基礎知識

タワーマンションの高層階を避けた方がいい、これだけの理由

タワーマンションの高層階は、眺望の良さや相続税対策の節税にも利用できると言うことで、人気を呼んでいます。しかし、高層階に実際に住むと、不便なのも知っておきましょう。 1階に降りるまで10分かかる!? タワーマンションは、例外なく大規模マンションです。そのため敷地が広く、敷地入り口からマンションの入り口へのアプローチに時間がかかります。さらにエレベーターで高層階に到達するにも時間がかかります。駅徒歩5分の立地でも、高層階からだと、実際は駅のホームまで10分くらいかかることもザラです。 とくに、朝のラッシュ時は、エレベーター待ちが生じます。エレベーターがなかなか来ないうえに、高層階から下に降りるまで各階停車状態になることも。駅徒歩5分のマンションでも、駅のホームまで15分かかることだってあるそうです。笑えない話ですよね。 窓を大きく開けられない 高層階は風が強いです。そのため、洗濯物を外に干せなかったり、窓を大きく開けられなかったりします。さらに、風が強い日は軽い「揺れ」を感じることすらあります。この「揺れ」に慣れないで引っ越す人もいるほどです。地震ともなると、地上とは比べものにならない大きな揺れに見舞われます。 タワーマンションは、高層建築物であるがゆえに、柱が多く、部屋のレイアウトにも制約が出ます。ある程度の面積の部屋になると、室内に大きな柱があったりします。 こういう事情を理解した上で、タワーマンションの高層階を選ぶのなら、それはそれでいい選択でしょう。景色がすばらしいのは間違いありませんし、日当たりも抜群で、住んでいて気持ちがいいからです。 でも、高層階のメリットにだけ惑わされず、実際に生活する上での不便さも頭に入れておくといいでしょう。

不動産業者との付き合い方3原則

マンションを購入するときに付き合わなければならないのが不動産業者。新築の場合は売主であるデベロッパー、中古の場合は仲介業者で、どちらも不動産業者です。マンション購入では、この不動産業者をどう使いこなすかが重要になります。ここでは、不動産業者との付き合い方の原則をご紹介しましょう。 「よい物件情報を引き出す意識」を持とう 最近はインターネットを検索すればさまざまなマンション販売情報が手に入ります。ただ、すべての情報がインターネットに載っているわけではありませんし、インターネット掲載前の情報を握っているのが不動産業者です。上手に付き合って、よい物件情報を引き出すという意識を持ちましょう。 不動産業者に対して、尊大な態度を取る方もいます。でも、きちんとした対応をして、相手を尊重する態度を取る方が、不動産業者もいい情報を優先して送ってくれたり、便宜を図ってくれたりするものです。ビジネスマナーとして当然ですが、不動産業者相手でも、礼をもって接しましょう。 これが大原則で、以下に不動産業者との付き合い方3原則をご紹介。 原則1 きちんと返事を返す 不動産業者に自分が求める条件を伝えると、相手はメールなどでさまざまな情報を送ってくれます。そのほとんどは、自分の希望とは合わないものだと思います。先方もそれを承知のうえで、とりあえず手持ちの情報を一通り送ることもあります。 そうしたときにも、「こんなつまらない物件を送ってきて!」などと怒って無視するのはNG。「この物件は予算オーバーなのでダメ」「この駅は希望外」「もっと駅に近い物件がいい」など、きちんと理由を説明して返事を返しましょう。 理由を説明するのが面倒なら、「どの物件も最初に伝えた条件と違う」という程度のことでもかまいません。とにかく、「返事をする」というのが大事なのです。 不動産業者も、たくさんの顧客を相手にしています。すべての顧客に同じように接することはできません。「返事をする」という基本的なマナーを持っている顧客に、優先的に情報を流してくれるようになるものです。そうすれば、いい物件が出たときに、真っ先に紹介してくれるようになるでしょう。(逆にいうと、返事すらしない顧客が非常に多い、ということです)。 原則2 急いで買う姿勢を見せない モデルルームなどを見学したり、中古物件で内覧をしたときに、アンケートを書く機会があります。こうしたときに、「良い物件があればすぐに買いたい」といった積極的な回答をするのは避けた方がいいでしょう。 アンケートの記入時は「とくに急いで買うつもりはない」と書きます。実際の会話でも、「1年以上かかってもいいから、ゆっくり多くの物件を見て、気に入ったものがあれば買うかも知れない」という趣旨にしておきます。 「すぐに買いたい」と回答してしまうと、不動産業者の熱が入りすぎ、電話攻勢を受けたりして、うんざりします。本当に緊急に買う必要があるならともかく、そうでない場合、営業電話は3回も受ければイヤになり、不動産業者との関係性が悪くなります。それは長い目で見た場合、あなたにとってもいいことではないですし、もちろん不動産業者にもメリットはありません。 ゆっくりと1年かけていい物件があれば買うから、気長に付き合って欲しい、という態度を示すのが良策です。そうすれば、不動産会社も、顧客リストにあなたの名前を入れて、必要なときに情報を送ってくれるようになるでしょう。 原則3 不動産業者のクルマに乗らない 実際にマンションを見に行くとき、物件までは自分の足で歩いていくことをおすすめします。不動産業者は、クルマに乗せて何件も見せたりすることもありますが、「こんなに何件も見せてもらったら、すぐに決めないと悪いなあ」などという気持ちになってしまうもの。そういう気持ちになると、不動産業者のペースになります。ですから、不動産業者のクルマには乗らないことです。 また、物件を見るときは、駅からの距離や雰囲気をつかむことも大事です。クルマで行けば、遠い距離も近く感じますし、治安の悪さなどがあっても肌で感じることができません。「駅から歩いて物件まで行くこと」も内覧のうち、と考えるといいでしょう。

隣地の空き地・駐車場にどんな高さが建設可能か予測する。高いビルやマンションが建てば日照・眺望が悪くなる

マンションを購入するときに注意したいのが、隣地。とくに、メイン採光部となる窓の前の隣地がどういう状態かは、よくよく確認したほうがいいでしょう。空き地になっていたら要注意。そこにどんな建物が建つ可能性があるかを、予測しておかなければなりません。 空き地、駐車場は要注意 マンションの隣地が空き地の場合、「何か建ったら日当たりが悪くなるのでは?」と心配する人は多いです。心配は当然で、隣地にどんな建物が建つ可能性があるかは、マンション購入前にチェックしなければならない重要項目です。 空き地でなくても、駐車場も要注意。駐車場は空き地を一時的に活用しているだけの場合もあるからです。 すでに隣地に建物が建っていても、より大きなビルやマンションに建て替わる可能性もあります。その場合、南側なら日照に大きな影響がでますし、東側、西側では太陽位置が低いだけに日当たりへの心配があります。 北側は日照の影響はありませんが、目の前に高いビルが建てば、眺望が悪くなるのは間違いありません。眺望が悪くなれば、当然資産価値も下がります。 どのくらいの建物が建つか? では、隣地にどんな建物が建つか、予測する方法はあるのでしょうか。 まずは、隣地の容積率と建ぺい率、高さ規制を確認します。容積率や建ぺい率が高ければ、高いビルやマンションが建つ可能性があります。一方、容積率や建ぺい率が低ければ、そんなに高い建物は建てられません。 具体的に、どのくらいの高さのビルやマンションが建つ可能性があるかを知る方法はあるのでしょうか。建設できるビルの高さは、容積率、建ぺい率、隣接する道路幅、高さ規制などさまざまな条件で決められますので、一概にはいえません。 ごくおおざっぱにいえば、たとえば容積率が300%なら5~6階の建物が建つ可能性があります。500%の場所なら7~8階建てのビルが建つ可能性はあります。絶対高さ規制が設定されているエリアだと、それ以上の高さのビルは原則として建てられません。 同じエリアでも、隣接する道路幅が広い土地ほど、高いビルが建つ可能性があります。大通り沿いには高いマンションが建ち並んでいますが、それは高さに対する規制が緩いからです。 用途地域を確認しよう ...

新築マンションの広告で真っ先に確認すべきチェックポイント

新築マンションの広告は手強いです。「ウソは書いていないけれど、都合の悪いことも書かれていない。ホントのことは小さく書かれている」とでもいうべきシロモノ。でも、参考になる情報は満載です。ここでは、マンションなど不動産広告の見方、チェックポイントをご説明しましょう。 小さい文字を熟読しよう マンションの広告を見るコツは、ひとことでいえば「小さい文字を熟読する」ということ。たとえば、大手不動産会社の名前が大きく書かれているので安心していると、実は販売会社がその大手企業なだけで、分譲主(事業主)は聞いたこともない企業だったりします。無名企業が、大手不動産会社に販売を委託していたりするわけです。 もちろん、事業主がどこの会社でもいい、という方なら気にならないでしょう。でも、大手の分譲だと思って買ったら、実際は違っていた、なんてことになったら悲劇です。 通常、不動産広告では、事業主の名称は大きく書かれます。しかし、それを小さく書いていて、販売代理の会社名が大きかったら、誤解を誘っているような印象を受けるでしょう。なぜ、その会社は誤解を誘うような表記をしているのか、と考えると、物件の購入意欲も失せるのではないでしょうか。 施工業者も重要 マンション広告の「小さい文字」のなかでも重要なのが、「物件概要」と書かれた部分です。ここに記載する内容は規約で定められています。 物件概要で重要なのは「施工業者」です。大手ゼネコンなら安心感がありますが、名前がよく知られているからと言って、常に優良な物件を供給しているとは限りません。その施工業者が、過去にどういう物件を施工してきたかをきちんと確認したほうがいいでしょう。 「竣工予定日」も確認すべき項目です。竣工予定日とは、建物が完成する日です。同時に「入居予定日」もきちんと確認します。 「交通」も気になります。マンションの価値の8割は立地で決まりますから、最寄り駅と、駅からの徒歩所要時間を確認しましょう。相場より安いマンションだな、と思ったら、駅からバス利用だったりします。 それらを確認してから、広告のより細かい記述を見ていくといいでしょう。

「庭付き一戸建て」より「タワーマンション」が優れている理由

少し前まで、日本人のマイホーム観は、「庭付き一戸建て」が理想とされていました。住宅購入の最終目標が庭付き一戸建て、というわけです。でも、最近はタワーマンションを好む人も大勢います。 どちらがいいのかは、購入者の好みやライフスタイルによります。でも、将来を見通して合理的に考えれば、タワーマンションが優れているでしょう。 庭付き一戸建てを新興住宅地で買うと? 庭付き一戸建ての最大の問題点は、広い面積を必要とすること。そうすると、便利な立地であればあるほど、価格はとんでもなく高くなります。お金持ちならいいでしょうが、そうでない人が庭付き一戸建てを買おうとすると、駅からバスに乗らなければならないような場所でしか買えません。 たとえば、丘の上の新興住宅地。そういうニュータウンに一戸建てを買う人も多いのですが、高齢になったときに住むのに不便です。30年も経てば、同じように不便を感じた近隣住民が駅チカのマンションに転居し始めたりして、新興住宅地は空き家が増えていきます。 そうすると、近くにあったスーパーが閉まり、バスの便も減らされます。徐々に地価も下落。売るに売れなくなって、生活も不便で困り果てる、というようなことが、実際に現在の日本で起きています。 タワーマンションは高齢者に優しい それに比べれば、都心のタワーマンションは高齢者に優しいです。バリアフリーで、スーパーやコンビニも近くにあり便利。管理人が常駐し、ちょっとした用事が頼めます。やはり、年を取った人にとっては、タワーマンションはおすすめです。 「土地付きの一戸建てのほうが、マンションより資産価値がある」と信じている人もいます。でも、考えてみてください。ニュータウンの一戸建てと、駅チカのタワーマンション、どちらが売りやすいですか? 言葉を換えれば、どちらを買いたいと思う人が多いでしょうか? 当然、タワーマンションです。売りやすい資産のほうが価値があるのはいうまでもありません。 もちろん、人気沿線の駅チカに庭付き一戸建てを買えるなら、そのほうが価値があるでしょう。でも、そういう一戸建ては、億単位の価格がしますので、普通の人には現実的ではありません。 育児なら郊外の一戸建てもいいが 子育てをする場合は、都心部のタワーマンションよりは、緑の多い郊外の一戸建てがいい、という人もいるでしょう。 それは否定しませんが、資産として考えた場合、あるいは若いときや中高年になったときの住みやすさでは、タワーマンションのほうが有利です。要するに、年齢や生活様式によって、必要とする住居は異なる、ということです。 「郊外の庭付き一戸建てが理想」というのは、人生のワンシーンで思うこと。人生のタイミングに合わせて、住み替えていきましょう。

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お金と税金

住宅ローンの返済額は、手取り給与の何%までにしておくべき?「30%以内」は限界値。20%程度に収めるべし

マンションを購入するとき、住宅ローンの支払額は月々の給与の何%までにするべきでしょうか。よく言われるのは、手取り給与の30%以内に収めるべし、というものです。その根拠はどこにあるのでしょうか。 なぜ「30%」なの? 住居費を収入の何%に収めるべきか、というのは、年収の総額によって異なります。年収400万円~600万円くらいの家庭の場合で、手取り月収の30%程度、というのが安全とされます。年収がもっと高いなら割合を高めても大丈夫ですが、それでも30%は一つの目安です。 なぜ、30%なのでしょうか。それは、他の家計支出とのかねあいです。たとえば、食費は収入の10~18%くらいかかるのが一般的。水道光熱費など公共料金が5~11%、通信費が3~5%、こどもがいる家庭なら教育費で10%、生命保険など保険類が5~10%くらいが標準的です。 管理費など諸経費を含めた金額 このほか、被服費、レジャー費、日用雑貨などでお金が出ていきます。もちろん多少の貯蓄も必要。こうして考えると、住居費に支出できる割合は手取り収入の20~25%が健全な水準、という計算になります。給料がよければもう少し割合を高めても大丈夫ですが、それでも限界値は30%くらいです。 このとき、住居費とは住宅ローンの返済額だけではありません。マンションの管理費、修繕積立金、固定資産税、駐車代も含めます。こうした諸費用は数万円に上りますので、軽んじてはいけません。月々負担できる住居費とは「住宅ローン返済額+諸経費」の総額で、それが手取り収入の30%未満に収まるようにしていきましょう。住居費を給与の30%以下に収めるべきならば、住宅ローンは25%程度にしておくべき、というわけです。

中古マンションの値段はどうやって決められるのか

中古マンションは売り主が個人がほとんどです。個人が売りたいときに売るので、物件が出るタイミングはバラバラで、そのため価格の「相場」はわかりにくいものです。 実際のところ、中古マンションの価格は、売り主が「この価格で売りたい」という、希望販売価格です。その前段階として、仲介する不動産業者が、「査定」をします。 中古マンションの「査定」の方法 査定の方法はさまざまですが、一般的には、築年数や駅からの距離などの条件の近いマンションの最近の取引価格を調査するのが最初でせう。それを参考に、売却対象のマンションの坪単価を査定し、当該住戸の面積に応じて値付けします。 このとき、階数の上下や方角、ルーフバルコニーや専用庭の有無などによって微調整するのは、新築マンションと同じです。 査定の範囲は、上下20%くらいの幅があります。3000万円が中心価格の場合、2700万円~3300万円、といった形で査定します。そうした査定を受けたうえで、売主と仲介業者が協議して販売価格を決めます。 販売価格は売り主によって異なる 販売価格には、売り主の意向が強く反映されますので、売主の都合により価格が異なります。「早く売りたい」という場合は控えめな値付けになりますし、慌てて売ろうとしていない場合は、強気の価格を設定して、反応をみたりします。 販売開始して、反応が悪かったりしたら、価格を再設定、つまり値下げします。購入者の立場としては、最初は「高いな」と思った物件でも、少し待てば値が下がってくることもあるわけです。 立地や階数などで条件のいい住戸は、多少高めの値付けでもすぐに売れてしまいます。また、割安な住戸も購入希望者がすぐに現れます。 大規模マンションの場合は「競争」も 購入希望者と売主の間では、値段交渉が行われるのが一般的です。ただ、割安な物件の場合は、売主は値段交渉に応じず「この価格で買わないなら、次の人に」と、別の人と交渉してしまう場合もあります。 こうしたやりとりを経て、最終的に売主と購入希望者が金額で合意すれば、それがその中古マンションの価格となります。 大規模マンションの場合は、同時期に似たような条件の住戸が売りに出されることもあります。そういう場合は、売主側に「競争」が生まれて、比較的安く買えることもあります。 情報を早くキャッチすることが大切 中古物件を安く買うコツは、なんらかの事情で価格設定が低くなっている物件を狙うことです。そうした物件を、他の購入希望者より早く見つければ、安く買える可能性が高くなります。そのためには、中古物件を扱う不動産業者のメルマガなどに登録し、いち早く情報をキャッチすることが大事です。 強気の価格設定の物件を狙うときは、とにかく待つことです。3000万円が適正な物件が3300万円で売りに出されていた場合、すぐに交渉しても、安くしてもらえないことがあります。 でも、売れなければ、売主は価格を下げてきます。少し時間が経って、値段を下げたときがねらい目です。値段を下げたと言うことは、売る気が強くなってきたと言うことですから、買う側も安く買えるチャンスといえます。 適正価格を自分で判断する いずれにしろ、大切なのは、このマンションの適正価格はいくらなのか、を自分で判断し、売主の事情を考慮しながら上手に交渉することです。 適正価格とは、資産価値を維持しやすい価格のことです。将来的に「この価格で買っておけば、将来大きな損をすることはないだろう」という価格が、購入者再度の適正価格といえます。 中古マンションには、ときどきとんでもなく「高い」値付けもありますし、不動産業者はそれを「適正」と言い張ることもあります。したがって、買うときは自分の価値基準の判断が大切です。

マンションの資産価値を決める要素

「マンションの資産価値とは何か」という記事で、マンションの資産価値とは「値下がりしにくさ」と「貸した場合の賃料利回りの高さ」であることを述べました。 では、マンションの資産価値を決める要素は何でしょうか。言葉を換えれば、資産価値の高いマンションを買うには、どういう点に気を付ければいいのでしょうか。 資産価値を決める3つの要素 結論から言ってしまうと、資産価値を決める要素は以下の3つです。 ・立地 ・タイミング ・購入価格 マンションは立地が全て 興味深い統計があります。首都圏の場合、平均すると70平米のマンションは年100万円ずつ値下がりする、というもの。これは、立地を問わず、どこでもだいたい同じなのです。 都心の70平米のマンションは新築で1億円くらいはしますので、100万円値下がりしても1%程度の値下がり率です。一方、郊外では3000万円くらいで70平米のマンションが買えます。それが100万円値下がりすると、3パーセントの値下がり幅です。 すなわち、立地のいいマンションのほうが、価格は高くても値下がり率は低く、「値下がりしにくいマンション」といえるのです。 都心で物件価格が高いほど、マンションは値下がりしにくく、資産価値が高いと言えます。「マンションは立地が全て」といいますが、こういう意味なのです。 タイミングも大切 次に、タイミング。不動産には相場の波があり、需要が多ければ値上がりし、少なければ値下がりします。 当然ですが、値下がりした「底」のタイミングで買えば、価格の下落の可能性は小さくなります。「底」のタイミングで購入したマンションは、あなたにとって資産価値の高いマンションとなります。 逆に、相場の高いときに購入すると、どんなに立地の優れたマンションでも、資産価値を維持するのは難しくなります。立地の悪いマンションならなおさらで、大損する可能性もあるでしょう。 安く買うことが大事 さいごが、購入価格です。相場の高いときであっても、上手に値切ることができたりして安く買えれば、資産価値は維持されやすいでしょう。 「不動産に掘り出し物はない」という人もいますが、実際には、同じ時期に同じような物件でも、10%くらいの価格差は新築・中古問わず発生しています。 3割、4割安いような「掘り出し物」はそうそうありませんが、1割程度でも安く買えれば、資産価値にとってはプラスになります。安く買うことは、資産価値の維持には重要です。

財形って役に立つの? サラリーマンの頭金作りの王道だけれど、低金利下では意味がない。

サラリーマンの方なら、会社に「財形」の制度がある人も多いでしょう。「財形住宅貯蓄」という名称で、住宅取得に関するお金を貯める場合に、一定金額まで利子が非課税になるものです。昔は、マンションなどを購入するときの頭金作りの王道とされました。 が、今でも役に立つのでしょうか? 目的別に3つの財形 財形とは、勤労者財産形成貯蓄制度のこと。サラリーマンの勤務先が、銀行などと提携して、給与やボーナスから天引きでお金を貯蓄してくれる制度です。 財形は目的別に3種類あります。「住宅」「年金」「その他」です。それぞれ「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」「一般財形貯蓄」という名称です。 財形の最大のメリットは、利子が元利合計で550万円まで非課税である、という点。普通の預貯金では利子に20%の税金がかかりますが、住宅財形と年金財形は、合算して元利550万円まで非課税になるのです。 また、住宅財形の場合、財形貯蓄を1年以上継続して、積立金額が50万円以上になると、積立金額の10倍(最高4000万円)まで、住宅取得に必要なお金を低利で借りることができます(全体の80%まで)。これを「財形住宅融資」といい、財形のメリットとされてきました。 金利が高ければ有利だが 金利が高い局面なら、住宅財形はなかなか有利な制度です。ただ、現在のような低金利下では、正直、それほどメリットはありません。利子に課税されないといっても、低金利では利子自体が非常に少ないので、課税されてもされなくてもせいぜい数十円や数百円の差にしかなりません。銀行の定期預金と比べて、大差ありません。 財形住宅融資にしても、最近は銀行の10年固定金利よりも金利が高かったりします。となると、金利面や税金面から財形の優位性は失われてきているのが実情です。 貯められない人にはいい制度 あとは、給与天引きをどう考えるかです。給与から一定金額が毎月差し引かれて貯蓄に回されるというのは、お金を貯めるにはいい制度でしょう。貯蓄が苦手な人には素晴らしい制度といえなくもありません。 でも、自分で計画的に貯められる人にはどうでもいい話ですし、財形は、いざ使うときに、お金を引き出す手続きがちょっと面倒というデメリットもあります。自動的に積み立てるなら、銀行の積立貯金でも似た効果が得られます。 ということで、現在の低金利下において、住宅財形は銀行の定期預金と比べて大きなメリットはありません。財形が無駄だとはいいませんが、銀行の積立貯金のほうが使いやすくて便利でしょう。

マンションの資産価値とは何か?

マンションを購入するときに、「資産価値」を気にする人は少なくありません。でも、「資産価値」とは何を指すのか、じつは曖昧です。ここでは、マンション購入時に考慮すべき「資産価値」について考えてみましょう。 将来高く売れるマンション 資産価値とは、直接的には「マンションの値段」を指します。3,000万円で流通しているマンションなら、3,000万円が資産価値です。 ただ、マンションを購入するときに考慮する「資産価値」は、少し意味が違います。「将来的に値下がりしにくい」ことを「資産価値」と表現していることが多いです。 不動産業界的には、資産価値の高いマンションとは「将来売るときに、買ったときより高く売れるか、値下がり幅が小さいマンション」を指します。あるいは「人に貸したときに得られる賃料利回りが高いマンション」です。つまり、「値下がりしにくさ」と「貸したときの賃料の高さ」が資産価値なのです。 「価格」とは関係ない この「資産価値」はマンションの「価格」とは関係ありません。この点は、とても大事です。 たとえば、現在5000万円のマンションで、10年後に4000万円になっていそうな物件と、現在3000万円で、10年後でも3000万円で売れそうな物件なら、後者のほうが「資産価値が高い」といえます。 後者は10年間値段が下がらないのに対し、前者は10年間で1000万円も価値が下がるのですから、「5000万円のマンションより3000万円のマンションのほうが資産価値が高い」といえるのです。 マンションの価格が上がるか下がるかの予測は、必ずしも当たるとは限りません。でも、立地や設備を見れば、ある程度は見通せます。 賃料利回りが高いマンション もう一つの賃料利回りが高いマンションについても触れましょう。賃料利回りとは、5000万円のマンションを年500万円で貸せたら利回り10%である、という意味です。 現在の日本では、マンションの賃料利回りは5%程度が相場で、都心では3~4%くらいのこともあります。「5000万円の価格で年250万円で貸せるマンション(利回り5%)」と「3000万円の価格で年300万円で貸せるマンション(利回り10%)」となら、後者のほうが資産価値が高いと言えます。

リフォーム

リフォーム済みマンションはやっぱり高すぎる、と実感した話

筆者は中古物件をウォッチしていますが、そのなかで最近気になるのが、リフォーム済みマンションの価格です。最近、高騰しすぎています。 5,400万円が6,500万円に たとえば、東京23区内城南エリアで、最近出た中古マンションA。築20年の約60平米で、当初の売値は5,400万円でした。このときは「居住中」でした。 この中古マンションAは、やがて売却済みになり、数ヶ月後に同じ部屋が「リフォーム済み物件」として、6,500万円で販売されていました。差額は1,100万円にものぼります。5,400万円で販売中のリフォーム前物件を、リノベーション業者が購入してリフォームし、1,100万円も価格を上乗せして販売しているわけです。 オープンルームをしていたのでのぞいてみたところ、若干の間取り変更があり、フローリングは張り替えられ、ユニットバス、トイレ、キッチンも入れ替えてありました。いわゆるフルリフォームです。 ユニットバスなどはメーカー品の標準タイプです。おおざっぱに見積もって、リフォーム価格は400~500万円程度でした。個人がこのリフォームを発注したとしても、600万円あれば十分できるでしょう。 1割は割高 つまり、個人が中古マンションAを購入し、自分でフルリフォームしたとしても、6,000万円あれば可能です。「リフォーム済み物件」は、500万円も割高なのです。 実際のところ、当初の中古マンションを購入する場合は、100万円程度の値引きはできるでしょうから、それを考えれば600万円も割高なわけです。実勢価格に比べて1割程度は割高ということになります。 手間賃と考えても高すぎる もちろん、リフォーム済みマンションにはメリットもあります。何よりも、買ってすぐ住めるというのは大きなメリットです。それに、自分でリフォームをする場合は、とんでもなく手間がかかります。その手間を省いてくれた価格が600万円、と考えれば……、やっぱり高すぎますね。 だいたい、自分でリフォームすると言っても、「三井のリフォーム」といった大手リフォーム会社に丸投げすれば、手間はそれほどかかりません。三井のリフォームはお高いリフォーム会社ですが、それでもこの程度のリフォームで、手数料を600万円も取りません。 それに、自分でリフォームすれば、住宅設備を好きなようにアレンジできます。600万円あれば、キッチンの最高級品を入れてもおつりが来るでしょう。 とにもかくにも、リフォーム済みマンションは、やっぱり損です。中古マンションの売買は、「居住中」の中古物件を買って、自分でリフォーム手配をするのが一番お得です。

リフォームで使える「キッチン」の費用と相場。安くておすすめのキッチンは?

マンションでも一戸建てでも、リフォームするときに悩むのがキッチン。各社から多くのシステムキッチンが販売されてて、どれも一長一短に見えてしまいます。ここでは、リフォーム向けのキッチンをご紹介。費用、相場とおすすめを解説しましょう。 どんなキッチンメーカーがあるの? まず、キッチンの最大手はどこでしょうか。答えはLIXIL。サンウェーブとINAXなどが合併して経営統合した結果、システムキッチンシェアの3割を占めています。次がタカラスタンダードで、LIXIL誕生までは長年キッチン史上首位を占めてきた老舗です。以下、3位クリナップ、4位パナソニックと続きます。 そのほかのキッチンメーカーとしては、水回りに強いTOTO、給湯器に強いノーリツ、YAMAHAの系統を引くトクラス、旧日立系で現在はヤマダ電機グループのハウステックといった会社があります。最近はニトリやIKEAなどの家具小売店もシェアを伸ばしています。 キッチンの最低価格はどのくらい? システムキッチンの価格はベースとなる「本体価格」に「オプション」を組み入れた総額です。「本体価格」だけならそれほど高くはなく、格安キッチンなら10万円台でも一通り揃います。 たとえば、ニトリのキッチンなら、幅2560mmで19万9000円のものが販売されていますが、ガスコンロやレンジフード、引き出しなどのフロアキャビネットや、頭上のウォールキャビネットもこの値段に含まれています。これに食洗機を付けると24万9000円になります。 これで十分といえば十分で、実際、ファミリー向けの賃貸マンションでは、こうした10万円台のキッチンが備えられていることもよくあります。10万円台のキッチンで大丈夫?なんて声も聞きますが、きちんと施工されれば20-30年は持ちますので、心配する必要はありません。 価格相場をつかもう! ただ、分譲マンションで自分専用のキッチンで、もっと使いやすいものを、となると、もう少しいいブランドのものを選びたくなりますし、さまざまなオプションを付けたくなります。 マンションリフォームの価格相場をつかむのにわかりやすいのが、クリナップです。クリナップは「S.S.」「クリンレディ」「rakuera(ラクエラ)」「コルティ」という4つの性格付けの異なるブランドのキッチンを販売しています。 まず「S.S.」は最高級ブランド。質の高いステンレスを使った高品質キッチンで、幅2550mm(以下同)の参考価格が99万4550円。次のクリンレディはオールステンレスながら手頃な価格を実現した物で、参考価格が63万8000円。ラクエラは木製キッチンで49万2800円。コルティは幅1800mmのコンパクトキッチンで30万9700円となっています。 ラクエラを例に取ると、最低価格は49万2800円ですが、扉に使う素材で異なります。鏡面仕上げの「グランドシリーズ」という扉を使うと55万9800円になり、マット仕上げや光沢仕上げは安くなります。さらに使う木材によって「コンフォートシリーズ」は50万9800円と少し高くなります。 49万2800円は、最もグレードの低い「シンシアシリーズ」という扉を使った場合です。扉による価格差は結構大きく、クリンレディで高い扉を付けると、S.S.の安い扉を付けた場合より高くなってしまいます。 大手メーカーは基本価格50万円が相場 タカラスタンダードやクリナップといった大手メーカーの場合、主力ブランドの基本プランは、2550mmで50万円前後に設定されています。したがって、大手システムキッチンの相場価格は、基本プランなら50万円前後と考えていいでしょう。 ただ、これはあくまで定価で、実際に施工する業者によって卸値は異なります。たとえば、上記ラクエラの場合、格安キッチンとして検索すると、15万円前後の価格を見つけることができます。つまり、6割~7割も値下げしているのです。 ニトリやIKEAなどの格安キッチンの場合は、15~20万円前後の価格設定が相場で、値引きは基本的にはありません。つまり、大手キッチンの安値ブランドや小売店の格安ブランドのキッチンは、基本プランで15~20万円程度が実勢価格の相場といえます。 オプションを付けると高くなる ただし、システムキッチンを基本プランで購入する人はあまりいません。食洗機を入れたり、引き出しを増やしたり、シンクの形を変えたり、ワークトップの素材を変えたりします。こうしたオプションによってキッチンの値段は基本価格の倍くらいになることもあります。 扉の色や素材によって大きく価格が変わることは前述しましたが、メーカーにとっては、基本価格は安くしながら、オプションで利益を得るというのが一つの戦略なのです。 オプションを付けた総額はいくらくらいなの? という質問を受けることもありますが、千差万別としか言いようがありません。定価ベースでいうなら、基本価格の1.5倍くらいが総額になるようなオプションを付ける人が多いです。 食洗機を付け、シンクやレンジフードや水栓を少しいいのに変えて、引き出しも増やしたりすると、そのくらいの価格になります。つまり、定価ベースで70~80万円くらいが相場と考えればいいでしょう。 どのくらい値下げしてくれる? 値下げ後の価格に関しても千差万別ですが、大手メーカーの主力ブランドの場合、2割~3割引程度と考えておくといいでしょう。インターネットを検索すると半額くらいの格安価格を提示している会社もありますが、そこまで値引いてくれることは、実際にはあまりありません。 値引いてくれたとしても、そのぶん施工費用に上乗せされることもありますので、表面上の価格にこだわるよりも、総工費を見たほうがいいでしょう。 キッチンのおすすめブランドは? おすすめブランドは、一概にはいえませんが、ホーローが好きならタカラスタンダードの「リテラ」、ステンレスがいいならクリナップの「クリンレディ」、木製の場合はLIXILの「リシェル」あたりがスタンダードです。これらのブランドを選んでおけば、大きな失敗はないでしょう。 トリプルワイドレンジがいいなら、パナソニック「リビングステーション」。高級キッチンならトクラスの「ベリー」、手頃な価格ならノーリツの「レシピア」も人気が出ています。組み合わせキッチンならIKEAの「メトード」。格安キッチンなら、ニトリはコストパフォーマンス基本性能に優れているといえます。

リノベーション済みマンションを避けるべき、たった1つで、最大の理由

中古マンションで最近多く見かけるのが、「室内リノベーション済み」マンションです。中古物件を業者が購入し、内装のリフォームなどを施して、「リノベーション済み」として販売しているのです。こうしたマンションは、おすすめでしょうか。それとも、避けるべきなのでしょうか。 結論は「おすすめしない」 中古マンションでは、たいてい、前の住人の生活の痕跡が残っているものです。リノベーション済み物件は、そうした痕跡をまっさらに消してしまっていて、買ってすぐに気持ちよく住めます。なかには、新築マンションかと見まがうようなきれいな内装にしていることすらあります。 では、こうした「リノベーション済みマンション」を購入することは正解なのでしょうか。 答えは「おすすめしない」です。 リノベマンションを避けるべき理由 その理由は、たった1つ。割高だからです。 リノベーションマンションは、リノベーション費用が思いっきり上乗せされています。リノベ業者は「プロがやっているので、素人のお客さんが頼むより安くリノベできるのです」などという決まり文句を使います。しかし、そんなことは、まずありません。 リノベーション業者が発注すると、たしかに効率的な発注はできます。そのため、無駄なコストを生じさせませんので、素人よりも多少安くすることは可能でしょう。 しかし、リノベーションを実際に行うのは職人さんであり、その人件費は個人で発注しても業者が発注しても大きくは変わりません。キッチンやユニットバス、トイレといった住宅設備も、リノベ業者だけが格安で買えるわけではありません。 結局、リノベーション費用は、素人がやっても業者がやってもそれほどの差にはなりません。業者がやると、多少安くはできますが、そのぶんリノベ業者の手数料が思いっきり上乗せされます。その結果、リノベ済みマンションは、割高な価格設定になっていることが多いのです。 1500万円も上乗せ 筆者が実際に見た例を申し上げましょう。都内の3LDKマンションの例です。最初に個人が5400万円で売りに出していた物件を、リノベ業者が4800万円で購入し、リノベーション(というかリフォーム程度)を施した上で、6300万円で販売していました。 5400万円で販売していたマンションを600万円も値切って買ったあげくに、リノベ費用を1500万円も上乗せしているのです。そのリノベの内容は、筆者が見た限り、素人がリフォーム業者に依頼したとしても、せいぜい400万円程度で行える内容です。 つまり、素人が5400万円の「売値」で購入したとしても、5800万円で手に入れることが出来る程度の内装のマンションを、6300万円で売っているわけです。買う側から見れば、500万円、約1割も割高になります。 リノベ済み物件はもったいない ちなみに、そのリノベ-ションは、壁紙を張り替えて、ユニットバスとトイレを入れ替え、あとは念入りにハウスクリーニングをした程度です。ユニットバスとトイレも、安物ではありませんが、標準的なランクの設備でした。プロが上手に発注したら、300万円もかからない内容です。 もし個人がそのマンションをリノベ前の状況で買ったとして、6200万円あれば、キッチンや洗面台も入れ替えて、フローリングも貼り変えることができるでしょう。キッチンやユニットバスも、ちょっと上等なものにできます。 金額的な面もさることながら、自分の思い通りのリフォームができないという点からも、このリノベーション済み物件を買うのは、いかにももったいないです。 「割高」で「それなり」 このように、リノベーション業者の販売するマンションは、率直にいって「割高」ですし、あつらえられた設備も「それなり」です。 リノベーションの内容も、必ずしも購入者が求める内容で行われているとは限りません。「新築そっくり」にする必要もないのに、何でも設備を交換して、費用を上乗せしている可能性もあります。 逆に、もっと設備を入れ替えてもいいのに、古い設備を「見た目」だけきれいにして販売していることもあります。上記のように、そもそも「リノベーション」といえるほどの内容を行っていないケースすらあります。 また、あまり想像したくはないのですが、欠陥が隠蔽されている可能性もあります。リノベ前に見たらわかるような穴やヒビなどが、表面上、壁紙を張り替えてきれいにされていたりすることもあります。 「リノベーション業者」が悪徳というつもりはありません。良心的な業者が適正な利益を乗せているだけだったとしても、個人で買ってリフォームする方が、安く確実なリノベーションができる、ということです。

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