります。 セキュリティが優れている 最近のマンションでは、エントランスのオートロックは常識で、セキュリティ会社と契約しており、防犯カメラも設置されています。また、各住戸の玄関扉や窓に防犯センサーが設置されている物件も少なくありません。車上荒らしを防ぐための駐車場のセキュリティもしっかりしています。 こうしたセキュリティシステムを一戸建てでも導入することは可能です。ただ、費用がかかりすぎるので、一般の方が実現するのは難しいです。マンションでは、数十人から数百人が費用を出し合うので、こうしたセキュリティが実現できるのです。 バリアーフリーに優れている 最近の新築マンションには、ほとんど段差がありません。エントランスには自動ドアが設定され、段差がなく建物内に入れますし、エレベーターを使って自分の居室のある階に降りれば、段差なしで部屋に入れます。各戸内も基本的に段差はほとんどありません。 一戸建ての場合は、玄関に上がる際に階段があり、2階建てなら十数段の階段があります。庭に降りるときも段差です。こうした段差は、年齢を重ねるにつれ身体の負担となります。 居室外の掃除や雪かきの必要がない マンションでは庭掃除や玄関外の掃除をする必要がありません。そうした共用部分の掃除は、全て清掃人がしてくれます。1階に専用庭がある住戸は、その部分だけは自分で掃除しなければなりませんが、それとてわずかです。 実際に一戸建てに住んでみるとわかりますが、玄関外の掃除や庭の手入れは、それなりに負担になります。秋になれば落ち葉をかき集めなければなりませんし、木や草の手入れもしなければなりません。 寒いエリアの場合は、雪かきは一戸建て居住者の重荷です。マンションなら、共用部分の雪かきは管理人か、契約した会社がやってくれるので、居住者はする必要がありません。 こうしたポイントを満たさないマンションは? 以上、5つのポイントで、マンションは一戸建てより圧倒的に優れています。ただ、全てのマンションがこの5ポイントを満たしているとは限りません。自主管理で清掃の行き届いていないマンションや、オートロックが設置されていないマンション、あるいは段差が多いマンションなどは、新築では少なくなりましたが、中古物件ではいまでも見かけます。駅から遠いマンションももちろんあるでしょう。 そうした物件は、マンションのメリットを完全に享受できないわけですから、ひょっとしたら良質なマンションではないかもしれません。

マンション購入の手続きの流れをまとめてみた。モデルルーム見学から契約、入居まで

新築マンションを購入するなら、その手続きの流れを最初に理解しておくことが大切。購入申込から引き渡しを受けて実際に入居するまでは、長い道のりが待っています。わかりやすくご説明しましょう。 情報収集 まずは新築マンションの物件情報を集めます。インターネットの住宅情報サイトで希望条件を登録しておけば、定期的に新規分譲開始のマンションの情報をメールで送ってくれます。あわせて、駅に置いてある無料の住宅情報誌などもチェック。 モデルルーム見学 多くの新築マンションは、建物が完成する前に販売を開始します。しかし、買う方にとっては、建物ができていない段階ではイメージが湧きません。そこで、不動産会社は、実際の建物内装を模した「モデルルーム」を設置します。 モデルルームでは、代表的な間取りの住戸の室内を再現しています。内装の雰囲気や仕上げ、設備などをチェックできます。設計図面など重要な情報を閲覧することもできます。モデルルームは販売事務所も兼ねていますので、価格などの情報を知ることができます。 モデルルームは一つだけでなく、希望条件に近い物件なら、なるべくたくさん見て回りましょう。 購入申込 気に入ったマンションが見つかれば、購入を申し込みます。「購入申込書」を不動産会社に提出します。これは契約ではありませんから、提出後、どんな理由でも「やめる」ことができます。購入申し込み段階でのキャンセルにはキャンセル料はかかりません。 住宅ローンを利用する場合は、購入申込を行った段階で、仮審査を受けておくといいでしょう。自分で銀行を回って審査を受けてもいいですし、不動産会社の紹介で受けることもできます。 抽選 購入申込は、部屋ごとに行います。同じ部屋に複数の申込者があれば、抽選となります。当たれば、実際に購入へと進みます。抽選で当たっても、この段階なら辞退することもできます。 重要事項説明 抽選も終わり、いよいよ本当に購入する、という段階で重要事項説明に進みます。これは、法律に定められた一定の項目について、宅地建物取引主任者という国家資格を持った担当者が、書面に基づいて説明するものです。 説明日の前に、あらかじめ重要事項説明書のコピーをもらっておいて、家で読んでおくといいでしょう。不明点があれば、あらかじめ担当者に確認しておきます。 契約 重要事項説明書の朗読が終わったら、契約です。契約は重要事項説明の当日に行われるのが一般的ですが、日を改めることもできます。契約日の前に、あらかじめ契約書のコピーをもらっておいて、事前に読んでおき、不明点があれば前日までに確認しておきましょう。 契約書の内容を確認した後、署名と捺印を行います。この際、手付金を支払います。手付金は事前に銀行振り込みのこともあります。 いったん契約書にサインすると、キャンセルする場合に違約金が必要になります。違約金の金額は、かなり大きいのでご注意を。 住宅ローン申込 契約が成立したら、住宅ローンの申込を行います。実際に融資が行われるのは建物完成後ですが、この段階で申し込んで本審査を受けておきます。住宅ローンの本審査には収入を証明する書類など、書類がたくさん必要で、時間もかかります。 完成を待つ 契約が完了し、住宅ローンを申し込んで本審査を通れば、一段落。あとは建物の完成を待ちます。数ヶ月から1年以上待つこともあります。 入居説明会 建物の完成、引き渡しが近づくと、管理についての説明や、オプションの申込を行う入居説明会が開かれます。引き渡しから引っ越し、入居後の疑問などを尋ねることができます。 内覧会 建物工事が一通り終わると、内覧会です。各住戸の内部について購入者が確認することができます。不具合があれば、ここで指摘し、修繕してもらいます。建物チェックの専門家を同行する人も増えています。 決済・引き渡し 決済日はローンの実行日です。ローンを実行してもらい、不動産会社に残金を支払うと、カギの引き渡しがあります。この瞬間から、購入した部屋を自由に使うことができます。 登記 最後が所有権の登記です。登記は法律的に「この部屋はあなたのもの」であることを認証する作業です。司法書士が代行して行うのが一般的です。 登記が終了すれば、名実ともに、そのマンションの部屋はあなたのものになります。引っ越しは登記が終了する前でも行えます。

「マンションを買うなら親の退職前にすべし」。これって本当?

マンションや一戸建ての住宅を購入するタイミングは難しいもの。自分の子どもができたら、なんて考えていると、親が退職してしまった後になることもあります。でも、「できれば不動産購入は親の退職前のほうがいい」という人もいます。その理由を考えてみましょう。 賃貸の保証人がいなくなる! まだ20代や30代の方は、親御さんが現役で仕事をしている、という人もいるでしょう。その場合、ご自身が賃貸マンションを借りるのは容易なはず。なぜなら、親御さんが保証人になってくれるからです。 でも、親御さんが退職してしまうと、賃貸マンションを借りるときに保証人になれないことがあります。不動産保証人は「就労収入」があることを条件とされることが多いからです。早い話、年金生活の人は保証人になれないケースがあるのです。 そうなると、転居などで賃貸マンションを新たに借りるのが面倒になります。兄弟など他に保証人になってくれる人がいる場合は問題ありませんが、そうでない場合、保証会社を使ったりしなければならず、余分な出費を強いられます。 そのため、できることならマンションは親の退職前に買ってしまったほうがいい、という理由です。 親からの贈与を受けやすい もう一つの理由として、親の退職前なら、親からの資金援助を受けやすい、という点も挙げられます。住宅購入のために親から贈与を受ける場合、一定金額まで所得税が非課税になるという制度もあります。 こうした制度は、親御さんが亡くなってしまうと使えなくなります。親御さんが健在で、できれば仕事のあるうちにマンションを購入した方がいい、というのには、こうした理由があるとされます。 兄弟がいて住宅資金の心配がなければいつでもよい ただ、言い方を変えれば、この程度の理由に過ぎません。 兄弟がいて保証人の心配がなく、住宅資金を全額自分で出せる方は、親御さんの事情に関わりなく適切なタイミングでマンションを購入すればよいでしょう。

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お金と税金

独身女性がマンションを買うときは、ここに注意!「1LDKで十分」と決めつけないほうがいいですよ!

最近は独身女性がマンションを買うことも増えています。毎月家賃を払うのはばからしいので、独身であっても不動産を購入することは、選択として悪くありません。このときの注意点をまとめてみましょう。 2LDK、50平米以上がおすすめ まず、独身女性がマンションを買うとき、30~40平米台、1LDK程度のマンションを選びがちです。予算の関係もありますし、1人で住むならこの程度で十分、という考え方からです。でも、せっかく買うなら、もう少し広く、50平米、2LDK程度の広さのマンションを選んだほうがいいでしょう。 その理由はいくつかあります。まず、登記簿面積ベースで50平米以上であれば、税制上の優遇措置が受けやすいこと。住宅ローン減税が受けられるのも50平米以上ですし、不動産取得税でも有利です。 登記簿面積ベースは広告などの不動産間取図の面積(壁芯面積)より数平米小さくなりますので、ご注意を。不動産業者の間取図で57平米以上あれば問題ありません。 また、少し広めのマンションなら、将来結婚などで同居相手ができたときに、そのまま住み続けられます。さらに、不要になって売るときも、50平米、2LDK以上のマンションのほうが売りやすいという現実もあります。 賃貸に出すにもハードルが では、賃貸に出すとしたら? じつは、住宅ローンを組んで買ったマンションは、不要になったからといって、そのまま賃貸に出せるとは限りません。なぜなら、住宅ローンは「買った人が住む」という前提で金利が安く設定されているので、賃貸に出したら住宅ローンを借り続けることができなくなり、金利が上がったり、全額返済を求められたりすることもあるのです。ですから、「使わなくなったら賃貸に出そう」と安易に考えない方がいいでしょう。 結局、独身女性であっても、買うなら50平米以上の2LDK以上のマンションがおすすめです。 予算上それだけ払えない、という場合は、30平米前後の1LDKにします。価格的にはワンルームのほうがいいのですが、ワンルームマンションは、すでに供給過剰なので、将来売却しにくくなる可能性があり、おすすめしません。 30平米前後の狭い1LDKは、価格が安いわりに、ワンルームより売ったり貸したりするには都合がいいでしょう。1LDKでも40平米前後になると、価格がそれなりにするわりに、上記のように税制面などで不利なので、こちらもおすすめしません。

マンションも「見た目」が9割? 第一印象を大切に

中古マンションを買う人、あるいは借りる人は、物件の前に立って、あるは部屋の中に入って、数秒のうちに「お、これはいいな」「いまひとつだな」という判断を下すと言われています。数分ではありません。「数秒」です。 値段とは関係ない つまり、マンション売却の賃貸においては、第一印象、見た目が大事なのです。重要度が9割か8割かはなんともいえませんが、最初の印象が悪いと、それをひっくり返すのは至難の業です。逆に、最初の印象がいいと、多少の難点には目をつぶってもらえます。 これは、マンションの値段とはあまり関係がありません。高かろうが安かろうが「いいな」と思ってもらうことが大事なのです。 逆に言うと、第一印象がいい物件ほど、売るのも貸すのも有利、ということになります。結果として、第一印象がいい物件は、資産価値が維持されやすくなります。 「中身」も大事だけれど ですから、あなたがマンションを買うときも、第一印象を大切にすべきでしょう。第一印象は、「外見が格好いい」「内装がきれい」「よく手入れされている」「高級感がある」といったようなことです。 買った後にこれらを変更するのは難しい場合もあるので、買う前に「見た目」を大事にして物件選びをするべきです。 もちろん、見た目じゃないよ、「中身」だよ、という意見もあると思います。「中身」、つまり実用性に優れた物件は、多少見た目が悪くても資産価値は維持されるかもしれません。 でも、中身が優れている上に、見た目もいい物件のほうが、より資産価値は高くなるでしょう。

住宅ローンの選び方の3つのポイント。初心者向けに基礎から解説

住宅ローンを選ぶとき、ポイントとなるのは「金利」「諸費用」「返済方法」です。住宅ローンの選び方とは、この3つのポイントの選び方と言い換えることもできます。初心者向けに基礎から解説しましょう。 固定金利か変動金利か 住宅ローンを選ぶときに、多くの人が真っ先に注目するのは金利です。もちろん、金利は安いに越したことがないのですが、それだけで決めるわけにもいきません。「金利タイプ」にも注目しましょう。 金利タイプは2つあります。一つは固定金利型で、返済期間中金利がずっと変わらないものです。もう一つは変動金利型で、こちらは返済期間中に金利が変わることがあります。 固定金利と変動金利を比べると、固定金利のほうが金利(利率)は高くなっています。ですから、目先の金利を低くしたいなら変動金利を選びます。しかし、変動金利は、たとえば最初は1%だったのに、返済期間中に5%くらいになる可能性もあります。そうしたら、金利負担は5倍になり、返済が苦しくなります。そんなリスクがあるのが変動金利型です。 固定金利は金利変動リスクはありませんが、そのぶん、金利はもともとやや高めです。しばらく低金利が続くと考えれば変動金利、将来的に金利が上がっていくと考えれば固定金利を選ぶ、というのが基本的な考え方です。 とはいうものの、将来の金利動向を予測するのはプロでも難しいのも事実。そのため、実際には、返済余力の大きい方、万一金利が急騰した場合に繰り上げ返済などが可能な方は、変動金利を選びます。 一方、返済余力に乏しく、一杯一杯で借りる人は、固定金利にしましょう。そのほうが、万一の金利変動時に破綻を防げます。 諸費用は繰り上げ返済手数料に注目 住宅ローンを借りるときは、さまざまな諸費用がかかります。代表的なのは保証料、さらに融資実行の手数料、そして保険料等です。なかでも、保証料は負担が多いので、きちんと確認しておきます。大手銀行ではこれらの諸費用は横並びなのであまり気にしなくていいですが、ネット銀行では保証料の金額にはばらつきがあります。 繰り上げ返済の手数料についても、各金融機関で異なります。最近はネットを使えば無料、という銀行が多いですが、固定金利では有料にしている会社もあります。繰り上げ返済を考えている人は、手数料がかからない形で気軽に繰り上げ返済できる銀行を選ぶといいでしょう。 元利均等返済か元金均等返済か 最後の返済方法は、おもに「元利均等返済」か「元金均等返済」かです。元利均等返済は、毎月同じ金額を返済していく方法です。つまり、ローンの返済額は毎月同じです。一般的には、元利均等を選ぶ方が多いです。 一方、元金均等返済は、同じ元金を毎月返済していく、という形です。元金は返済するにつれ減っていくので、月を追うごとに金利も減っていきます。そのため、元金均等返済は、最初の返済時に返済額が最も多く、毎月ローン返済額が少なくなっています。 ローンを実行した直後のお金のないときに、一番返済額が多いので、余力のある方以外には選びにくい返済方法です。そのため、元金均等返済を選ぶ人は多くはありません。ただ、元本が毎月一定額減っていくというのは、家計リスク管理上は優れているので、あえて元金均等返済を選ぶ人もいます。

住宅ローンはいくら借りられるの? 借入可能額の上限は「年収の5倍」とは限らない

自分はいったい住宅ローンでいくら借りられるのか。マンション購入を考える上で、真っ先に考えなければならないポイントです。これを「借入可能額」といいます。マンションを購入しようと考えたら、まずは借入可能額を見定めましょう。 返済比率35%が基準 「借入可能額」は「年収の5倍」と言われることが多いですが、実際は少し異なります。借入可能額の上限は、おおざっぱにいって、会社員・公務員は年間の住宅ローン返済額が、年収の35%に収まる金額です。つまり、返済比率35%です。 同じ金額を借りるにしても、ローンの期間を長くすれば、返済比率は低くなります。しかし、中高年の場合は、ローンの期間を長くするにも限度があります。たとえば、60歳の人が35年ローンを組むことはできません。 ローンの返済時年齢は、最も長くても70歳程度。できることなら60歳までに完済できる期間に設定しましょう。その借り入れ期間で、返済比率が35%に収まる金額が住宅ローンの借入可能額です。 自営業の場合は、返済比率がもう少し低くなり、だいたい20%で見積もられます。そのため、自営業者は収入に比べて高い金額のローンが組みにくくなります。 40歳なら年収5倍説は正しい 「ローンは年収の5倍まで」という説を聞いたことがある方も多いでしょう。これは返済比率を35%に収める場合、だいたい年収の5倍程度までしか借りられない、という意味では正しいです。 しかし、たとえば年齢60歳の人は年収5倍のローンは組めません。40歳以下の人なら、「年収5倍説」は正しいですし、若ければ6倍~7倍まで借りることも可能です。でも、借りられることと、返せることは別ですので、あまり大きな住宅ローンはおすすめしません。

マンションを買ったら住居費専用口座を作ろう。管理費・修繕積立金の支払いもその口座から!

マンションを購入することになったら、住居費専用の口座も作りましょう。サラリーマンなら給与振り込みの一部をその口座に指定。マンション管理費や修繕積立金もその口座にまとめます。「収入と支出」を一口座にまとめることで、住居費関連の収支がはっきりわかるようになります。 ローン返済額より多めに振り込む 給与振り込み先を2口座に分けて設定できる会社名なら、住宅ローン借入先の金融機関の口座をその一つにします。振り込み金額は、月々のローン返済額と管理費・修繕積立金より、少し多めに設定しましょう。2口座に設定できない場合は、自分で金額を決めて預け入れします。 多めに預け入れた金額は、徐々に積み上がっていきます。それを使って、年に1度の固定資産税を、この口座から支払います。また、住宅ローン減税の還付金も、この口座に入れるといいでしょう。そうすれば、住居費に関する収支が一つの口座で見えてきます。 固定資産税を支払ってもまだ残ったお金は、繰り上げ返済の原資にしましょう。ある程度まとまった金額がたまったら、繰り上げ返済してローンを減らします。 返済金額変更に備える 変動金利にしている場合は、積み上がった金額をそのままにしておいたり、定期預金に預けたりするのも得策。変動金利は5年に1回、月々の返済金額の変更がありますので、それに備えるお金にします。そうすれば、毎月の返済額が増えた場合でも、積立金からある程度補填できます。 共働きの場合は、夫婦で住居費専用口座にお互い入金する、という形にするのもいいでしょう。夫婦の住居費負担額のはっきりしますし、繰り上げ返済の原資が貯まりやすくなります。 電気やガス代なども同一口座にする人がいますが、あまり賛成はしません。電気・ガスは住居費とは性格が異なりますので、できれば違う口座にしたほうがいいでしょう。

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リフォームで使える「キッチン」の費用と相場。安くておすすめのキッチンは?

マンションでも一戸建てでも、リフォームするときに悩むのがキッチン。各社から多くのシステムキッチンが販売されてて、どれも一長一短に見えてしまいます。ここでは、リフォーム向けのキッチンをご紹介。費用、相場とおすすめを解説しましょう。 どんなキッチンメーカーがあるの? まず、キッチンの最大手はどこでしょうか。答えはLIXIL。サンウェーブとINAXなどが合併して経営統合した結果、システムキッチンシェアの3割を占めています。次がタカラスタンダードで、LIXIL誕生までは長年キッチン史上首位を占めてきた老舗です。以下、3位クリナップ、4位パナソニックと続きます。 そのほかのキッチンメーカーとしては、水回りに強いTOTO、給湯器に強いノーリツ、YAMAHAの系統を引くトクラス、旧日立系で現在はヤマダ電機グループのハウステックといった会社があります。最近はニトリやIKEAなどの家具小売店もシェアを伸ばしています。 キッチンの最低価格はどのくらい? システムキッチンの価格はベースとなる「本体価格」に「オプション」を組み入れた総額です。「本体価格」だけならそれほど高くはなく、格安キッチンなら10万円台でも一通り揃います。 たとえば、ニトリのキッチンなら、幅2560mmで19万9000円のものが販売されていますが、ガスコンロやレンジフード、引き出しなどのフロアキャビネットや、頭上のウォールキャビネットもこの値段に含まれています。これに食洗機を付けると24万9000円になります。 これで十分といえば十分で、実際、ファミリー向けの賃貸マンションでは、こうした10万円台のキッチンが備えられていることもよくあります。10万円台のキッチンで大丈夫?なんて声も聞きますが、きちんと施工されれば20-30年は持ちますので、心配する必要はありません。 価格相場をつかもう! ただ、分譲マンションで自分専用のキッチンで、もっと使いやすいものを、となると、もう少しいいブランドのものを選びたくなりますし、さまざまなオプションを付けたくなります。 マンションリフォームの価格相場をつかむのにわかりやすいのが、クリナップです。クリナップは「S.S.」「クリンレディ」「rakuera(ラクエラ)」「コルティ」という4つの性格付けの異なるブランドのキッチンを販売しています。 まず「S.S.」は最高級ブランド。質の高いステンレスを使った高品質キッチンで、幅2550mm(以下同)の参考価格が99万4550円。次のクリンレディはオールステンレスながら手頃な価格を実現した物で、参考価格が63万8000円。ラクエラは木製キッチンで49万2800円。コルティは幅1800mmのコンパクトキッチンで30万9700円となっています。 ラクエラを例に取ると、最低価格は49万2800円ですが、扉に使う素材で異なります。鏡面仕上げの「グランドシリーズ」という扉を使うと55万9800円になり、マット仕上げや光沢仕上げは安くなります。さらに使う木材によって「コンフォートシリーズ」は50万9800円と少し高くなります。 49万2800円は、最もグレードの低い「シンシアシリーズ」という扉を使った場合です。扉による価格差は結構大きく、クリンレディで高い扉を付けると、S.S.の安い扉を付けた場合より高くなってしまいます。 大手メーカーは基本価格50万円が相場 タカラスタンダードやクリナップといった大手メーカーの場合、主力ブランドの基本プランは、2550mmで50万円前後に設定されています。したがって、大手システムキッチンの相場価格は、基本プランなら50万円前後と考えていいでしょう。 ただ、これはあくまで定価で、実際に施工する業者によって卸値は異なります。たとえば、上記ラクエラの場合、格安キッチンとして検索すると、15万円前後の価格を見つけることができます。つまり、6割~7割も値下げしているのです。 ニトリやIKEAなどの格安キッチンの場合は、15~20万円前後の価格設定が相場で、値引きは基本的にはありません。つまり、大手キッチンの安値ブランドや小売店の格安ブランドのキッチンは、基本プランで15~20万円程度が実勢価格の相場といえます。 オプションを付けると高くなる ただし、システムキッチンを基本プランで購入する人はあまりいません。食洗機を入れたり、引き出しを増やしたり、シンクの形を変えたり、ワークトップの素材を変えたりします。こうしたオプションによってキッチンの値段は基本価格の倍くらいになることもあります。 扉の色や素材によって大きく価格が変わることは前述しましたが、メーカーにとっては、基本価格は安くしながら、オプションで利益を得るというのが一つの戦略なのです。 オプションを付けた総額はいくらくらいなの? という質問を受けることもありますが、千差万別としか言いようがありません。定価ベースでいうなら、基本価格の1.5倍くらいが総額になるようなオプションを付ける人が多いです。 食洗機を付け、シンクやレンジフードや水栓を少しいいのに変えて、引き出しも増やしたりすると、そのくらいの価格になります。つまり、定価ベースで70~80万円くらいが相場と考えればいいでしょう。 どのくらい値下げしてくれる? 値下げ後の価格に関しても千差万別ですが、大手メーカーの主力ブランドの場合、2割~3割引程度と考えておくといいでしょう。インターネットを検索すると半額くらいの格安価格を提示している会社もありますが、そこまで値引いてくれることは、実際にはあまりありません。 値引いてくれたとしても、そのぶん施工費用に上乗せされることもありますので、表面上の価格にこだわるよりも、総工費を見たほうがいいでしょう。 キッチンのおすすめブランドは? おすすめブランドは、一概にはいえませんが、ホーローが好きならタカラスタンダードの「リテラ」、ステンレスがいいならクリナップの「クリンレディ」、木製の場合はLIXILの「リシェル」あたりがスタンダードです。これらのブランドを選んでおけば、大きな失敗はないでしょう。 トリプルワイドレンジがいいなら、パナソニック「リビングステーション」。高級キッチンならトクラスの「ベリー」、手頃な価格ならノーリツの「レシピア」も人気が出ています。組み合わせキッチンならIKEAの「メトード」。格安キッチンなら、ニトリはコストパフォーマンス基本性能に優れているといえます。

マンションのお風呂のサイズ「1418」「1317」などの数字の意味。適当な広さは?

分譲マンションの幸せのひとつは、広めのお風呂(浴室)にあります。マンションのユニットバスのサイズは、「1220」などといった数字4桁で示されます。このサイズの意味は、幅と奥行きの長さ。では、どのくらいのサイズが適当なのでしょうか? マンションで多いのは「1418」 マンションのお風呂の広さは、間取り図に書かれている4桁の数字でわかります。ファミリー向けマンションでもっとも多いのは「1418」といつサイズ。これは幅が1.4メートル、奥行きが1.8メートルという意味です。60平米~80平米のマンションでよく使われているユニットバスのサイズです。 これより少し狭いのが、「1317」というサイズ。幅が1.3メートル、奥行きが1.7メートルです。昔はこのサイズが標準で、いまでも60平米以下のマンションでよく使われているサイズです。さらに小さいユニットバスの規格として「1216」や「1116」があり、ワンルームマンションとなると「1016」くらいの極小浴室もあります。 広いマンションでは「1620」 一般のマンションで一番広い浴室サイズは「1620」。90平米を超える広い専有面積のマンションではこの浴室サイズが使われてることが多いです。幅1.6メートル、奥行き2.0メートルということで、長辺が2メートルありますので、足をゆったり伸ばせる広いお風呂に入れます。 大事な点として、このサイズは浴室サイズを示すものであり、湯船のサイズとは異なります。実際のところ、1620でも1418でも、置かれている湯船のサイズにはそれほど大きな違いはありません。というのも、あまりに湯船が大きいと、使うお湯の量も増えて不経済だからです。 1620サイズでは、湯船より体を洗うスペースがやや広めにとられていて、ゆったりと体を洗うことができます。 もちろん、広い湯船がご希望なら、オプションでつけることはできますし、リフォームすることも可能です。ただ、1418サイズのお風呂があれば足を伸ばしてゆったり湯船に浸かることはできるので、多くの人には十分なサイズです。

直床、直天井、二重床、二重天井のメリットデメリット

マンションを購入するとき、広さ(床面積)を気にする人は多いと思います。でも、高さ(天井高)を気にする人はそれほど多くありません。床が「直床」か「二重床」かを気にする人となると、さらに減ってしまいます。でも、「直床」か「二重床」かは、とても重要です。 直床・直天井と二重床・二重天井の違い 直床とは、床のスラブ(コンクリート)に直接フローリングなどの仕上げ材を貼るものです。直天井とは、天井のスラブ(上階の床スラブ)に直接クロスなどを貼って天井にするものです。これに対し、スラブとの間に空間を設けるのが二重床、二重天井です。 一般に、二重床・二重天井は、直床・直天井よりも遮音性能が高く、水回りや電気配線を動かすリフォームがしやすいとされています。これは、マンションに長く住むには非常に重要なポイントです。子どもがいる家庭などでは、直床は「どんどん」という音が下階に響きやすいので、それがストレスやトラブルになったりすることがあります。 しかし、最近のマンションで、「二重床・二重天井」を備えているマンションは多くありません。多いのは「直床・二重天井」の物件です。逆に「直床・直天井」の物件は、最近はほとんどありません。ですので、現在の新築マンション事情は「二重天井は常識」と考えて、ポイントを「床」に絞って確認すればいいでしょう。 階高を低くして全体の高さを抑える ではなぜ、直床仕様のマンションが多いのでしょうか。答えは簡単で、直床仕様なら階高(1階あたりの高さ)を13cm~23cm程度下げることができるからです。階高が低ければ、建物全体の高さを低くすることができますので、同じ高さなら工事費を安く上げることができます。 上述したように、マンションの「広さ」を気にする人は多いですが、「高さ」を気にする人はそれほど多くないので、デベロッパーとしては階高を低くしてコストを下げるのです。コストを下げれば、マンションの建設費を圧縮できます。 マンションの建設費を圧縮できれば、分譲価格も安くできる理屈です。ですから、直床マンションであっても、そのぶん価格が安ければ納得、といえなくもありません。 直床だからダメというわけではない 直床は遮音性が劣ると書きましたが、直床に最高遮音性能のフローリングを貼れば、性能の低い二重床よりも遮音性が高くなる、という専門家もいます。マンションの管理規約で、遮音性能が高いフローリングを必須としているマンションなら、直床でも遮音性で二重床にひけをとらない、というわけです。 一言で「二重床」といっても種類はさまざまで、安い施工のものもあります。そうした「安物二重床」に比べると、高性能遮音フローリングの直床がのほうが、たとえば衝撃音に強かったりするわけです。 リフォーム時に関しても、直天井は制約が大きくなりますが、直床はそれほどでもない、という人もいます。二重床も種類によっては間取り変更が難しいなどの制約を受ける場合もあるようです。 二重床は、その性質上、耐荷重では直床に劣る場合もあります。ぎっしり本を並べた本棚をいくつも置きたい方は、直床のほうが安心といえるかもしれません。 古い中古物件で二重床は少ない 新築物件を買うのなら、二重床が直床よりベターである可能性は高いでしょう。しかし、中古物件を購入する際は、築年数が古くなるほど、二重床物件が少なくなるので、直床を避けていては中古マンションそのものを買えなくなってしまいます。 そのため、中古物件では、直床というだけで拒否するのではなく、直床を承知した上で買うかどうかを判断すればいいと思います。 「直床・直天井」は避けた方が無難 直床が完全に悪いというわけではないのは、上述したとおりです。さらに直床には、広さの割に安く作れる、というメリットもあります。直床のデメリットを知ったうえで安く買うのなら問題ありません。 子どもがいない家庭なら、階下への気兼ねもそれほど大きくないでしょうし、直床マンションを安く買う、という選択肢はあっていいと思います。 「直床・直天井」の物件は、中古であっても考えものです。床も天井も両方「直」の場合は、リフォーム時の制約が大きくなります。よほど立地などが魅力的でないのなら、避けた方が無難です。

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