基礎知識

マンションを買うなら新築か中古か。正解はないけれど、それぞれの選び方は押さえておこう

マンション選びは新築がいいのでしょうか。中古がいいのでしょうか。予算が無制限なら新築マンションを買えばいい、という意見もあるでしょうが、そんな人はごく少数。限られた予算のなかで、自分に必要な立地や広さ、間取りなどを確保するには、新築と中古を両方視野に入れて、メリット、デメリットを勘案して購入したほうがいいでしょう。 新築マンションの魅力 まず、新築マンションの魅力は、なんといってもきれいなうえ、最新の便利な設備が用意されていること。広いリビングに機能的な間取り、高くてすっきりした天井、床暖房や浴室乾燥機、ディスポーザーなども設置されています。共用設備には宅配ボックスがあり、インターフォンも録画機能付き、大規模マンションなら来客設備などがあったりします。 また、新築マンションは建ったばかりなので、老朽化や建て替えの心配が当面要らない、というのも魅力でしょう。ただし、完成前の物件を買うことになるので、買う前にできあがった建物を見ることができない、という問題点もあります。完成後の新築マンションを買える場合もありますが、限られます。 中古マンションの魅力 一方、中古マンションの魅力は、何よりもお安いこと。同エリアの新築マンションと比較した場合、築浅でも2割程度は安いですし、築30年ともなれば半額以下のことも珍しくありません。同じ予算なら、より便利で立地のいい場所のマンションを買うことができるでしょう。 また、すでに建っているマンションなので、建物をじっくり見て購入することができます。傾いたマンションなどの欠陥住宅を避けやすいのは、中古マンションの大きなメリットです。 中古マンションのもう一つの魅力として、新築が建たないようなエリアでも購入できる、という点です。たとえば東京の山手線内にはこれからマンションが新築可能な魅力的な立地が、もうあまり残されていません。でも、中古なら、そんな立地でも物件が見つけられます。 「山手線の駅から近くて、日当たりが良くて、間取りが広くて……」なんて希望を抱いていたら、新築マンションなんてなかなか手に入りません。でも、既存の中古物件なら、良い出物があるかもしれません。

はじめてのマンション選びは何から始める? 予算確保と情報収集が大事

初めてマンションを購入する場合、何から始めたらいいのでしょうか? マンションがほしいと思ったら、まずは予算確保と情報収集が大事です。ご説明しましょう。 「希望エリア」「間取り」「予算」を明確に 「まずはモデルルームを見に行こう」というのはやめた方がいいでしょう。雰囲気に流されてしまい、自分がどういう住居を必要としているのか、見えなくなってしまう可能性があるからです。 最初にすべきことは、自分が住居に求める条件をリストアップすることから。とくに、「希望エリア」「間取り」「予算」の3つは明確にしておく必要があります。「希望エリア」は広めにとっておいたほうが物件が見つかりやすくなります。 間取りもある程度は柔軟性を持たせて探していいのですが、後で間取りを変えるわけにはいかないkとおが多いので、「3LDKなら3LDK」と譲れないポイントは確認しておきます。「予算」は、住宅ローンの返済可能額を計算したうえで、厳しめに見積もっておくべきでしょう。 最低でも5件は物件を見る 続いて情報収集です。今はインターネットで希望条件を登録しておくと、条件に見合った物件が出てきたらメールなどで知らせてくれるサービスがありますので、積極的に利用しましょう。 希望の物件が出たら、新築ならモデルルームへ、中古なら当該物件の内見へ出かけます。 このとき注意すべきなのは、最初から希望ど真ん中の物件を狙うのではなく、希望より少し予算が低かったり高かったり、立地が良かったり悪かったりする物件から見ていくこと。つまり幅を見ることです。それにより、自分の希望条件が、どこまで現実的なのかがわかるようになります。 最初に見た物件で決めたくなりますが、じっと我慢。最低でも5件は見るようにしましょう。そうすることで、自分の見る目も養われます。20件でも30件でもいいので、見られる限りは見るに超したことはありません。 実印や印鑑証明の準備もしておく この物件、と決めたら、不動産会社に伝えて申し込みをします。申込証拠金を支払い、ローンシミュレーションをしてもらい、重要事項説明を受けて売買契約を結びます。その後、ローンの手配をして、残金の支払いをし、物件の引き渡しを受け、入居という流れになります。 この間、早くても1ヶ月、新築の場合は竣工を待つので1年以上かかることもあります。 売買契約や引き渡し時の書類には、実印や印鑑証明が必要。期間が短い場合はあわただしくなりますので、実印や印鑑証明などの準備はお早めに。

マンションの共用施設、人気・不人気ランキング。この施設がほしい! いらない!

共用施設は、一戸建てにはない、マンションだけのメリット。個人では持てないような施設が、何百戸ものマンションなら持つことが可能になります。 でも、どんな共用施設でもあればいい、というわけではありません。あっても使わない施設、維持費が高すぎる施設は考えもの。そんな共用施設を持っているマンションを買ってしまうと、ムダな管理費を払う羽目になるかもしれません。 ここでは、マンションの共用施設について、人気・不人気をランキング形式でご紹介。 マンション共用施設人気ランキング まずは、マンション共用施設のうち人気のあるものランキング! 1位 宅配ロッカー マンションの共用施設で最も使われるもの。それは宅配ロッカーと言っていいでしょう。宅配ロッカーは、いまやマンションに必須の設備です。 よく使われるだけに、宅配ロッカーは十分な数がほしいところ。目安は戸数に対して3分の1程度。100戸のマンションなら33箱程度が必要です。それより少ないマンションだと、宅配ボックスが頻繁に満杯になるかもしれません。 2位 駐車場・駐輪場 駐車場、駐輪場も、マンションに必須の共用施設です。どの程度の数が必要なのかは、マンションの立地によります。都心立地や駅に近いマンションなら、クルマに乗る人は少ないので、駐車場も5戸に1台あれば十分でしょう。逆に、クルマなければ生活しづらいところなら、駐車場の数は戸数分必要です。それも自走式がいいでしょう。 駐輪場は、交通の便利の高い都市中心部でもニーズが高いです。1戸1区画は必要で、最近は1戸あたり2区画あるマンションも。2段式は嫌われるので、1段式がいいでしょう。 3位 ゲストルーム 最近の大規模マンションでは、ゲストルームが設けられていることがほとんどです。ゲストルームとは、いうまでもなくお客さんを泊める部屋。タワーマンションでは中上層階に設けられることが多く、景色が良いので居住者が一晩泊まったりすることも少なくありません。 かつては和室もありましたが、最近のゲストルームは洋室が多く、ベッドメイクなどのリネン関係は外注するかコンシェルジュさんなどがやってくれます。有料が原則で、1泊の使用料は2,000円~1万円程度。リネンなどの経費を賄うには、4,000円程度の料金を取る必要があるそうですので、それより安いと、管理費からの持ち出しになっていることも。 ゲストルームの人気不人気はマンションによって異なります。人気のあるタワーマンションのゲストルームでは、週末は予約が難しかったりします。実用的には、100戸に1部屋くらい必要といわれています。 タワーマンション以外では、それほど使われていないので不要、という話も聞きます。住民層によって、人気不人気が大きく分かれる施設といえます。 4位 エントランス・ロビー エントランスは、マンションの顔です。豪華なマンションでは、エントランス・ロビーが広く、ソファが置かれていたりします。大規模マンションになるほど、こうしたエントランス・ロビーが充実しています。 ロビーの使い方としては、来客を部屋の玄関にあげずに応対する、いわば応接の役割が大きいです。保険屋さんとか、家に上げるのが面倒なお客さん対応にはもってこい。また、マンション住民同士の待ち合わせにも使えます。雨の日の子どもの遊び場になったりすることも。あれば便利な施設です。 ただ、中規模以下のマンションでは、狭いロビーにソファがあっても寂しいですし、使いづらいもの。そのためあまり活用されていない、という声も聞きます。 5位 庭園・中庭 大規模マンションには、たいてい中庭があります。植栽の維持などにお金はかかりますが、子どもを遊ばせたりするのにはいいですし、ちょっとした散歩にも使えます。 大規模再開発にはこうしたスペースの設置を必要条件として求められていることが多いので、必要かどうかというより、維持しなければならない設備だったりすることがあります。 中規模以下のマンションでは、あってもなくてもどうでもいい設備になりがちです。散歩できるほどの広さがなければ、無用の施設という人もいます。 6位 コンシェルジュ・管理人 マンションのロビーには、たいてい管理人室があります。管理人やコンシェルジュが常駐しているかはマンションによって異なりますが、常駐しているマンションは、安心感があります。また、ちょっとした用事を頼んだりするのにも便利です。予約の必要な共用設備の手続ができたりもします。 ただし、戸数の少ないマンションだと、管理人を雇うと人件費負担が大きいので難しいでしょう。また、「管理人に出入りを見られるのはイヤ」という人もいます。 タワーマンションは24時間管理人の常駐が法で義務づけられているので、管理人か警備員の誰かが必ずマンション内で待機しています。好き嫌いの問題ではなく、いなければならないのです。 7位 ラウンジ ラウンジは、エントランス・ロビーの応接を指すこともありますし、ロビーとは別の応接室、または集会室を指すこともあります。ここでは、ロビーとは別の応接室や集会所の話をします。 エントランス以外のラウンジは、来客やマンション住民のミーティング施設と考えればいいでしょう。タワーマンションで上層階に設けられたり、大規模マンションで庭を眺められる場所に設けられたりしています。予約なしで自由に使えるスペースをラウンジと呼ぶことが多いようです。 大規模マンションでは、ちょっとした飲み物を出してくれる喫茶施設になっていることもあります。 なくても困らない施設ですが、リタイア組の多いマンションでは交流の場になったりしているようです。 8位 会議室・集会所 会議室や集会所を設けているマンションもあります。たいていはマンション内の集会に使われます。ラウンジと違って、使用に予約や料金が必要な部屋です。大規模マンションには、たいていこうした集会室が設けられています。 集会室は、マンションの1階に設けられることが多いです。1階はマンションの部屋には適さないことが多いので、こうした共用スペースに充てられるわけです。 9位 キッズルーム 子どもが遊べるスペースです。ロビーの片隅にマットが敷いてある程度のものから、小さな遊戯施設が置いてある専用の部屋が設けられている場合もあります。 怪我をした場合の責任問題などから、最近は独立した専用スペースを設けるマンションは減っています。管理人の目の届くロビーの隅にある程度のものなら、小さな子どもを安全に遊ばせるのに適しているので、意外と人気があります。 マンションの居住者が高齢化すると使用者が減ってきますが、ロビーの隅にある程度なら、いつでも撤去できるので問題ありません。専用ルームがある場合は、利用者が減ってきたときにどう扱うかが課題になるでしょう。 10位 パーティールーム パーティールームは、最近のマンションで設置が増えている施設。集会室に厨房が付いたもの、と考えればいいでしょう。子どものいる家庭や、友達の多い人には、こういう施設は重宝します。最近は、屋外にバーベキュースペースを設けたり、違った形のパーティスペースを設けるマンションでも出てきました。 ただ、使う人と使わない人できれいに分かれる施設ともいえます。使わない人にとっては、「無駄な施設」ナンバーワンかもしれません。 11位 ライブラリ・学習室 最近増えているのがライブラリや学習室です。公共の図書館のように蔵書がそろっているわけではありませんが、机とイスが設置されていて、仕事や勉強ができるようになっています。利用料は無料が多いですが、少額の料金を取ることもあります。 フィットネス・ジムなどに比べると、維持費が安いわりに、利用者が多いの施設なので人気が出てきました。 上述しましたが、マンションの1階は居室には向かないので、何か共用施設を作ろう、とデベロッパーは知恵を絞ります。そのため、ラウンジやライブラリといった、役立ちそうで維持費の安い施設が増えてきたのではないか、と思います。 不人気共用施設・ランキング では、マンション共用施設のうち不人気のものや、無駄なものランキングに移りましょう。 1位 フィットネス・ジム フィットネス・ジムは、一時期流行りました。大型マンションに多く設置され一世を風靡しましたが、最近は設置するマンションが減っています。 その理由として、高額な器具を置かなければならないため、導入時の設備コストが高いうえに、維持管理にもお金がかかることです。利用者はそれなりにいるのですが、金食い虫なので嫌われる、というケースが多い様子。 また、近くに民間ジムができたりすると、そちらのほうが設備が整っているので、利用者が減ったりするそうです。 2位 プール プールを設置しているマンションはあまりありません。プールは維持費がものスゴイわりに、一部の人以外は全く使わない施設だったりするので、はっきりいってコスト的な問題だけで考えれば、ムダとしかいいようがない施設です。 ただ、プールはその「ムダ」こそがステイタスである、と考えることができます。一戸建ての家でプールを持っている家がありますが、あれもプールを毎日使うというよりは、泳ぎたいときに泳げる、というステイタスの意味合いが強いのではないかと思います。 マンションでも同じで、プールがあるようなマンションは管理費が高いですが、そういう管理費もきちんと払える人が住んでいるマンション、ということです。ステイタスシンボルとして考えるべき施設でしょう。 3位 ジャグジー・温泉施設 ジャグジー、温泉も維持費の高い施設です。水を大量に使うので水道代がかかりますし、マンションが古くなるにつれ、配管などで修繕が必要になり、管理組合が頭を抱えることがしばしば。とくに、温泉は塩分の影響で配管が痛みやすいので、修理費は高額になりやすいです。 高齢者の多いマンションでは、ジャグジーや温泉は愛されます。「これがあるからこのマンションに住んでいる」という人もいます。維持にお金はかかるものの、プールよりは実用性があります。 清潔さがとくに求められる施設なだけに、管理は綿密に行う必要があります。古くなると清潔感が失われるため、施設改修をしなければ利用者が年々減っていく傾向もあります。こうした理由で、最近のマンションでジャグジーや温浴施設を付けているのは少数です。 4位 保育所 保育所を設置している施設もあります。マンション住民専用か、誰でも使えるものかは、施設によって異なります。 マンション住民専用の保育所は、待機児童問題が話題になっているいま、人気の高い施設です。でも、じつは維持費も高額。マンション住民だけでずっと維持していくのは難しいでしょう。 マンション保育所の維持システムはマンションによって異なります。マンション住民だけが使える施設の場合、新築分譲当時に、デベロッパーが維持費を数年分前払いしています。そのため、当初は住民の負担は小さいのですが、ある年数が経つと、維持費の請求が管理組合に回ってきます。そのときに、対応しきれないという結論になると、保育施設は出て行ってしまいます。 マンション住人専用の保育室は、重い維持費がのしかかってくることを頭に入れておきましょう。子育て世代が少なくなると、撤去される共用施設です。 公共の保育所がマンションスペースを借りて運営する場合もあります。この場合は、利用者がいるならば維持費の問題はそれほど大きくはなりません。保育所のあるマンションに住むときは、その維持管理スキームを確認することが大事です。 必要な施設は人によって異なる さて、ここまでいろいろ書きましたが、実際にどんな施設が自分にとって必要かは、人によって意見が分かれるでしょう。共用施設は大規模マンションなら維持しやすいですし、それこそが大規模の魅力です。一方、中小規模のマンションでは、機械式駐車場すら持て余すことがありますので、共用施設は少ない方がいいでしょう。シンプル・イス・ベスト、という考え方もあります。 筆者の個人的な意見としては、共用施設は少なければ少ないほどいいでしょう。大規模マンションならロビーラウンジや中庭、ゲストルームなどがあってもいいですが、中小マンションならロビーなんてあっても寂しいだけなので、何もなしでいいと思います。 どんなマンションでも最低限必要なのは、駐輪場、宅配ロッカーくらいではないでしょうか。

「良いマンション」7つの条件。「悪いマンション」とはここが違う!

マンションを買うなら、誰もが「良いマンション」と評価する物件を買いたいものです。では、良いマンションの条件とはなんでしょうか。ここでは、マンションを買うときにチェックすべき「良いマンション」の条件を見てみます。 マンションはいつか売らなければならない まず最初に、もっとも大事なことを理解しておきましょう。それは、マンションを買ったら、いつかは売らなければならない、ということです。 もちろん、なかには、死ぬまで売らないで人生を終える人もいるでしょう。でも、そんな人は少数です。明確な統計データがあるわけではありませんが、体感的には、新築分譲マンションの購入者の1割が10年以内に売却し、3割が20年以内に売却します。30年経てば、半数が売却するでしょう。 人生にはいろいろなことが起こります。買うときは永住を覚悟していても、さまざまな事情で売却することになる可能性は、誰にでもあります。マンションというのは「いつか売るもの」として購入した方がいいのです。 もちろん、売らない人もいるでしょうが、30年後のことなんて、予想できないでしょう? なら、マンションは売ることを前提に購入したほうがいいですし、売りやすいマンションを買うべきです。 そして、売りやすいマンションとは、「住みやすいマンション」です。住むのに魅力的だから買いたい人がいるわけで、だからこそ「売りやすい」のです。お金の話だけではなく、売りやすいマンションは住みやすい、ということを念頭に置きましょう。 「売りやすいマンション」が良いマンション つまるところ、良いマンションとは、「売りやすいマンション」です。では「売りやすいマンション」とは、どんなマンションでしょうか。以下に書いていきましょう。 1 駅徒歩10分以内であること 立地に関しては、最寄り駅からの距離が大事です。「駅力」も大事ですが、たとえ駅力が低くても、駅から近いことが何よりです。というのも、最近のマンション購入はインターネットによる検索がメインで、「駅徒歩●分」で、絞り込み検索をされてしまうからです。 2 買い物と公共施設の便がいいこと 駅と同様、徒歩10分以内にスーパーがあるのは必須です。コンビニも近ければ近いほどいいでしょう。役所や公園といった公共施設も大事です。これらも徒歩10分圏内にあるといいでしょう。 3 道路付けがいいこと マンションの敷地がどんな道路に面しているかを「道路付け」といいます。道路は幅員6メートル以上の、交通量の少ない道路に面しているのが理想です。6メートル以上といっても、幹線道路に面しているのはむしろマイナス要因になります。片側1車線程度の、それほど交通量の多くない道が一番いいでしょう。 逆に、細い道にしか面していないマンションは、大規模修繕時にトラックが入れないなどの不利益があります。そうなると、修繕費用が割高になります。 4 隣地に空き地がないこと 隣地、とくに主開口面に空き地や駐車場がないことも大事です。主開口面とは、おもにリビングのベランダを指します。ベランダの前に空き地や駐車場があると、将来、そこに何が建つかわかりません。ベランダ前の状況が、ある程度固まっているほうが、将来の不安がなくなります。 仮に隣地に一戸建てが建っていたとしても、建て替えが生じることもありますので、確認が必要です。隣地にどれだけの高さの建物が建てられるかは、用途地域である程度予測できますので、日照や眺望に影響を及ぼす可能性がある場合は、よく確認しておくべきです。 5 学区の評判がよいこと ファミリー向けマンションでは、学区も重要です。小学校までの距離が近いか、評判が良いかは良く確認しましょう。たとえあなたに子どもがいなくても、子どものいる方が、将来のマンションの買い手になるかもしれません。 人気学区に建つマンションは資産価値が落ちにくいです。可能なら、人気学区のマンションを狙いましょう。 学校までの通学路も確認します。たとえば交通量の多い幹線道路を渡らなければならない、通学路が細く危険など、通学路に難があると、ファミリー層の購入希望者が激減しますので、資産価値に影響が出ます。 6 ハザードマップで問題がないこと ハザードマップは、最近はインターネットで確認できます。浸水可能性がある地域の物件は要注意です。たとえ上層階のマンションであっても、下層階が浸水したら、マンションの資産価値に影響が出ます。 7 住所が良いこと 住所も大事です。「田園調布」「成城」といった有名な住所は、それだけで集客力があり、転売しやすくなります。 そこまで良い住所ではなくても、住所から来るイメージは、不動産の価値に影響します。よく言われることですが、「世田谷区」と「川崎市」「調布市」は隣り合っていますが、市区境を跨ぐだけで不動産価格が1割以上異なることもあります。「世田谷区」の住所は、それだけ強いのです。 首都圏でマンションを買うなら、できれば都心6区、それが無理でも東京23区が、「強い住所」です。関西でも、「大阪市北区」や「京都市中京区」などは強いです。

資産価値からみた「買ってはいけないマンション」。旧耐震、メゾネット、コーポラティブは避ける

マンションは立地が重要で、資産価値の8割は立地で決まるといってもいいでしょう。とはいうものの、立地だけでマンションを選ぶのもおすすめしません。 「旧耐震」は資産価値が低い 買ってはいけないマンションの筆頭格は「旧耐震」です。築年数の古いリノベーションマンションなどが該当します。 リノベーションとは、間取りまで変えるような大幅なリフォームのことです。リノベーションをすること自体は問題ないのですが、あまりに古いマンションは耐震性能が劣るため、資産価値が低いのです。 具体的には、1981年以前に完成したマンションは旧耐震ですから、立地が良くても資産価値の観点からは買うべきではありません。1982年~1984年頃に完成したマンションも、旧耐震のものが含まれることがありますので、確認しましょう。 耐震補強を行っている場合は? 旧耐震のマンションでも、耐震診断で新しいマンションと同程度の耐震性能を持つと診断されているものもあります。また、必要な耐震補強を行っていることもあり、大丈夫と判断されることもあります。 しかし、自分がそう判断しても、他人も同じように判断してくれるとは限りません。旧耐震というだけでマイナスのイメージを持ち、購入を避ける人もいるのです。そういう人が多いと、マンションの資産価値は低くなります。 こうした理由から、資産価値という側面でみると、やはり旧耐震はおすすめできません。 メゾネットはマンションの「メリット」を活かせない また、メゾネット形式も、「買ってはいけないマンション」の一つです。メゾネット形式とは、マンションの区分住戸が二層に分かれていて、住戸内部に階段があるタイプのマンションです。一戸建てに似ているこということで、一時期人気が出ましたが、最近は減少しています。 なぜ、メゾネット形式は「買ってはいけない」のでしょうか。それは、マンションの「メリット」を活かしていないからです。 マンションの常識とは、床がフラットで、バリアフリーが徹底されている点です。新しいマンションの多くは、外部からロビーに入り、住戸の玄関を経て、リビング、各居室に至るまで、ほとんど段差がありません。なぜそうなっているかというと、そういう住戸を好む人が多いからです。 人間工学的にも、人は上下の移動よりも平面の移動を「ラク」と考えます。バリアフリーがメリットのマンションに、それを阻害する階段を持ち込む時点で、資産価値には不利に働きます。 そのため、中古マンション市場でも、メゾネットは売れにくいことが知られています。長屋形式のマンションも、同様な理由で避けた方がいいでしょう。 コーポラティブはイメージが見劣り コーポラティブ形式のマンションも要注意です。コーポラティブとは、不動産会社が分譲するマンションを買うのではなく、個人が集まって一緒に土地を買い、建物のプランニングや工事の発注などを行うものです。 実際には設計事務所などの「プロ」が入ってコーディネートしますが、間取りや内装などを好みにあわせて自由に設計できるというメリットがあります。 こうしたマンションは、どうしても規模が小さくなり、全体で数戸~十数戸になってしまいます。そのため、管理費や修繕積立金が割高にならざるを得ません。 また、新しいうちはいいのですが、デベロッパー分譲のマンションに比べ、古くなるにつれてイメージが見劣りします。そのため、資産価値は低く見積もられがちで、中古で売却する際の下落率が低くなりやすいです。

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お金と税金

マンションを買うときは「出口戦略」を大事にする

マンションの資産価値を維持するには、購入時から出口戦略を意識することが大事です。出口戦略とは、将来、そのマンションを手放すときのことを考える、ということです。 誰がそのマンションを買ってくれるのか 人生にはさまざまなシーンがあり、ずっと住みたいと思っていたマンションでも、売ったり貸しに出したりしなければならなくなるときがあります。そういうときに、すんなり売ったり貸したりできるように、購入時から考慮しておく必要があります。 そのために大事なことは、将来、「誰がそのマンションを買ってくれるのか」「誰が借りてくれるのか」をイメージしておくことです。 育児エリアでは大規模マンション たとえば、小さい子どもが集まりやすいエリアでは、大規模マンションのほうが売りやすいでしょう。なぜなら、キッズルームや広い中庭などの共用施設が充実していて、子育てしやすそうに見えるからです。 ペットを飼えるマンションも人気です。なかでも、「大型犬」が飼えるマンションはあまりありませんので、一定の需要ががあります。もちろん、大型犬を飼う人はそれほど多くありませんが、「他にはない特徴がある」ということが、マンションでは大事なのです。 都心なら芸能人向け物件も 都心限定ですが、大型車の入るマンションも人気があります。都心では、マンションの駐車場は不足していて、大型車対応となると、さらに少ないです。そのため、富裕層のニーズがあるのです。 同様に、セキュリティのきわめて高いマンションは、芸能人のニーズがあります。「芸能人なんてほとんどいないじゃん」と思うなかれ。借りる人、買う人は1人いればいいのです。芸能人の集まる東京都心部なら、物件に希少価値があれば売れていきます。 他とは違う特徴があるか。そのエリアに適したマンションになっているか。そのエリアで、そのマンションをほしがる人が一定数いるか。こうしたことを考慮するのが「出口戦略」です。販売相手がいることが、マンションの売却を終えるのに重要なのです。

財形って役に立つの? サラリーマンの頭金作りの王道だけれど、低金利下では意味がない。

サラリーマンの方なら、会社に「財形」の制度がある人も多いでしょう。「財形住宅貯蓄」という名称で、住宅取得に関するお金を貯める場合に、一定金額まで利子が非課税になるものです。昔は、マンションなどを購入するときの頭金作りの王道とされました。 が、今でも役に立つのでしょうか? 目的別に3つの財形 財形とは、勤労者財産形成貯蓄制度のこと。サラリーマンの勤務先が、銀行などと提携して、給与やボーナスから天引きでお金を貯蓄してくれる制度です。 財形は目的別に3種類あります。「住宅」「年金」「その他」です。それぞれ「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」「一般財形貯蓄」という名称です。 財形の最大のメリットは、利子が元利合計で550万円まで非課税である、という点。普通の預貯金では利子に20%の税金がかかりますが、住宅財形と年金財形は、合算して元利550万円まで非課税になるのです。 また、住宅財形の場合、財形貯蓄を1年以上継続して、積立金額が50万円以上になると、積立金額の10倍(最高4000万円)まで、住宅取得に必要なお金を低利で借りることができます(全体の80%まで)。これを「財形住宅融資」といい、財形のメリットとされてきました。 金利が高ければ有利だが 金利が高い局面なら、住宅財形はなかなか有利な制度です。ただ、現在のような低金利下では、正直、それほどメリットはありません。利子に課税されないといっても、低金利では利子自体が非常に少ないので、課税されてもされなくてもせいぜい数十円や数百円の差にしかなりません。銀行の定期預金と比べて、大差ありません。 財形住宅融資にしても、最近は銀行の10年固定金利よりも金利が高かったりします。となると、金利面や税金面から財形の優位性は失われてきているのが実情です。 貯められない人にはいい制度 あとは、給与天引きをどう考えるかです。給与から一定金額が毎月差し引かれて貯蓄に回されるというのは、お金を貯めるにはいい制度でしょう。貯蓄が苦手な人には素晴らしい制度といえなくもありません。 でも、自分で計画的に貯められる人にはどうでもいい話ですし、財形は、いざ使うときに、お金を引き出す手続きがちょっと面倒というデメリットもあります。自動的に積み立てるなら、銀行の積立貯金でも似た効果が得られます。 ということで、現在の低金利下において、住宅財形は銀行の定期預金と比べて大きなメリットはありません。財形が無駄だとはいいませんが、銀行の積立貯金のほうが使いやすくて便利でしょう。

人口減少でマンション価格は下落するのか?

日本はこれから人口減少社会に突入します。となると家は余っていきますから、マンションの価格相場も下落していく、という考え方があります。はたして、この考え方は正しいのでしょうか? 不動産価格は二極化している 最近のマンション価格動向の大きな特徴は、地域による不動産価格の二極化です。たとえば、人口が集中する首都圏であっても、人気のない沿線の郊外では、いくら広告を打っても売れないマンションが増えています。建物が完成し、入居も始まっているのに、売れ残りの残戸がはけないのです。 一方、人気のある沿線で、都心に近いエリアでは、こうした状況は起きておらず、建物の完成を待たずに売れてしまう物件も数多くあります。都心のタワーマンションなどは、高い部屋から売れていく場合も少なくありません。 購入限度額で頭打ちになる 不動産業界では、各エリアごとに「購入限度額」がはっきりした形で存在します。たとえば、Aという沿線では、4000万円以上になると急に物件が売れなくなる、というような現象です。 個人の不動産の購入限度額は、「年収の5倍」というのが相場です。自分がマンションに支払える限度額は自分が理解していますから、それを超えてマンションを買おう、という人は少数ですし、そもそもローンが通りません。 そのため、デベロッパーがいくら高いマンションを供給しても、そのエリアの年収相場からかけ離れた物件というのは売れないのです。これが「購入限度額」を形成します。 今後、日本で急激なインフレが起こる兆候はありません。国民の給与水準が上がる気配もありません。そうしたなかで、人口が減っていくということは、購入限度額の高いエリアが少しずつ減っていくことになります。そうなると、マンション価格も頭打ちになります。 外国人の購入需要は増加 ただ、世の中には高給取りは必ず存在しますし、富裕層も存在し続けます。そして、不動産価格は、需要と供給で決まります。供給の少ない人気エリアでは、一定の富裕層が不動産を求め続けますので、値崩れは起こりにくいと言えます。 とくに東京都心部では、外国人の不動産購入需要が増加していますので、今後も不動産価格が大きく下がることは考えにくいのも事実です。 いっぽう、人気沿線以外の郊外では、マンション価格の下落傾向は続くでしょう。資産を守る目的でマンションを買うのなら、とくに立地には気をつけて、人気沿線で購入した方がいいでしょう。

「新築マンションは買わないほうがいい」は本当か?

不動産評論家のなかには、「新築マンションは買わない方がいい」という人も少なくありません。その理由は、新築マンションは値下がりしやすいから、というもの。 あるいは「新築マンションは、建物ができあがる前に買うので、リスクが高いから」という人がいます。こうした意見は、正しいのでしょうか? 新築プレミアムは8% 新築マンションの価格には、売り主である不動産会社(デベロッパー)の利益が上乗せされています。そこにいったん人が住むと、その利益分が剥がれ落ちる形で、評価額が下がります。剥がれ落ちた利益分こそが「新築」のプレミアムで、「誰も住んだことのない住戸に住む」ことの対価といえます。 この「新築プレミアム」は、だいたい価格の8%程度と言われています。新築マンションの1年後の価格下落率の平均をとると、だいたいそのくらいになるから、ということのようです。5,000万円のマンションなら、370万円が「新築ならではのプレミアム分」ということになります。 1年後に8%下がった価格は、その後、毎年2%くらいずつ下がります。これは建物の経年劣化による価格下落です。下落幅は年を経るごとに縮小していき、築20~30年を経ると、価格はほとんど下がらなくなります。 青田売りのリスク また、新築マンションは、「青田売り」といって、建物が完成する前に販売されます。できあがった建物が、イメージと違う、ということもよくありますが、キャンセルするには高額のキャンセル料がかかり、あとの祭りです。 こうしたことが、「マンションを買うなら、新築ではなく中古をおすすめする」という専門家の発言の理由です。 新築にも大きなメリットが ただ、新築には、大きなメリットがあります。それは「好きな住戸を選べる」ということ。抽選に当たりさえすれば、最上階でも角部屋でも選び放題です。 そもそも、人気エリアのマンションは供給が少なく、中古物件もあまり出てきません。そうしたエリアで中古マンションを探そうとしても、好きな建物や好きな部屋は選べません。「7階くらいの南向けの部屋が売りに出ないかな」なんて思っても、そうそう都合良いタイミングでは買えないのです。 「築10年の中古マンション」は少ない 中古をおすすめする人は、「築10年のマンションを買うのがいい」とよく言います。でも、そういわれても、築10年の中古マンションはあまりありません。新築を買って10年で売りに出す人はそれほど多くありません。そのため、築10年のマンションは出物が少なく、人気エリアではそんなに安くはありませんし、市況によっては値上がりしていることすらあるほどです。 人気エリア以外では、築10年のマンションはたいてい値下がりしていますが、逆に言うと、安くなった中古マンションを買うと言うことは、値下がりエリアで10年後に築20年のマンションを抱え込んでしまうわけです。それはそれで不安ですよね。 ということで、経済的な側面だけ見れば、新築より中古にメリットが多いのは事実です。でも、そう都合のよい中古物件がない、というのもまた事実なのです。

資産価値を保ちやすいマンションとは? 駅から近くて日当たりが良いのが大事!

マンションを購入するとき、大切にしたいのが資産価値。自分が「このマンションは素晴らしい!」と思っても、他人から見て「今ひとつ」と思われたら、資産価値は高くなりません。自分の価値観とともに、第三者の価値観も大切にしておきましょう。 マンションの資産価値とは? マンションの資産価値とは、売却時や賃貸時にどの程度の値が付くかを指します。資産価値の高いマンションとは、買いたい人が多いマンション。あるいは、借りたい人が多いマンションです。 買いたい人が多ければ、マンションの値段が上がります。借りたい人が多ければ、高い値付けで賃貸に回せます。東京都港区のマンションの資産価値が高いのは、買いたい人、借りたい人が多いからです。 同じマンションでも、新築のほうが資産価値が高いです。駅からの距離は遠いよりは近い方がいいでしょう。周辺環境は騒がしいよりも静かなほうがよく、もちろん治安がいいエリアほど資産価値は高くなります。 このように、マンションの資産価値を構成する要素はたくさんあります。さまざまな要素が複雑に絡み合って、マンションの資産価値を構成していきます。 資産価値の構成要素 マンションの資産価値を形作る主な要素を挙げてみましょう。 1 駅からの距離(近い方が価値が高い) 2 駅の利便性(人気路線や急行停車駅ほど価値が高い) 3 町並み(高級住宅地や、利便性のいい商業地は価値が高い) 4 広さ(広い方が価値が高い) 5 間取り(使いやすいか、採光がよいかなど) 6 日当たり(南向きが価値が高い場合が多い) 7 眺望(海が見える、夜景がきれいなど) 8 管理(清掃が行き届いているか、積立金が足りているかなど) 9 分譲会社(大手デベロッパーを好む人は多い) 10 建設会社(大手ゼネコン施工を好む人は多い) 11 共有施設(施設によって評価は変わる) このほかにも、たとえば駐車場がどれだけあるか、立体駐車場か平面駐車場か、といったことや、ディスポーザーの有無、宅配ロッカーの数、共有施設、管理人の常駐時間など、細かなことが影響していきます。 一つ一つの要素は小さなことに見えても、こうした要素がすべて優れているマンションは、値段が高くても売れていきますし、賃貸に出したら借り手がつきやすいです。つまり、小さな積み重ねが資産価値を形成していくのです。 なぜ資産価値が大事なのか 自分が気に入れば、資産価値なんてどうでもいい、と思う人もいるでしょう。しかし、予期せぬ転勤や、子どもの教育、親の介護などで、引っ越しを余儀なくされることはあります。その場合、資産価値の高いマンションなら売ることも容易ですが、資産価値が低いとそうはいきません。 そのため、買うのなら、マンションの立地から管理に至るまで、資産価値という観点からきちんとチェックすることが大事なのです。 最も大事なのは立地 とはいうものの、資産価値でもっとも大事なのは、立地です。人気路線の人気駅から徒歩圏内のマンションなら、ほかの要素が全部いまひとつでも、それなりの資産価値になります。逆に、他の要素がすべて素晴らしくても、鉄道駅から離れた不便な立地だと、資産価値には限界があります。 あるいは、駅から少し離れていても、東京都港区や鎌倉市、京都市中京区といった、ブランド価値の高いエリアは、やはり資産価値は高くなります。一方、駅から近くても、ブランド価値の低いエリアは、資産価値が低くなります。 日当たりは立地についで大事です。日当たりのいい南向きのマンションは需要が多いので、資産価値が高くなります。南向きでなくても、眺望がいいマンションは評価が高いです。タワーマンションの上層階では南向きが暑いから敬遠される、などの例外はありますが、おおむね南向きで日当たりが良く、眺望も開けているマンションが資産価値が高いでしょう。 駅から近くて日当たりのいい物件を買っておくことが、何より大事といえます。 大手分譲は資産価値が高い? 分譲会社や建設会社の名前は、新築販売時には値段に影響しますが、中古市場ではそれほど大きな価値を持ちません。大手デベロッパーで有名ゼネコン施工の中古マンションが売りやすいのは確かですが、立地がよければ、分譲会社の名前など関係なく売れます。逆に、「大手分譲だから中古でも売れる」ということは、あまり考えられません。 共有施設は充実しているほうが良いですが、そのぶん管理費が高くなるなら、マイナス要素になるケースもあります。ジャグジーやスポーツジムがマンション内にあった場合、「余計なコストがかかる」と敬遠されることもあります。ゲストルームやキッズスペース程度なら、あったほうが資産価値は上がるでしょう。

リフォーム

リフォームで使える「キッチン」の費用と相場。安くておすすめのキッチンは?

マンションでも一戸建てでも、リフォームするときに悩むのがキッチン。各社から多くのシステムキッチンが販売されてて、どれも一長一短に見えてしまいます。ここでは、リフォーム向けのキッチンをご紹介。費用、相場とおすすめを解説しましょう。 どんなキッチンメーカーがあるの? まず、キッチンの最大手はどこでしょうか。答えはLIXIL。サンウェーブとINAXなどが合併して経営統合した結果、システムキッチンシェアの3割を占めています。次がタカラスタンダードで、LIXIL誕生までは長年キッチン史上首位を占めてきた老舗です。以下、3位クリナップ、4位パナソニックと続きます。 そのほかのキッチンメーカーとしては、水回りに強いTOTO、給湯器に強いノーリツ、YAMAHAの系統を引くトクラス、旧日立系で現在はヤマダ電機グループのハウステックといった会社があります。最近はニトリやIKEAなどの家具小売店もシェアを伸ばしています。 キッチンの最低価格はどのくらい? システムキッチンの価格はベースとなる「本体価格」に「オプション」を組み入れた総額です。「本体価格」だけならそれほど高くはなく、格安キッチンなら10万円台でも一通り揃います。 たとえば、ニトリのキッチンなら、幅2560mmで19万9000円のものが販売されていますが、ガスコンロやレンジフード、引き出しなどのフロアキャビネットや、頭上のウォールキャビネットもこの値段に含まれています。これに食洗機を付けると24万9000円になります。 これで十分といえば十分で、実際、ファミリー向けの賃貸マンションでは、こうした10万円台のキッチンが備えられていることもよくあります。10万円台のキッチンで大丈夫?なんて声も聞きますが、きちんと施工されれば20-30年は持ちますので、心配する必要はありません。 価格相場をつかもう! ただ、分譲マンションで自分専用のキッチンで、もっと使いやすいものを、となると、もう少しいいブランドのものを選びたくなりますし、さまざまなオプションを付けたくなります。 マンションリフォームの価格相場をつかむのにわかりやすいのが、クリナップです。クリナップは「S.S.」「クリンレディ」「rakuera(ラクエラ)」「コルティ」という4つの性格付けの異なるブランドのキッチンを販売しています。 まず「S.S.」は最高級ブランド。質の高いステンレスを使った高品質キッチンで、幅2550mm(以下同)の参考価格が99万4550円。次のクリンレディはオールステンレスながら手頃な価格を実現した物で、参考価格が63万8000円。ラクエラは木製キッチンで49万2800円。コルティは幅1800mmのコンパクトキッチンで30万9700円となっています。 ラクエラを例に取ると、最低価格は49万2800円ですが、扉に使う素材で異なります。鏡面仕上げの「グランドシリーズ」という扉を使うと55万9800円になり、マット仕上げや光沢仕上げは安くなります。さらに使う木材によって「コンフォートシリーズ」は50万9800円と少し高くなります。 49万2800円は、最もグレードの低い「シンシアシリーズ」という扉を使った場合です。扉による価格差は結構大きく、クリンレディで高い扉を付けると、S.S.の安い扉を付けた場合より高くなってしまいます。 大手メーカーは基本価格50万円が相場 タカラスタンダードやクリナップといった大手メーカーの場合、主力ブランドの基本プランは、2550mmで50万円前後に設定されています。したがって、大手システムキッチンの相場価格は、基本プランなら50万円前後と考えていいでしょう。 ただ、これはあくまで定価で、実際に施工する業者によって卸値は異なります。たとえば、上記ラクエラの場合、格安キッチンとして検索すると、15万円前後の価格を見つけることができます。つまり、6割~7割も値下げしているのです。 ニトリやIKEAなどの格安キッチンの場合は、15~20万円前後の価格設定が相場で、値引きは基本的にはありません。つまり、大手キッチンの安値ブランドや小売店の格安ブランドのキッチンは、基本プランで15~20万円程度が実勢価格の相場といえます。 オプションを付けると高くなる ただし、システムキッチンを基本プランで購入する人はあまりいません。食洗機を入れたり、引き出しを増やしたり、シンクの形を変えたり、ワークトップの素材を変えたりします。こうしたオプションによってキッチンの値段は基本価格の倍くらいになることもあります。 扉の色や素材によって大きく価格が変わることは前述しましたが、メーカーにとっては、基本価格は安くしながら、オプションで利益を得るというのが一つの戦略なのです。 オプションを付けた総額はいくらくらいなの? という質問を受けることもありますが、千差万別としか言いようがありません。定価ベースでいうなら、基本価格の1.5倍くらいが総額になるようなオプションを付ける人が多いです。 食洗機を付け、シンクやレンジフードや水栓を少しいいのに変えて、引き出しも増やしたりすると、そのくらいの価格になります。つまり、定価ベースで70~80万円くらいが相場と考えればいいでしょう。 どのくらい値下げしてくれる? 値下げ後の価格に関しても千差万別ですが、大手メーカーの主力ブランドの場合、2割~3割引程度と考えておくといいでしょう。インターネットを検索すると半額くらいの格安価格を提示している会社もありますが、そこまで値引いてくれることは、実際にはあまりありません。 値引いてくれたとしても、そのぶん施工費用に上乗せされることもありますので、表面上の価格にこだわるよりも、総工費を見たほうがいいでしょう。 キッチンのおすすめブランドは? おすすめブランドは、一概にはいえませんが、ホーローが好きならタカラスタンダードの「リテラ」、ステンレスがいいならクリナップの「クリンレディ」、木製の場合はLIXILの「リシェル」あたりがスタンダードです。これらのブランドを選んでおけば、大きな失敗はないでしょう。 トリプルワイドレンジがいいなら、パナソニック「リビングステーション」。高級キッチンならトクラスの「ベリー」、手頃な価格ならノーリツの「レシピア」も人気が出ています。組み合わせキッチンならIKEAの「メトード」。格安キッチンなら、ニトリはコストパフォーマンス基本性能に優れているといえます。

「リノベーション」や「リフォーム」は個人で行うと高くなるのか

室内リノベーション済みマンションが売れている理由の一つに、「リノベーションやリフォームを個人ですると、高くつく」という都市伝説があります。 こうした都市伝説を逆手にとって、リノベ業者は「プロは個人よりも安くリノベーションできるので、リノベマンションはお得だ」などと売り込むのです。 でも、本当に、リノベーションやリフォームは、素人が個人で行うと高くなるのでしょうか。 リノベ・リフォームの価格の中身 リノベーションやリフォームの値段は、おおざっぱにいって、以下の内容で構成されてます。 ・設備費(ユニットバス、キッチン、フローリングなどの住宅設備) ・材料費(間取り変更をするときなどの木材など) ・人件費(職人さんの人件費) ・管理費(リノベーション業者の人件費) ・設計費(設計士が付く場合) このうち、ユニットバスなどの住宅設備は、不動産業者が大量発注すれば、定価の半額程度で仕入れることもできます。ただ、個別のリノベでは大量発注できないので、せいぜい4割引~半額程度です。個人で購入しても、リフォームを依頼する業者を通せば3割引程度にはなりますので、それほど大差はありません。 それ以外のコストも、個人で発注したら高く付く、という性格のものではありません。要するに、個人でリフォームする場合も、リノベ済みマンションを買うのにも「業者の利益」をなるべく払わないのが、安く買うコツです。その意味で、リノベ業者の利益が乗っている中古マンションは、どうしても割高になるのです。 素人のリフォームが割高になる理由 ただ、素人のリフォームが割高になる理由もあります。まず、リノベ業者のかわりに「リフォーム業者」に依頼するのですから、その手数料がかかります。上記の「管理費」という分類です。これがだいたい5~12%程度かかります。大手リフォーム業者に依頼すると、この管理費が高いため、リノベ業者に頼むのと変わらない価格になったりします。 また、発注主(個人)はリノベ・リフォームに慣れていないので、工事が始まってから仕様変更をしたりします。途中で気が変わったり、大事なことに気づいたりするので、追加工事が発生し、価格が高くなってしまうのです。 逆にいえば、必要最小限のリフォームを手頃な業者に依頼して、念入りに検討して行えば、個人でリノベーション、リフォームしても、それほど高くはならないはずです。

リフォーム済みマンションはやっぱり高すぎる、と実感した話

筆者は中古物件をウォッチしていますが、そのなかで最近気になるのが、リフォーム済みマンションの価格です。最近、高騰しすぎています。 5,400万円が6,500万円に たとえば、東京23区内城南エリアで、最近出た中古マンションA。築20年の約60平米で、当初の売値は5,400万円でした。このときは「居住中」でした。 この中古マンションAは、やがて売却済みになり、数ヶ月後に同じ部屋が「リフォーム済み物件」として、6,500万円で販売されていました。差額は1,100万円にものぼります。5,400万円で販売中のリフォーム前物件を、リノベーション業者が購入してリフォームし、1,100万円も価格を上乗せして販売しているわけです。 オープンルームをしていたのでのぞいてみたところ、若干の間取り変更があり、フローリングは張り替えられ、ユニットバス、トイレ、キッチンも入れ替えてありました。いわゆるフルリフォームです。 ユニットバスなどはメーカー品の標準タイプです。おおざっぱに見積もって、リフォーム価格は400~500万円程度でした。個人がこのリフォームを発注したとしても、600万円あれば十分できるでしょう。 1割は割高 つまり、個人が中古マンションAを購入し、自分でフルリフォームしたとしても、6,000万円あれば可能です。「リフォーム済み物件」は、500万円も割高なのです。 実際のところ、当初の中古マンションを購入する場合は、100万円程度の値引きはできるでしょうから、それを考えれば600万円も割高なわけです。実勢価格に比べて1割程度は割高ということになります。 手間賃と考えても高すぎる もちろん、リフォーム済みマンションにはメリットもあります。何よりも、買ってすぐ住めるというのは大きなメリットです。それに、自分でリフォームをする場合は、とんでもなく手間がかかります。その手間を省いてくれた価格が600万円、と考えれば……、やっぱり高すぎますね。 だいたい、自分でリフォームすると言っても、「三井のリフォーム」といった大手リフォーム会社に丸投げすれば、手間はそれほどかかりません。三井のリフォームはお高いリフォーム会社ですが、それでもこの程度のリフォームで、手数料を600万円も取りません。 それに、自分でリフォームすれば、住宅設備を好きなようにアレンジできます。600万円あれば、キッチンの最高級品を入れてもおつりが来るでしょう。 とにもかくにも、リフォーム済みマンションは、やっぱり損です。中古マンションの売買は、「居住中」の中古物件を買って、自分でリフォーム手配をするのが一番お得です。

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